チャンピオンシップ78年目、『MotoGP™』25年目の2026年シーズンは、全22戦中11戦が終了した時点で、ポイントリーダーから総合5位まで、1戦で逆転が可能な24ポイント差に接近。近年、特にショートレース、ティソ・スプリントが始まり、1戦で最大37ポイントを加算できるようになった2023年以降、最も熾烈なタイトル争いが展開されている。
総合1位 ホルヘ・マルティン
アプリリア加入1年目は相次ぐ怪我が原因で、全22戦中7戦しか参戦できず、今年最初のオフィシャルテストも体調を考慮して欠場したが、開幕戦タイGPで5位と4位に進出すると、元王者として本来の高い競争力と爆発的な速さを取り戻し始めたように、第2戦ブラジルGPでチャンピオンに輝いた2024年11月の最終戦ソリダリティGP以来となるダブルポディウムを獲得、第3戦アメリカGPのティソ・スプリントで2024年11月の第19戦マレーシアGP以来となる優勝、第5戦フランスGPのグランプリレースで2024年9月の第15戦インドネシアGP以来となる優勝、2024年5月の第5戦フランスGP以来となるダブルウィンを達成。
第6戦カタルーニャGPで連続転倒。第7戦イタリアGPで連続2位。第8戦ハンガリーGPのグランプリレースでスタート直後に転倒。第9戦チェコGPのグランプリレースで前戦の多重クラッシュを引き起こした行為によりダブルロングラップペナルティが科せられ、完走したレースでシーズンワーストリザルトとなる9位だったが、第10戦オランダGPで悪い流れを断ち切るようにシーズン初のポールポジションから表彰台を獲得してポイントリーダーに浮上。
「タイトル候補は僕じゃない。それはマルクだ。序盤は彼やドゥカティ勢が万全ではなかったけど、今はより現実。アプリリア機に乗っていなかったことが、今になって影響が出始めている。次の一歩を踏み出す必要がある。バイクと共に100%に到達した暁には、マルクと互角に闘える」と状況を分析。
ティソ・スプリントのポイント獲得数: 63ポイント
完走したティソ・スプリントの平均順位: 3.8位(リタイアx2回)
グランプリレースのポイント獲得数: 145ポイント
完走したグランプリレースの平均順位: 3.6位(リタイアx2回)
転倒数:16回(転倒リタイアx3回)
総合2位 小椋藍(14ポイント差)
所属チームのホームグランプリとなった第3戦アメリカGPのグランプリレースで8ラップ目以降、トラックで誰よりも速いペースで周回を重ね、13ラップ目4番手に浮上し、2番手と3番手を射程圏内に捉えた矢先の15ラップ目に技術的問題が発生して失速。13ポイント以上を稼ぐ機会を失ったが、第5戦フランスGPで初表彰台となる3位、第7戦イタリアGPと第8戦ハンガリーGPで後方から追い上げて連続4位、第9戦チェコGPで初めてのポールポジションからティソ・スプリントで初めての表彰台となる2位、グランプリレースで最高位となる2位、初めてのダブルポディウムを獲得。
そして、第10戦オランダGPのグランプリレースで初優勝。第11戦ドイツGPで3戦連続の表彰台を獲得。レース中盤以降の凌駕する速さと強さに、シーズンの課題に挙げていた予選順位とレース序盤のパフォーマンスが向上したことから、第9戦チェコGPからの3戦で最多となる89ポイントを稼ぎ、総合6位から14ポイント差の2位に浮上。
第11戦ドイツGP終了後のプレスカンファレンスで前半戦を10点満点中「10点」と自己評価。
ティソ・スプリントのポイント獲得数:46ポイント
完走したティソ・スプリントの平均順位:6.5位(圏外x2回)
グランプリレースのポイント獲得数:148ポイント
完走したグランプリレースの平均順位:3.5位(リタイアx1回)
転倒数:5回(転倒リタイアx0回)
総合3位 マルク・マルケス(18ポイント差)
第2戦ブラジルGPと第4戦スペインGPのティソ・スプリントで優勝を挙げたが、思うような走りができず、第5戦フランスGPのティソ・スプリントで転倒した際に右足を骨折したことから、神経圧迫の原因となっていた2本のネジと骨片を右肩から除去する手術を同時に受けて、ホームグランプリの第6戦カタルーニャGPを欠場。
実戦でのリハビリを目的に第7戦イタリアGPに復帰すると、第8戦ハンガリーGPと第9戦チェコGPで連続優勝。第11戦ドイツGPでシーズン2度目のダブルウィンを達成し、第7戦イタリアGPが終了した時点での102ポイント差の総合8位から、側近の5戦で最多となる133ポイントを稼いで、18ポイント差の総合3位に接近。
サマーブレイクは、精神的な休養を取る一方で、右腕の回復、筋肉を目覚めさせるために特化したリハビリとトレーニングに専念する。
ティソ・スプリントのポイント獲得数:73ポイント
完走したティソ・スプリントの平均順位:4.1位(圏外x1回/リタイアx1回)
グランプリレースのポイント獲得数:117ポイント
完走したグランプリレースの平均順位:3.7位(リタイアx2回)
転倒数:11回(転倒リタイアx2回)
総合4位 マルコ・ベッツェッキ(22ポイント差)
開幕戦タイGP、第2戦ブラジルGP、第3戦アメリカGPで3戦連続の優勝、第4戦スペインGPと第5戦フランスGPで連続2位、第7戦イタリアGPでシーズン4勝目を挙げ、ロングレース、グランプリレースで圧倒的な強さを誇示。
第2戦ブラジルGPからチャンピオンシップをリードしたが、タイ、オースティン、ヘレスのショートレース、ティソ・スプリントで連続転倒したことから、アドバンテージを大幅に拡大できず、第8戦ハンガリーGPはグランプリレースでチームメイトの転倒に巻き込まれ、第9戦チェコGPはティソ・スプリントで転倒した際にトラックマーシャルに対する敬意に欠ける行為により、グランプリレース出場停止。第10戦オランダGPはグランプリレースで転倒。第11戦ドイツGPは公式予選で喫した際に左鎖骨を骨折したことから欠場。
ホームレースで優勝を挙げた以降、4戦で僅か11ポイントしか稼げず、ポイントリーダーから22ポイント差の総合4位に後退したが、手術は無事に成功し、後半戦の初戦となる第12戦イギリスGP、1年前にアプリリア加入後初優勝を挙げたシルバーストンに向けて、サマーブレイク返上で回復に専念。
ティソ・スプリントのポイント獲得数:33ポイント
完走したティソ・スプリントの平均順位:4.5位(リタイアx4回)
グランプリレースのポイント獲得数:153ポイント
完走したグランプリレースの平均順位:1.7位(リタイアx2回)
転倒数:12回(転倒リタイアx6回)
総合5位 ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(24ポイント差)
「信じられない前半戦」とティソ・スプリントで5度の表彰台、グランプリレースで第6戦カタルーニャGPの優勝を含め3度の表彰台を獲得した前半戦を自己評価。抜群の安定感、オールタイムラップレコードを更新する一発の速さ、レース終盤の追い上げを武器に、開幕からドゥカティ勢を牽引し、第4戦スペインGPから総合3位に進出。今季初めての転倒リタイアを喫した後、「夏休みは絶好のタイミング。気持ちを切り替え、集中力を高め、より柔軟な心構えで後半戦に臨みたい」と語り、ドイツを後にした。
ティソ・スプリントのポイント獲得数:50ポイント
完走したティソ・スプリントの平均順位:5.2位(圏外x2回)
グランプリレースのポイント獲得数:134ポイント
完走したグランプリレースの平均順位:4.6位(リタイアx1回)
転倒数:10回(転倒リタイアx2回)
タイトル争いをかき回す3人
チーム部門の総合2位に進出するスーパーファイル・トラックハウス・チームに所属する両雄は、直近の3戦で、アプリリア・レーシングに入れ替わるように主役の座に君臨。開幕戦で連続3位を獲得して好発進したにもかかわらず、昨年11月の第21戦ポルトガルGPで負傷した左肩の激痛に見舞われたラウール・フェルナンデェスだったが、徐々にパフォーマンスを向上させると、第7戦イタリアGPと第10戦オランダGPのティソ・スプリントで優勝。
「少しでも厄介な存在になる」ことを宣言すると、第11戦ドイツGPのグランプリレースで2戦連続の表彰台を獲得し、49ポイント差の総合6位に浮上。「まだ離されているけど、不可能ではない」とタイトル争いに挑戦する意志を表明。
開幕戦のティソ・スプリントで初優勝、グランプリレースで自己最高位タイの2位を獲得して、参戦3年目の初戦で初めてポイントリーダーに飛び出したペドロ・アコスタは、安定したパフォーマンスを発揮できず、遂にリタイアを強いられた第10戦オランダGP後に昨年9月の第17戦日本GPから指が痺れてしまう問題を解消するために右手首を手術。第11戦ドイツGPの週末に正確なブレーキングを取り戻した。
シーズンスタートからパフォーマンスが向上せず、第6戦カタルーニャGPではクラッシュを喫して3戦の欠場を強いられたアレックス・マルケスだったが、第11戦ドイツGPでは本来の速さと強さを示し、サマーブレイクを利用して低下したフィジカル面の強化に努めることから、再び優勝表彰台争いに加わることができれば、タイトル争いをかき回す存在になる可能性が高い。
前半戦が終了した時点でのタイトル争い(2016年以降
2025(全22戦中11戦終了時点)
1. マルク・マルケス: 344ポイント
2. アレックス・マルケス: 83ポイント差
2024(全20戦中10戦終了時点)
1. ホルヘ・マルティン: 241ポイント
2. フランチェスコ・バグナイア: 3ポイント差
3. エネア・バスティアニーニ: 49ポイント差
2023(全20戦中10戦終了時点)
1. フランチェスコ・バグナイア: 251ポイント
2. ホルヘ・マルティン: 62ポイント差
2022(全20戦中10戦終了時点)
1. ファビオ・クアルタラロ: 172ポイント
2. アレイシ・エスパルガロ: 34ポイント差
2021(全18戦中9戦終了時点)
1. ファビオ・クアルタラロ: 156ポイント
2. ヨハン・ザルコ: 34ポイント差
2020(全14戦中7戦終了時点)
1. アンドレア・ドビツィオーソ: 84ポイント
2. ファビオ・クアルタラロ: 1ポイント差
3. マーベリック・ビニャーレス: 1ポイント差
4. ジョアン・ミル: 4ポイント差
5. フランコ・モルビデリ: 20ポイント差
6. ジャック・ミラー: 20ポイント差
7. 中上貴晶: 21ポイント差
8. ミゲール・オリベイラ:25ポイント差
2019(全19戦中第9戦終了時点)
1. マルク・マルケス: 185ポイント
2. アンドレア・ドビツィオーソ: 58ポイント差
2018(全18戦中第9戦終了時点)
1. マルク・マルケス: 165ポイント
2. バレンティーノ・ロッシ: 46ポイント差
2017(全18戦中第9戦終了時点)
1. マルク・マルケス:129ポイント
2. マーベリック・ビニャーレス: 5ポイント差
3. アンドレア・ドビツィオーソ: 6ポイント差
4. バレンティーノ・ロッシ: 10ポイント差
5. ダニエル・ペドロサ: 26ポイント差
2016(全18戦中第9戦終了時点)
1. マルク・マルケス: 170ポイント
2. ホルヘ・ロレンソ: 48ポイント差