最高蜂クラスのオフィシャルタイヤサプライヤー、ミシュランの二輪部門でモータースポーツマネージャーを担当するピエロ・タラマッソは、1週間後に控えた2020年シーズンの緒戦を前に改訂された開催日程に対するタイヤアロケーションを説明。
「我々はシーズンスタートに向けて準備が整っています。1日も早く始めたいですが、この新しい開催日程は、我々にとって巨大な挑戦であることに間違いありません。各週末に1400本以上のタイヤを移動する必要がある場合、タイヤを製造し、正しい選択を下す必要があります。これは大変な仕事です。」
「シーズンの緒戦前に各レースに供給する全てのタイヤ選択を明記したリストを準備しました。今は、複数の開催日が変更されたことから、幾つかの調整に取り組んでいるところです。例えば、ヘレスやルマンは、通常のシーズンと比較すれば、開催時期が異なります。ただし、そのためにスペシャルタイヤを製造する予定はありません。我々は過去15年から20年間の気温及び路面温度を検証し、平均気温を確認するなどの分析をしました。従って、基本的には少し涼しくなるのか、暑くなるのかを判断し、それに基づいて、タイヤのアロケーションを変更します。温度が低い場合は、より柔らかめのコンパウンド、高い場合には、より硬めのコンパウンドを供給します。」
「ヘレスでは、気温が高くなることが予想されます。5月の開催が計画されていましたが、7月の開催となったことから、トラックコンディションと気温はかなり大きく異なります。10度の違いがあるでしょう。路面温度は50度、55度まで上昇するかもしれません。より硬いコンパウンドに変更する必要があるでしょう。しかし、硬めのコンパウンドを使用すると、安定感が向上します。バイクのリアがより安定し、適した温度に到達すれば、パフォーマンスは非常に強力となることから、タイヤからの非常にグッドなパフォーマンスとグッドなレースを期待できます。その上、新しいリアタイヤにより、天候と路面状態が良好であれば、幾つかのレコードを更新することができるでしょう。」
「ヘレスの後で、タイヤの選択が正しかったのか判断します。また、特に電子制御の非常に良いセットアップを見つけることに役立つでしょう。優れた電子制御とトラクションコントロールがあれば、タイヤのパフォーマンスをより良く扱えるようになり、スピニングが減り、トラックションが向上します。」
「シーズン中には2連戦、3連戦が開催されます。これはロジスティクスの観点から非常に困難です。毎戦、1400本のタイヤを製造する必要があります。何千本のタイヤを週ごとに製造することはできないことから、より賢い手段でタイヤを管理する必要があります。例えば、割当の1つ半を製造します。そして、レース後の日曜の夜に、より使用したタイヤを確認して、補完します。不足分は製造して、サーキットに搬送します。」
最高蜂クラスの緒戦となる第2戦スペインGPは、ヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで7月17日(金)に初日、19日(日)に決勝レースが開催され、翌週には第3戦アンダルシアGPが実施される。
ワークショップ~ミシュランタイヤ
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