BK8・グレシーニ・レーシングのアレックス・マルケスは、2月3日から3日間、マレーシアのペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットで開催されたオフィシャルテストで自身が1年前に記録したテストベストラップ(1分56秒492)を上回る1分56秒402を刻み、2年連続の総合1番手に進出した。
3ヶ月前に当地で開催された第20戦マレーシアGPで2番グリッドからティソ・スプリントで2.2秒差の2位、グランプリレースで2ラップ目からトップを走行して優勝を挙げた29歳のスペイン人ライダーは1日目総合4番手。2日目は午前のセッションで転倒を喫して総合12番手に後退したが、3日目は午前中にテストベストラップを刻み、午後にはティソ・スプリントのシミュレーションとなる連続10ラップを周回し、アベレージはトップタイムだった。
5コーナーでの転倒
「2日目の午前中はミディアムタイヤを履いて、多くのテストをこなす必要があり、その後は摩耗したタイヤで状況を理解し、テストを重ねた。新品タイヤを装着した時に転んでしまった。あそこにバンプがあった。摩耗の激しいタイヤから新品に交換すると、2秒のタイム差があり、スピードも大きく変わる。時には身体でさえ調整が難しいこともある。スピードがかなり上がっているのに、小さなミスを犯してしまった。それでも、かなりポジティブな1日だったと思う。午後にはセッティングの作業に取り組む時間が少しあったから。」
ウェット走行の回避
「問題はウェットの時に、すごく速い走れるときもあれば、遅いときもあるということ。それは路面やコンディションに大きく左右される。セパンのように暑い中で上手く走れたとしても、ルマンでは通用しないかもしれません。雨のときは、自分が何に対処すべきかが既に分かっているのが良い。」
ファクトリーライダーとして作業
「テスト計画は全てファクトリーと調整されている。何をテストし、どの程度試すのかなど。プログラムは共同作業。昨年は改めてテストするものがなかった。提案があったけど、最終的にはチームが決定を下した。プレシーズンテスト、つまり最初のテストでは、テスト項目がはるかに多く、年間を通して、細かい部分に取り組むことになる。」
「例えば初日は、僕が最初に空力のテストを担当したから、ジジ・ダリーニャが頻繁に来てくれたけど、彼はいつも来てくれる。リッカルド・サビン(プロジェクトディレクター)やダビド・バラナ(テクニカルディレクター)も来て、情報を得るために質問するけど、それは以前と変わりない。いつもと同じ。プログラムは時間が限られていることが多いので、作業が分担される。ドゥカティは4人全員から情報を収集しようとしていた。」
「テストをするということは、ライダーにとって複雑。トラックに飛び出す度に毎回感覚が異なり、限界がどこにあるのか、限界を引き出すのはどうするのかを把握するのは非常に難しいから。だからこそ、全力で走るのではなく、何が起こるのか予想できないから、ある程度の余裕も残して走る必要がある。状況をマネジメントしなければいけない。」
「確かに色々試してみて、上手くいかないと気づき、セットアップを変えてみたら失敗してしまうこともある。ライダーにとっては、感覚が麻痺して、どうすればいいのか分からなくなる瞬間もあるので、とても辛いけど、それも経験。何よりも、「よし、2度のランはテストしていたからスローペースだった。今度は上手くいっていた設定に戻せば、また上手く走れる」と理解できるようになる。そんな時こそ、冷静さを保たなければいけない。例えタイムシートで12番手でも、中古タイヤを履いて、ものごとを試しているから落ち着かなければいけない。そのうちに、プッシュする時が来るから。」
シミュレーション
「最終日はバイクの性能を最大限に引き出すことに集中できた。テストだけでなく、今あるもので全てを微調整することに努めた。かなり上手くいった。シミュレーションも実行した。好むと好まざるとにかかわらず、完璧ではなかった。数戦積み重ねていれば、犯さないようなミスも幾つもあったけど、それ以外は良い感じがあり、プッシュすることもできた。バイクのフィーリングも良く、転ばなかったことはポジティブ。」
「マルコ・ベッツェッキがシミュレーションをやったかどうか分からないけど、僕の平均ラップタイムは58.0秒。ペッコ・バグナイアは58.1秒、マルク・マルケスは58.2秒。3人とも非常に似たタイムだった。同じバイクに乗っている3人が同じように走り、タイム差がほとんどないのは良い。昨年と比べると、今年は少し進歩できたと思う。週末になるとグリップが低くなるのは事実。その時に、どれだけ速く走れるか、どれだけ接近できるかを把握する必要があるけど、それでも一歩前進できたと思う。」
マルク・マルケスとの意見交換
「ランチタイムに少し話すこともある。1日の終わりには、2人ともやることがあるので、ほんの数分だけ。何を試したか、何をしなかったかについて。 確かに、どちらかがまだ試していないことがあれば、影響を受けないように、そのことについては触れないけど、2人とも同じことを試していたら、情報を共有して、彼がどう感じたか、自分がどう感じたかを確認した。」
期待通りのテスト?
「冬を過ごして戻ってくると、「また速く走れるだろうか?調子がいいだろうか?」といつも以上に不安になるけど、11月に終わった時と全く同じ感覚で走れることが分かったから、落ち着いて帰国できる。この2ヶ月半でバイクの乗り方を忘れたわけではないから。」
将来の選択
「シーズンの初戦までに自分の将来を決めたい。グリッドの半分はそこまでに決まるだろう。目標はファクトリーチームでファクトリーバイクに乗ること。」
「決断の時が来たら、最善の選択肢を持てるように準備を進めたい。グレシーニ・レーシングは、少なくとも書類上は、おそらく最も確実な選択肢だということを隠さない。隠すつもりもない。このチームで長く一緒に働いてきたから。しかし、レギュレーションの変更や昨年のパフォーマンスを考えると、リスクを取るべき時が来たかもしれないのは事実。あるいは、どのバイクが最も競争力があるか分からないからリスクを取るという選択肢もある。だからこそ、賢くなり、決断の時が来たら、自分にとって最善の選択肢を選ぶべきだろう。」
「選択する場合、直感と自分が最もワクワクし、モチベーションを高めてくれるとプロジェクトに導かれる。決断において、金銭面が最優先事項であるべきではないと思う。誰でも稼ぐことができるけど、決断はプロジェクトそのもの、そして誰かが本当に僕を起用したいのか、その意欲を示してくれるかどうかに基づくべきだと考える。それが僕の原動力。」
今年最初のオフィシャルテストを終えたアレックス・マルケスは、2月21日から22日に、1年目のオフィシャルテストで総合2番手、タイGPで2番グリッドからティソ・スプリントとグランプリレースで連続2位を獲得したチャーン・インターナショナル・サーキットで開催されるプレシーズン最後のオフィシャルテストに向け、活動の拠点スペイン・マドリードで準備を進める。