フル参戦15年目、最高峰クラス9年目をヤマハのファクトリーチーム、モビスター・ヤマハ・MotoGPから継続参戦する29歳のスペイン人ライダーは、3年振り3度目のタイトル獲得に成功したことから、タイトル獲得の最有力候補の1人として期待された。
新たな技術規則の施行により、共通電子制御が搭載され、オフィシャルタイヤサプライヤーが変更された中、2月からのオフィシャルテストで、総合1番手、4番手、1番手に進出。全てのライバルたちに対して、圧倒的な違い、速さを見せつけると、開幕戦カタールGPではポールポジションから3年振りに優勝。タイトル連覇に向けて好発進を決めた後、第2戦アルゼンチンGPで転倒リタイアを喫したが、第3戦アメリカズGPで自己最高位の2位を獲得。
最高峰クラスに参戦する全てのライダーたちが、シーズン末に契約満期となり、当然、2015年王者の将来に関して注目が集まった中、プレシーズンから所属チームの残留を切望。引退するまでヤマハで走り続けたいと訴えていたが、欧州ラウンドの開幕前に、最高峰クラスに進出した2009年から続いていたパートナーシップに終止符を打ち、ドゥカティに移籍することを決断。
タイトル連覇という目標に向けて、シーズンに集中する環境を整えた第4戦スペインGPは2位に入り、68年の歴史上3人目となる通算100度目の表彰台を獲得。第5戦フランスGPでは独走優勝で、ポイントリーダーの座を奪回。第6戦イタリアGPは、ゴールライン直前に逆転し、「サプイライズな勝利」と、喜びを爆発。
総合2位に対して10ポイント差のアドバンテージを得て、第7戦カタルーニャGPに乗り込んだが、5番手走行中に後続車と接触転倒。シーズン2度目のリタイアを強いられた後、第8戦TTアッセンと第9戦ドイツGPは、ウェットコンディションに苦しんで10位と15位。ポイントリーダーとのギャップが48ポイント差に広がった。