開幕戦カタールGPは、ロサイル・インターナショナル・サーキットで3月26日(金)に初日、28日(日)に決勝レースを開催。開催前日の25日(木)には、毎年恒例の写真撮影会とシーズン最初のプレスカンファレンスが予定されている。
チャンピオンチーム、チーム・スズキ・エクスターが起用する王者ジョアン・ミルと総合3位アレックス・リンスは、総合7番手と8番手に進出したオフィシャルテスト後、新型コロナウイルスの感染リスクを最小限に抑える目的でチーム全員が首都ドーハに延滞。2人はトレーニングを継続しながらチームと一緒に収集したデータを検証。チームがより一層団結を強め、当地での2連戦でスタートダッシュを狙う。
コンストラクター部門を制したドゥカティは、起用する6名がオフィシャルテストでレースシミュレーション、またはロングランを実行。エース格に指名されたジャック・ミラーは、非公式ながらオールタイムラップレコードを更新し、最高峰クラスに進出してから初めて総合1番手に進出すれば、比較的に控えめな存在だったフランチェスコ・バグナイアとヨハン・ザルコは総合5番手と9番手。トップスピード部門でも上位を独占し、上位進出を争える戦闘力を証明した。
レースペースとファステストラップで速さを見せたのはヤマハ勢。マーベリック・ビニャーレスとファビオ・クアルタラロが総合2番手と3番手に進出すれば、終盤戦に最多ポイントを稼いだフランコ・モルビデリは総合4番手。新天地から参戦26年目を迎えるバレンティーノ・ロッシは、ステップ・バイ・ステップで改善して総合11番手まで浮上。来季の継続参戦を決める上で重要な2連戦に挑む。
参戦4年目に3勝を含む8度の表彰台を獲得して、コンセッションの対象外となったKTMは、開幕戦まで開発が許可されたエンジンだけでなく、改良型のシャーシ、スイングアーム、エキゾースト、エアロボディ、ホールショットデバイスなどを持ち込み、歴史的に苦手な当地でミゲール・オリベイラとブラッド・ビンダーがトップ15以内に進出できなかったが、昨年は2連戦の2戦目でパフォーマンスとリザルトを向上させていたことから、緒戦、特に2戦目に関心が高まる。
未勝利に終わったシーズンからの巻き返しだけでなく、トリプルクラウンの奪回を目指すホンダは、ステファン・ブラドルを中心としたテストチームがウインターブレイク中を返上して開発を続けてきた2021年型のプロトタイプマシンを投入すると、新加入のポル・エスパルガロが素早い順応と際立つ走りを披露。2年目のアレックス・マルケスは4日間で最多5度の転倒を喫して右足を負傷したが、順調に回復し、トレーニングを再開。2021年型のプロトタイプマシンが供給された中上貴晶は、積極的にテストプログラムに取り組んで、投入されたマテリアルを検証。最高峰クラス4年目のスタートに注目が集まる。
昨年の緒戦となった第2戦スペインGPで右上腕骨を骨折したマルク・マルケスは、開幕戦にエントリー。1週間前にドーハで新型コロナウイルスのワクチンを接種した後、バルセロナ-カタルーニャ・サーキットとポルティマオ・サーキットに市販車『RC213V-S』を持ち込んで走行したが、当地での2連戦に欠場ことを発表。オフィシャルテストで好走を見せたテストライダーのブラドルが代替を務める予定。
シャーシ、スイングアーム、エアロボディ、エキゾーストなど、外見からもバイクを刷新的に改良させたアプリリアは、着実に戦闘力が高まっていることを証明。2000年7月の第9戦イギリスGP以来21年ぶりとなる表彰台を目指す。
中量級から昇格してきたエネア・バスティアニーニ、ルカ・マリーニ、ホルヘ・マルティンは、シェイクダウンテストから乗り換え作業に専念。テストライダーからレギュラーライダーに抜擢されたロレンソォ・サバドーリと共に4人が新人王争いに挑む。
タイムスケジュール
3月25日(木)
15時20分(21時20分):バイク写真撮影
15時40分(21時40分):グループ写真撮影
17時00分(23時00分):プレスカンファレンス
3月26日(金)
15時40分(21時40分): フリー走行1(45分間)
20時00分(02時00分): フリー走行2(45分間)
3月27日(土)
15時15分(21時15分): フリー走行3(45分間)
19時20分(01時20分): フリー走行4(30分間)
20時00分(02時00分): 公式予選1(15分間)
20時25分(02時25分): 公式予選2(15分間)
21時45分(03時45分):公式予選プレスカンファレンス
3月28日(日)
15時40分(21時40分): ウォームアップ走行(20分間)
20時00分(02時00分): 決勝レース(22ラップ)
過去のカタールGP決勝レースリザルト
2019年-ドライコンディション
優勝:アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)
2位:マルク・マルケス(ホンダ)+0.023秒差
3位:カル・クラッチロー(ホンダ)+0.320秒差
2018年-ドライコンディション
優勝:アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)
2位:マルク・マルケス(ホンダ)+0.027秒差
3位:バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)+0.797秒差
2017年-ドライコンディション
優勝:マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)
2位:アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)+0.461秒差
3位:バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)+1.928秒差
2016年-ドライコンディション
優勝:ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)
2位:アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)+2.019秒差
3位:マルク・マルケス(ホンダ)+2.287秒差
2015年-ドライコンディション
優勝:バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)
2位:アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)+0174秒差
3位:アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)+2.250秒差