オフィシャルテスト~マーベリック・ビニャーレスが怒涛の101周

エスパルガロ弟89周、ロッシ73周、マルケス兄7周、クアルタラロ欠場

最高峰クラスは3日、第4戦スペインGPの開催地ヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトでオフィシャルテストを開催。決勝レースで右前腕の腕上がり症状を訴えたファビオ・クアルタラロが欠場すれば、同じ痛みを抱えていたアレイシ・エスパルガロは12ラップでテストを終了。フリー走行3でハードクラッシュを喫し、まだ右上腕が完璧に回復していないマルク・マルケスはフィジカルコンディションの限界を感じたことから7ラップの周回数にとどまった。

気温が24度まで上昇したドライコンディションの中、10時から18時まで8時間のセッションと15分間のスタート練習が実施され、決勝レースで7位だったマーベリック・ビニャーレスが1日で4レースに相当する距離の101ラップを周回。公式予選2の7番時計(1分37秒070)を更新し、ポールポジションタイム(1分36秒755)に接近する1分36秒879の1番時計を記録した。

今回のテストで課題のリアグリップを追求し、浮上のきっかけつ掴みたいバレンティーノ・ロッシは、73ラップを周回すると、公式予選1の7番時計(1分37秒915)と週末のベストタイムだったフリー走行3の15番時計(1分37秒704)を上回る1分37秒700を記録して12番手。今季初表彰台を獲得したフランコ・モルビデリは67ラップを周回して9番手。

初のトリプルクラウンを狙うスズキは、カタールのオフィシャルテストで初めて投入した2022年型エンジンを準備。決勝レースで転倒を喫したアレックス・リンスは、フリー走行4の転倒で昨年負傷した右肩を痛めたが、サスペンションと細かいところのセットアップに取り組んで公式予選2の9番時計(1分37秒124)を上回り、1分36秒台に進出。トップタイムから0.034秒差の2番手に進出すれば、チームメイトのジョアン・ミルはフロントのフィーリング向上を目指してジオメトリを調整しながら64ラップを周回し0.431秒差の3番手。

厳しい状態が続くホンダ勢は、今季の最高位となる4位を獲得した中上貴晶が、新しい複数のアイテムと異なるセットアップを試しながら71ラップを周回し0.469秒差の4番手。仕様が異なる3台が準備されたポル・エスパルガロは、電子制御、エアロボディ、エルゴノミクスといったテストプログラムに取り組み、2度目の転倒を喫したが89ラップを周回して6番手。2018年型を含めた複数のエアロボディと新しい複数のパーツを試したアレックス・マルケスは75ラップを周回して15番手。

ワンツーフィニッシュを決めたドゥカティ・レノボ・チームは、週末の課題と比較検証を目的としたテストプログラムに取り組み、フランチェスコ・バグナイアが40ラップを周回して10番手。ジャック・ミラーは44ラップを周回して18番手。

ホームレースを直前に控えるヨハン・ザルコは、75ラップを周回して0.556秒差の5番手。ドゥカティ勢の1番手に進出すれば、ルカ・マリーニは公式予選1の8番時計(1分37秒925)から大幅にラップタイムを伸ばして8番手(1分37秒508)に進出。次戦フランスGPもホルヘ・マルティンの負傷代役が予定されているティト・ラバットは65ラップを周回。

序盤4戦が終了して、コンストラクター部門の6番手に位置するKTMは、ミゲール・オリベイラとブラッド・ビンダーが異なるシャーシを試せば、昨年優勝を挙げたルマンに戻るダニロ・ペトルッチはリアタイヤのパフォーマンスを引き出す目的にバイクのバランスを調整。さらに、快適な姿勢を追求する目的でエルゴノミクスを調整しながら、新たに投入されたタンクとシートを試した。

Jerez Test_2021
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