歴史を刻むマルク・マルケスを止めることができるか?

地球上で最もエキサイティングなスポーツを牽引するポイントリーダーのマルク・マルケスがスポーツ界最大のカンバック、そして6年ぶりとなるタイトル奪回に向け、ホームグランプリに挑戦

チャンピオンシップは、サマーブレイク明けの2連戦、中央ヨーロッパで開催された第13戦オーストリアGP第14戦ハンガリーGPを経て、イベリア半島に再上陸。1992年に初開催してから34年連続、35度目を迎えるバルセロナ-カタルーニャ・サーキットで今シーズン4度目となる2連戦の初戦、第15戦カタルーニャGPを迎える。

タイトル奪回に向けて驀進中

初開催地バラトンパーク・サーキットで歴史を刻み、第8戦アラゴンGPから驚異的な7戦連続10度目のダブルウィンを達成した地元カタルーニャ出身のマルク・マルケスは、プレミアクラスに昇格してから2014年と2019年の優勝を含め8度の表彰台を獲得したホームサーキットにポイントリーダーとして乗り込み、週末の結果次第では、2019年以来7度目、キャリア通算9度目のタイトル獲得に王手をかけ、所属するドゥカティのホームグランプリとなる来週末の第16戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPで最初のチャンスを得る。

巻き返しが始まるか?

総合2位アレックス・マルケスは、サマーブレイク明けの2連戦で19ポイントしか稼げず、ポイント差は4.7戦に相当する175に拡大したことから、比較的得意し、昨年11月のオフィシャルテストで1番手に進出したホームトラックでどのような走りを見せ、ギャップを詰められることができるのかが焦点となる。

総合3位フランチェスコ・バグナイアは2連戦で15ポイントを加算。ポイント差は6.1戦に等しい227に広がったが、前戦のグランプリレースで得た確かな自信を持って、転倒と優勝(昨年5月の第6戦カタルーニャGP)、連続優勝(11月の最終戦ソリダリティGP)を挙げた右回りトラックで上位進出、そして、チームメイトに挑戦。

総合6位と総合7位に後退したフランコ・モルビデリファビオ・ディ・ジャンアントニオは、総合4位マルコ・ベツェッキを視野に総合5位ペドロ・アコスタに挑戦。総合8位フェルミン・アルデグエルは、昨年11月にテストデビューしたトラックでどのくらい成長したかを確認する機会となり、再び上位進出を目指す。

アプリリア、狙うは今季2勝目

3戦連続5度の表彰台を獲得した総合4位マルコ・ベツェッキは、総合3位とのギャップを1戦で逆転可能な31ポイント差まで挽回。アプリリアが1年前にティソ・スプリントで優勝、2年前にダブルウィンを達成したトラックで第7戦イギリスGP以来となる2勝目にチャレンジ。

注目の1人は、チャンピオンナンバー1と共に今季初めて地元ファンの前に登場するホルヘ・マルティン。前戦ではショートレースで今季初めてポイント圏内に進出し、グランプリレースでは4位を獲得。2022年から連続表彰台を獲得し、10ヶ月前にはタイトルを獲得した思い出の舞台で今季初の表彰台を狙う。

アプリリア・レーシングと共にトラックハウス・レーシングの両雄にも注目。総合12位ラウール・フェルナンデェスはパフォーマンスが向上すれば、総合16位小椋藍は中量級のタイトルを獲得した昨シーズンに優勝と4位に進出したトラックで第9戦イタリアGP以来となるトップ10、第5戦スペインGP以来となるシングルフィニッシュを目指す。

初優勝を挙げるか?

パフォーマンスとリザルトが向上するKTMを牽引するのは、今季2度目の表彰台を獲得して総合5位に浮上したペドロ・アコスタ。速さと強さに加え、精神的に成熟し始めたこともあり、初優勝の期待が高まり、総合11位ブラッド・ビンダー、総合15位エネア・バスティアニーニとともにドゥカティ勢に挑戦。

2連戦を欠場して、治療とリハビリに専念した総合14位マーベリック・ビニャーレスがホームグランプリで復帰するかどうか最初の注目点。欠場する場合には、負傷代役を務めた2戦、第12戦チェコGPと第14戦ハンガリーGPで9位と8位に進出したテストライダーのポル・エスパルガロが起用される。

目標は安定したトップ5入り

天候に翻弄された第6戦フランスGPで優勝、赤旗リスタートとなった第7戦イギリスGPで表彰台を獲得した後、後半戦初戦の第13戦オーストリアGPと初開催地で開催された第14戦ハンガリーGPで好結果を収めたホンダは、『RC213V』の競争力が向上していることを証明。今週末から始まる第15戦カタルーニャGPからは、契約を更新した総合9位ヨハン・ザルコと総合13位ルカ・マリーニ、そして総合18位ジョアン・ミルが安定して公式予選2へ進み、ティソ・スプリントとグランプリレースで一貫してトップ5に進出することを目指す。

トレーニングアクシデントが原因で第11戦ドイツGPから4戦連続して負傷欠場した総合26位ソムキアット・チャントラは復帰の見込み。その場合には開催前日の木曜日にメディカルチェックを受ける。

重要な局面

困難な2連戦となったヤマハは、アンドレア・ドビツィオーソを中心に開発を進める『V4』エンジンを第16戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPで初投入することを発表。アウグスト・フェルナンデェスが実戦で検証することになったが、その前に、2020年と2022年に優勝を挙げた総合10位ファビオ・クアルタラロを中心に、総合17位ジャック・ミラー、総合19位アレックス・リンス、総合23位ミゲール・オリベイラは昨年の最高位が9位と11位だったトラックで困難な状況からの脱却を図る。

気象状況

月曜日の時点で、木曜日から日曜日まで最高気温29度、最低気温18度。降水確率5%以下のドライコンディションが予報されている。

Moto2™

ポイントリーダーのマヌエル・ゴンザレスは、最終ラップで今季5勝目を逃したが、今季9度目の表彰台を獲得。総合2位アロン・カネトが6位だったことから、ポイント差が25に拡大。タイトル獲得に向けて前進したが、総合3位ディオゴ・モレイラが第11戦ドイツGPからの2連戦で0ポイントだった後、第13戦オーストリアGPからの2連戦で優勝と2位を獲得して、クラス最多となる45ポイントを稼いだことから、31ポイント差に接近。タイトル獲得の可能性を自ら引き戻し、タイトル争いは3人に絞り込まれた。

昨年11月に当地で開催された最終戦ソリダリティGPではアロン・カネトマヌエル・ゴンザレスディオゴ・モレイラの順で表彰台を獲得していた。

前戦ではルーキーたちが躍進。総合11位ダニエル・オルガド、総合14位ダビド・アロンソ、総合18位イバン・オルトラ、総合19位コリン・ベイヤー、総合21位アドリアン・ウエルタスが揃ってトップ10入りを達成。特に新人勢の1番乗りとなる初優勝を挙げたダビド・アロンソは、昨年5月と11月に優勝を挙げたトラックに確かな自信と勢いに乗って乗り込むことから、残り8戦でタイトル争いをかき回す存在になるかもしれない。

パフォーマンスが向上する総合23位佐々木歩夢は今季2度目の1桁台、國井勇輝は初のポイント圏内進出を狙う。

Moto3™

ポイントリーダーのホセ・アントニオ・ルエダは、サマーブレイク明けの2連戦で連続5位。22ポイントを加算すれば、総合2位アンヘル・ピケラスは優勝と4位で38ポイントを稼ぎ、85ポイント差から69ポイント差に接近。依然として、2戦以上のギャップが維持されているが、200ポイントのタイトル争いにおいて、第17戦日本GPから始まるオーバーシーズを前に、第15戦カタルーニャGPと第16戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPの2連戦がタイトル争いの行方を大きく左右することになるだろう。

前戦で今季2勝目を挙げたマキシモ・キレスは総合3位に浮上。新人王争いでもアルバロ・カルペを越えてトップに躍り出れば、3戦連続3位、5戦連続7度目の表彰台を獲得した総合4位ダビド・ムニョスとともに、タイトル争いをかき回す存在となっている。

総合8位と11位に後退した山中琉聖古里太陽は、ホームレースとなる第17戦日本GP前に、今季4度目の2連戦で好結果を獲得したいところ。

 

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