ジョー・ロバーツがアプリリアからのオファーを断った理由は?

王者バスティアニーニの後任に指名されたイタルトランス・レーシングから優勝を狙う。

アメリカの専門ウェブサイト『Cycle News(サイクルニュース)』は、フル参戦3年目の第4戦チェコGPで初表彰台を獲得して総合7位に進出した23歳のアメリカ人ライダー、ジョー・ロバーツがアンドレア・イアンノーネの後任に指名され、最高峰クラスに昇格するオファーを受けたが、10月15日に契約を締結したイタルトランス・レーシングからの参戦を理由にアプリリア・レーシングの提示を断ったことを報じた。

アプリリアは、イアンノーネの資格停止が2019年12月から4年に延長されたことから、既に接触していたアンドレア・ドビツィオーソやカル・クラッチローとの本格的な交渉を開始。中量級のマルコ・ベツェッキとファビオ・ディ・ジャンアントニオ、スーパーバイク世界選手権に参戦していたチャズ・デイビス、ユージン・ラバティ、ロリス・バスら複数のライダーたちと交渉を持った後、ロバーツにも接触。最終戦ポルトガルGPの開催中にも交渉が続けられていたが、最終的にテストライダーを務めた一方で代役として起用したブラッドリー・スミスとロレンソォ・サバドーリを選択。2月からのシェイクダウントテストとオフィシャルテストのパフォーマンスでセカンドライダーとテストライダーを見極めることになった。

最高峰クラスに昇格する可能性があったロバーツは、「週末の始まりにマネージャーからアプリリアが関心を持っていると伝えてくれ、少し気が散ってしまった。来季の契約を結んでいたことから、他のオファーを楽しむつもりはなかったけど、計画や開発に関して興味があった。彼らはすごくエキサイティングなことをしている。プロジェクトは大きく成長していることは見ての通り。アレイシ・エスパルガロからはコーナーを素早く曲がれると教えてもらった。これは僕の長所でもある。」

「僕はまだ勝っていない。最高峰クラスに参戦するライダーたちは、レースに勝ち、タイトルを獲得したトップライダーたち。僕がその中で走れないというのではない。そこに行くには、精神面が非常に重要。ライダーとして勝つ手段を理解することが重要なんだ。アメリカで勝っていたけど、それは明らかに小規模だった。勝つことができるという自信を持ってシーズンに入ることが重要だから、僕は100%の準備を整えるために中量級に残ることを決めた。それに、イタリトランスと既に契約を結んでいたという事実がある。あの時期に契約を破棄したら、彼らにとって本当に良くなかっただろう。」

「イタリトランスもアプリリアも本当にグレートな機会だったと思う。イタリトランスはタイトルを獲得したばかり。ヘレスで初めて一緒に働いた。チャンピオンになったばかりで、自信に満ちていた。それはとてもナイスなこと。第一印象はみんながとても幸せで、一緒に仕事をしていることを祝っているという感じだった。来年、チャンピオンシップをファイトするグッドなチャンスがあると思う。本当にエキサイティングだ。」

「アプリリアは完璧に理解してくれ、尊重してくれた。マッシモ・リボラからは、ヘレスのテストがどうだったかという質問のメッセージを送ってくれた。全てが本当に良い。正直なところ、素晴らしいオファーだったけど、適した時期ではなかった」と、中量級に継続参戦する理由を説明した。