ジェットコースターのような前半戦
最終戦でチャンピオンに輝き、チャンピオンナンバー『1』と共に登場したプレシーズンテスト初日に転倒、開幕戦タイGP直前にトレーニングアクシデント、そして、デビュー戦となった第4戦カタールGPで負傷。相次ぐ負傷に見舞われ、欠場を強いられていた中、アプリリアからの離脱を表明したホルヘ・マルティンだったが、数ヶ月間にわたる憶測の後、2度目の復帰戦となった前半戦最後の第12戦チェコGPで残留を宣言し、グランプリレースで7位完走。
元王者歴史に刻む圧巻の強さ
11年間所属したホンダのファクトリーチームを離れ、1年間サテライトチームに所属したマルク・マルケスがドゥカティ・レノボ・チームからのデビュー戦でダブルウィンを達成すると、第12戦チェコGPでは第8戦アラゴンGPから5戦連続8度目のダブルウィンを成し遂げ、ドゥカティ史上初となる5連勝も記録。タイトル争いのライバルたちに対して3戦で逆転が不可能な120ポイント差以上にアドバンテージを拡大。
71年ぶりの快挙
天候とトラックコンディションに翻弄され、カオスの状態となった中、沈着冷静に状況を見極め、老練な判断を下したチャンピオンシップ最年長のヨハン・ザルコが初めて招待した両親の前で1954年以来71年となるフランス人によるフランスGPの優勝を挙げ、ホンダに2021年10月の第16戦エミリア・ロマーニャGP以来68戦ぶりとなる勝利をもたらすことに成功。
覚醒したタイトル候補
多くのファンやメディアからマルク・マルケスの弟と比喩されることがあったが、開幕戦から3戦連続のダブル2位を獲得すると、プレミアクラス94戦目となった第5戦スペインGPで初優勝を挙げ、ポイントリーダーに飛び出すことに成功。チャンピオンシップにアレックス・マルケスの名を刻み、マイク・ヘイルウッド、フィル・リード、バレンティーノ・ロッシ、マルク・マルケスに次ぐ史上5人目の3クラス制覇に向けて躍進中。
三つ巴のバトル
開幕戦タイGPから表彰台を連取してきたマルク・マルケス、アレックス・マルケス、フランチェスコ・バグナイアの3人がアウトードロモ・インテルナツィオナーレ・デル・ムジェロでファン待望の直接バトルを展開。ホイール・トゥ・ホイールの激しいバトルは、まさに『MotoGP™』の真骨頂とも言える圧巻のトップ争いだった。
静かに輝きを放つ
トラック内外でホルヘ・マルティンに注目が集まった中、負傷代役のロレンソォ・サバドーリと共に黙々と作業に取り組んだマルコ・ベッツェッキがシルバーストンで猛烈な追い上げを見せ、アプリリアに絶好のタイミングで今季初優勝をもたらすと、さらに2度の2位を獲得。総合4位に浮上し、チームメイトと共に後半戦を掻き回すことが予想される。
悲痛の涙
ヤマハのエースとして牽引するファビオ・クアルタラロが3戦連続のポールポジションから2022年6月の第10戦ドイツGP以来57戦ぶりとなる優勝に向けて独走していたが、12ラップ目にリアのライドハイトデバイスが破損。悲痛のリタイアを強いられた。