チャンピオンシップ78年目のシーズン後半戦は、第12戦イギリスGPから始まり、最終戦バレンシアGPまで17週間で11戦が開催される。
熾烈なタイトル争い
第11戦ドイツGPが終了した時点で、ランキングのトップ5が24ポイント差に接近。2002年以降最も熾烈なタイトル争いが展開された。
第10戦オランダGPでポイントリーダーに浮上したホルヘ・マルティンは、2023年と2024年にタイトル争いの経験があり、初優勝を含め3戦連続の表彰台を獲得した小椋藍は直近の3戦で最も多くのポイントを加算。
パーフェクトウィンで前半戦を締め括ったマルク・マルケスは手術から復帰後の5戦で最も多くのポイントを稼ぎ、102ポイント差から18ポイント差まで接近。
開幕から3連勝を含む最多4勝を挙げたマルコ・ベッツェッキは直近の4戦で11ポイントしか稼げずに総合4位に後退したが、ポイント差は1戦で逆転が可能な22。ファビオ・ディ・ジャンアントニオは24ポイント差。
ダークホース
タイトル争いは、24ポイント差のトップ5が中心となるが、3度の表彰台を獲得したラウール・フェルナンデェスとペドロ・アコスタ、4度の表彰台を獲得したフランチェスコ・バグナイア、1勝を挙げたアレックス・マルケスはタイトル争いをかき回す存在だが、オーバーシーズ前の4戦次第ではタイトル争いに加わる可能性は高い。
初優勝
第10戦オランダGPで小椋藍が初優勝を挙げたことから、フルエントリーライダー22人中まだ優勝を挙げていないのは、ルカ・マリーニ、ペドロ・アコスタ、ディオゴ・モレイラ、トプラク・ラズガトリオグルの4人。中でもペドロ・アコスタがシーズン中に初優勝を挙げられるか注目が集まる。
オーバーシーズ
今年もオーバーシーズの初戦に指名されたのは、モビリティリゾートもてぎ。第16戦日本GPと第17戦インドネシアGPの2連戦、第18戦オーストラリアGP、第19戦マレーシアGP、第20戦カタールGPの3連戦は、時差と気候の影響を受けるだけでなく、怪我や体調を崩せば、連続欠場の恐れもあり、タイトル争いを大きく左右する6週間になるかもしれない。
オーバーシーズで注目を集まるのは、第18戦オーストラリアGP。来年から市街地サーキット、アデレード・ストリート・サーキットでの開催が決まっていることから、フィリップアイランド・サーキットで最後のグランプリを迎える。
ライダーマーケット
タイトル争いに平行して、ライダー市場も関心が高く、まだ来季の去就が決定していないラウール・フェルナンデェス、ルカ・マリーニ、エネア・バスティアニーニ、ブラッド・ビンダー、フランコ・モルビデリ、アレックス・リンス、ジャック・ミラー、マーベリック・ビニャーレスの動向に注目。
同時に、既に発表されたダニエル・オルガドとダビド・アロンソに続き、中量級から昇格するために交渉が進むイサン・グエバラとセナ・アギウス、スーパーバイク世界選手権から転向する可能性が高いニコロ・ブレガにも注目。
フィジカルコンディション
3週間のサマーブレイクは張り詰めた緊張感、緊迫感から解放されるだけでなく、身体面、特に負傷からの回復に時間を費やす重要な機会となり、問題を抱えていた右肩の手術を受けたマルク・マルケスにとっては、右腕が正常に働くがどうかが課題。
第6戦カタルーニャGPで右鎖骨と第7頸椎辺縁を骨折したアレックス・マルケス、第10戦オランダGPで第7胸椎を骨折したフェルミン・アルデグエル、第11戦ドイツGPで左鎖骨を転位骨折したマルコ・ベッツェッキは休日返上で治療とリハビリに専念。
昨年7月の第11戦ドイツGPで左肩を脱臼骨折したマーベリック・ビニャーレス、昨年11月の第21戦ポルトガルGPで左肩を脱臼したラウール・フェルナンデェス、第10戦オランダGP後に右手首の手根管症候群を治療する目的で手術を受けたペドロ・アコスタ、第11戦ドイツGP後に右前腕の区画症候群を解消する目的で手術を受けたフランチェスコ・バグナイアは夏休みを利用して万全の状態に戻し、第6戦カタルーニャGPで左膝の靭帯を損傷したヨハン・ザルコは9月の復帰を目指し、リハビリを継続。
来シーズン
新たな5年サイクルを迎える来年は、技術規則とタイヤサプライヤーが変更されることから、各メーカーは、本格的な準備を進めており、第15戦オーストリアGP後の8月21日には『850cc』のプロトタイプマシンを使用するタイヤテストが予定されている。
2027年シーズン最初のオフィシャルテストは、最終戦バレンシアGP後の12月1日。