プレミアクラスは、6月9日に第8戦アラゴンGPが開催されたモーターランド・アラゴンでオフィシャルテストを実施。決勝レースで転倒を喫したマーベリック・ビニャーレスは3.8レースに相当する88ラップを周回すると、セッション終了直前に公式予選2で樹立されたオールタイムラップレコード(1分45秒704)を非公式ながら0.010秒更新する1分45秒694を記録。公式予選2の8番時計を0.74秒更新して総合1番手に進出した。
現地時間の10時00分から18時00分まで実施されたテストセッションは、午後に気温が33度、路面温度は56度まで上昇した厳しいコンディションとなり、これから厳しい暑さを迎えるシーズンに向けて、絶好のシミュレーションとなり、19人のレギュラーライダーと2人のテストライダーにとっては、ファクトリーが準備したマテリアルやパーツを検証すると共に重要な暑さ対策を講じる機会となった。
KTM
レッドブル・KTM・ファクトリー・レーシングとレッドブル・KTM・テック3は、ステゴサウルス型のリアウイングなどエアロパッケージを中心としたテストに着手。ペドロ・アコスタは午前の19ラップ目7コーナーで転倒を喫したが、計59ラップを周回して公式予選2の5番時計を0.292秒更新。トップタイムから0.335秒差の総合5番手に進出すれば、ブラッド・ビンダーは72ラップを周回して総合13番手。エネア・バスティアニーニは62ラップを周回して公式予選1の7番時計を0.442秒更新して総合16番手。
アプリリア
課題のタイムアタックとコーナー出口での安定性を追求。形状が若干変更されフロントのフェアリングや電子制御、エンジンマネジメント、シャーシセッティングなどのテストプログラムに取り組み、公式予選で転倒を喫したが、ティソ・スプリントと決勝レースで8位まで挽回したマルコ・ベツェッキは3.7レースに相当する87ラップを周回して0.006秒差の総合2番手。オールタイムラップレコードを上回ると、ラウール・フェルナンデェスは78ラップを周回して公式予選1の3番時計を0.114秒更新する総合12番手。
トラックハウス・レーシングは、次戦イタリアGPでの復帰を目指す小椋藍のアプリリア機に若手を試乗させる機会を提供。中量級のポイントリーダー、マヌエル・ゴンザレスを招集すると、午前の26ラップ目2コーナーで転倒を喫したが、87ラップを周回して2.138秒差の総合21番手。
ドゥカティ
ドゥカティ・レノボ・チームの両雄は、プレシーズンで試したフェアリングを再検証。パーフェクトウィークエンドを達成したマルク・マルケスは3.1レースに相当する73ラップを周回すると、公式予選2で記録したオールタイムラップレコードには届かなかったが午前のタイムで0.055秒差の総合3番手に進出。
フロントのブレーキディスクを変更したことで、本来のハードブレーキングが蘇って来たフランチェスコ・バグナイアは72ラップを周回して0.697秒差の総合9番手。
2024年型のチャンピオンマシンを使用するBK8・グレシーニ・レーシングは、新たなパーツがないことから、フェルミン・アルデグエルはフロントのフィーリング向上を目的に45ラップを周回。公式予選2の7番時計を0.402秒更新する0.264秒差の総合4番手に進出すれば、アレックス・マルケスは電子制御とサスペンションを調整するために31ラップを周回した後、午後の走行をキャンセルして0.579秒差の総合8番手。
ペルタミナ・エンドゥーロ・VR46・レーシング・チームで旧型を使用するフランコ・モルビデリは、午後の29ラップ目10コーナーで転倒を喫したが58ラップを周回して総合6番手。新型を使用するファビオ・ディ・ジャンアントニオは72ラップを周回して総合11番手。
ヤマハ
4人がニューエンジンの検証とスイングアーム、エアロパッケージのテストを中心としたプログラムに取り組み、ファビオ・クアルタラロは3.1レースに相当する72ラップを周回すると、公式予選2の9番時計を0.228秒更新する0.519秒差の総合7番手に進出。ジャック・ミラーは午後の15ラップ目12コーナーで転倒を喫し、46ラップを周回して総合14番手。
3戦に負傷欠場したことから走り込みが必要だったミゲール・オリベイラは、64ラップを周回して公式予選1の6番時計を0.714秒更新する総合15番手。アレックス・リンスは午前の41ラップ目8コーナー、午後の3ラップ目12コーナーで転倒を喫したが60ラップを周回して総合18番手。
プリマ・プラマック・ヤマハは、2日後の6月11日から2日間バルセロナ-カタルーニャ・サーキットでプライベートテストを実施。ヤマハはテストライダーのアンドレア・ドビツィオーソとアウグスト・フェルナンデェスを招集して開発中のV型4気筒エンジンを検証する予定。
ホンダ
ルカ・マリーニが負傷欠場したため、ジョアン・ミルとヨハン・ザルコが準備された多数のアイテムを検証。第5戦スペインGPにワイルドカード参戦したアレイシ・エスパルガロが使用したカーボン製のスイングアームを試す機会があったジョアン・ミルは64ラップを周回して公式予選2の11番時計を0.354秒更新して0.725秒差の総合10番手。
ヨハン・ザルコは67ラップを周回して総合17番手。ソムキアット・チャントラは午後の24ラップ目7コーナーで転倒したが、53ラップを周回して2.259秒差の最後尾22番手だった。
RESULTS