MotoGP™クラスプレビュー

現王者マルケスに2年連続総合2位のドビツィオーソ、最高峰20年目のロッシ、オフィシャルテスト総合1番手のビニャーレスらの挑戦が始まる。

開幕戦カタールGPは、15年前の04年に初開催したロサイル・インターナショナル・サーキットで8日に初日、10日に決勝レース(現地時間20時00分/日本時間11日02時00分)に行われ、12月4日に左肩の脱臼ぐせを克服する手術を受け、18年10月の第16戦日本GPでシーズン8勝目を挙げて3年連続6度目のチャンピオンに輝いたマルク・マルケスが史上6人目となる通算8度目のタイトル獲得に挑戦する。

2年連続の3冠を達成したホンダとレプソル・ホンダは、15年王者で昨季3勝を挙げた総合9位のホルヘ・ロレンソを今季から起用。1月21日に左手舟状骨の手術を受けたが、当地で開催されたオフィシャルテストでは、総合6番時計を記録。早期回復に向けて、リハビリを継続中。

3人目のファクトリーライダー、カル・クラッチローは、昨年10月の第17戦オーストラリアGP初日に骨折した右足首が順調に回復。当地で開催されたオフィシャルテストでは18年型RC213Vにも乗り込んで総合17番手。2年目を迎える中上貴晶は、チャンピオンマシンの18年型RC213Vが供給され、昨年11月にヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエトで開催されたプライベートテスト2日目に初めて最速時計を叩き出して総合1番手に進出。今年2度のオフィシャルテストでは連続総合9番手だった。

ライダー部門、コンストラクター部門、チーム部門で総合2位に進出したドゥカティのエースライダーとして、タイトル獲得に挑戦するのは、2年連続総合2位のアンドレア・ドビツィオーソ。昨年優勝発進を決めたトラックで開催されたオフィシャルテストでは、フライングラップを実行せず、テストプログラムの消化に専念して総合15番手だったが、サテライトチームから昇格してきたダニロ・ペトルッチは、セパン・インターナショナル・サーキットで開催された今年最初のオフィシャルテストでキャリア初の総合1番手に進出。

19年型のデスモセディチGP19が供給されるジャック・ミラーは、総合3番手と12番手に進出すれば、昨年8月の第12戦イギリスGPで右脚の大腿骨、腓骨、脛骨を骨折したティト・ラバットは、テストを通じて順調に回復していることを証明。

3冠を達成した15年に11勝を挙げた後、16年に6勝、17年に3勝、18年に僅か1勝だったヤマハは、サーキット・リカルド・トルモで開催された19年シーズン最初のオフィシャルテストでマーベリック・ビニャーレスが総合1番手発進を決めると、マレーシアで総合5番手、カタールで総合1番手に進出。

キャリア通算24年目を迎えるチャンピオンシップ最年長のバレンティーノ・ロッシは、セパンで総合10番手だった後、カタールでは2日目に19番手まで後退したが、最終日に4番手まで挽回して総合5番手でテスト日程を終了。2年目にホンダからヤマハへ無難に乗り換えたフランコ・モルビデッリは、総合8番手と7番手に進出。

18年シーズンに9度の表彰台を獲得したスズキは、3年目を迎えるアレックス・リンスが安定して上位に進出し、GSX‐RRの高い戦闘力と仕上がりの良さを証明。

テック3をサテライトチームとして迎え入れ、初めての4台体制で3年目に挑むKTMは、3年目のポル・エスパルガロが1年前に実施されたオフィシャルテストと比較して、戦闘力が数段アップしていることを証明。ヤマハから乗り換えたヨハン・ザルコは、1年前に総合1番手でテストを終了したが、今年は総合19番手。収集したデータを基にどこまで上位陣とのギャップが詰められるのか注目される。

運営組織をテコ入れしたアプリリアは、3年目を迎えるアレイシ・エスパルガロがRS‐GPの戦闘力が高まっていることを証明。開幕戦では、テストライダーのブラッドリー・スミスを投入し、初めての3人体制で挑戦。

プレシーズンで存在感を見せた新人勢。現中量級王者のフランセスコ・バグナイアは、セパnで総合2番手に進出すれば、カタールではファビオ・クアルタラロが総合2番手に躍進。ジョアン・ミルは、着実に上位陣とのギャップを詰め、ミゲール・オリベイラは、ステップ・バイ・ステップで順応。新人王争いにもの注目が集まる。

当サイトの『ビデオパス』では、日本時間の7日23時00分から王者マルケスをはじめ、総合2位ドビツィオーソ、総合3位ロッシ、総合4位ビニャーレス、総合5位リンス、ドゥカティからホンダに移籍したロレンソ、新人クアルタラロが出席するプレスカンファレンスを完全生中継で配信。