2016年:19年ぶりの開催
1997年以来19年ぶりにオーストリアGPが開催日程に復帰。序盤からドゥカティのファクトリーチーム、ドゥカティ・チームの両雄、アンドレア・ドビツィオーソとアンドレア・イアンノーネがレースを牽引すると徐々にヤマハのファクトリーチーム、モビスター・ヤマハのホルヘ・ロレンソとバレンティーノ・ロッシを引き離し、終盤は一騎打ちの展開。
2017年:アンドレア・ドビツィオーソ対マルク・マルケス
序盤はドゥカティ1年目のホルヘ・ロレンソが主導権を握ったが、12ラップ目からマルク・マルケスとアンドレア・ドビツィオーソが優勝争いを展開。ダニエル・ペドロサが追走してきたが、勝負の行方は最終ラップの最終コーナーまで持ち込まれた。
2019年:アンドレア・ドビツィオーソ対マルク・マルケス
タイトル争いを繰り広げるマルク・マルケスとアンドレア・ドビツィオーソが中盤から優勝争いを展開。ラスト5ラップからは激しい攻防が繰り広げられ、2017年を再現するように、両雄の対決は最終ラップの最終コーナーにもつれ込んだ。
2020年:シュタイアーマルクの対決
世界的なパンデミックの影響を受け、変則的なシーズンとなり、第5戦オーストリアGPが開催された翌週に第6戦スティリアGPが催行され、ジョアン・ミルがプレミアクラス初優勝に向けて疾走していたが、マーベリック・ビニャーレスの転倒により赤旗。12ラップのリスタートは、ポル・エスパルガロとジャック・ミラーが優勝を争っていたが、最終ラップの最終コーナーでドラマが起き、ドゥカティの連勝を阻止したKTMがホームレース初優勝を飾る。
2021年:運命の女神は勇者に味方する
ドライレースが宣言された中、オープニングラップにトップに躍り出たフランチェスコ・バグナイアを中心にファビオ・クアルタラロ、マルク・マルケスが優勝争いを展開したが、雨が降り出したことから、1週間前に優勝を挙げたホルヘ・マルティンと2位のジョアン・ミル、ブラッド・ビンダーが接近。ウェットタイヤを装着したバイクに乗り換えるために次々にピットレーンに入って行く中、弟ダーリン・ビンダーの意見を参考に、リスクを冒すギャンブルに出たブラッド・ビンダーがトップグループで唯一スリックタイヤのまま走り続けることを決断。父親から伝えられた『運命の女神は勇者に味方する』という言葉通り、勇断がKTMに勝利をもたらし、チャンピオンシップ史上最も忘れられない1レースとなった。