第9戦カタルーニャGP~クアルタラロ対バグナイアの主導権争い

最高気温が30度に到達する過酷なコンディションの中、地元勢が優勝、表彰台を狙いに行く

第9戦カタルーニャGPは今週末、バルセロナ-カタルーニャ・サーキットで6月3日に初日、4日に公式予選、5日に決勝レースを開催。現地時間14時00分、日本時間21時00分に決勝レースがスタートする。

クアルタラロ対バグナイア
ポイントリーダーのファビオ・クアルタラロは、前戦イタリアGPで今季4度目となる表彰台、2位を獲得。キャリアのベストレースと評価し、4年前にキャリア初優勝、3年前にプレミアクラス初表彰台、2年前に優勝、昨年3番手でチェッカーフラッグを受けた後、6秒加算のペナルティが科せられて6位だった当地でライバルたちとのアドバンテージ獲得を目指す。

最大のライバルは、総合7位から4位に浮上したフランチェスコ・バグナイア。ヘレスで優勝、ルマンでトップ走行中に転倒、ムジェロで優勝を挙げた勢いに乗って、昨年7位だったサーキットに乗り込み、確実に41ポイント差を詰めに行く。

4戦連続の3位、5度目の表彰台を獲得した総合2位アレイシ・エスパルガロ、3勝目を挙げた後に2度目の転倒リタイアを喫した総合3位エネア・バスティアニーニ、昨年2位を獲得した総合5位ヨハン・ザルコ、昨年3位を獲得した総合8位ジャック・ミラーらクアルタラロに挑戦し優勝、表彰台を狙う。

スズキ&KTMの逆襲
2戦連続の転倒リタイアを喫したスズキの両雄。総合6位と10位に後退したアレックス・リンスジョアン・ミルは、2年前に2015年復帰後初のダブルポディウムを獲得したホームグランプリで仕切り直しを図り、第2戦インドネシアGP以来今季2度目の1桁台に揃って進出した総合7位ブラッド・ビンダーと総合11位ミゲール・オリベイラは、昨年8位と優勝を挙げたトラックで今季2度目の表彰台を目指す。

台頭するアンダー25のヤングライダーたち
23歳のファビオ・クアルタラロ、24歳のジョアン・ミル、24歳のエネア・バスティアニーニ、25歳のフランチェスコ・バグナイアを筆頭に、24歳のルカ・マリーニ、23歳のマルコ・ベツェッキ、23歳のファビオ・ディ・ジャンアントニオがムジェロで今季の最高位を獲得。

ホームグランプリ後に右前腕の手術を予定する24歳のホルヘ・マルティンは6戦ぶりの上位進出、1年前に中量級で優勝争いを繰り広げた24歳のレミー・ガードナーと最年少21歳のラウール・フェルナンデェスはポイント圏内の進出を目指す。

元王者不在のホンダ
右上腕骨の再手術を決断したマルク・マルケスは、火曜に渡米、木曜に手術。代替には、テストライダーのステファン・ブラドルが指名され、実戦を通じて、テストプログラムに着手すれば、総合12位ポル・エスパルガロと総合18位アレックス・マルケスは、ホームグランプリで際立つ結果を追求。

今季2度目となるホンダ勢の最高位に進出した総合13位中上貴晶は、4戦連続のシングルフィニッシュだけでなく、昨年8月の第10戦スティリアGP以来、8度目のトップ5入りを狙う。

ワイルドカード
ドゥカティは、テストライダーのミケーレ・ピロを前戦に引き続き起用。コンセッションの優遇措置を受けないメーカーは、シーズン前に3つのサーキットをテストサーキットに指名することになっており、ドゥカティは、ムジェロ、ミサノ、ヘレスを選択。将来を視野に入れ、当地でテストプログラムを継続する。

週末の天気
月曜の時点で、金曜から日曜まで最高気温は30度。フィジカル的に厳しいドライコンディションが予報されている。

プレスカンファレンス
開催前日の木曜17時00分、日本時間24時00分にプレスカンファレンスルームで開催される共同記者会見にファビオ・クアルタラロ、アレイシ・エスパルガロ、エネア・バスティアニーニ、フランチェスコ・バグナイアのトップ4が出席。

オフィシャルテスト
決勝レース翌日の月曜に当地でオフィシャルテストが開催。セッション時間は10時00分から18時00分。最高気温28度のドライコンディションが予報されている。

過去5年間のリザルト
2021年
優勝: ミゲール・オリベイラ(KTM)
2位: ヨハン・ザルコ(ドゥカティ)
3位: ジャック・ミラー(ドゥカティ)
2020年
優勝: ファビオ・クアルタラ(ヤマハ)
2位: ジョアン・ミル(スズキ)
3位: アレックス・リンス(スズキ)
2019年
優勝: マルク・マルケス(ホンダ)
2位: ファビオ・クアルタラ(ヤマハ)
3位: ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)
2018年
優勝: ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)
2位: マルク・マルケス(ホンダ)
3位: バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)
2017年
優勝: アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)
2位: マルク・マルケス(ホンダ)
3位: ダニ・ペドロサ(ホンダ)

『Moto2™クラス』~チェレスティーノ・ヴィエッティ対小椋藍
ポイントリーダーのチェレスティーノ・ヴィエッティは、ホームレースで機械的な問題が発生したことから今季2度目のリタイアを強いられた一方で、総合2位の小椋藍は今季4度目の表彰台を獲得。2人のポイント差がなくなったことから、今週末から新たなタイトル争いが始まる。

今季2度目のポールポジションを獲得した総合3位アロン・カネトは、転倒リタイヤを喫して、ヴィエッティ、小椋とのポイント差を詰める機会を失い、19ポイント差に引き離されれば、バルセロナ-カタルーニャ・サーキットで実施した2日間のプライベートテストをきっかけに、ルマンでポールポジションを獲得し、ムジェロで史上最年少優勝を達成したペドロ・アコスタは、タイトル争いをかき回す存在になるかもしれない。

前戦の転倒で右肩を痛めたガブリエル・ロドリゴは欠場。代替にはアレックス・トレドが指名され、ポーランド出身のピオトル・ビエシエキルスキがワイルドカード参戦。

過去3年間のリザルト
2021年
優勝: レミー・ガードナー(カレックス)
2位: ラウール・フェルナンデェス(カレックス)
3位: チェビ・ビエルゲ(カレックス)
2020年
優勝: ルカ・マリーニ(カレックス)
2位: サム・ロウズ(カレックス)
3位: ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(スピードアップ)
2019年
優勝: アレックス・マルケス(カレックス)
2位: トーマス・ルティ(カレックス)
3位: ホルヘ・ナバーロ(スピードアップ)

『Moto3™クラス』~先輩ガルシアに挑む後輩グエバラ
レジェンド、ホルヘ・マルティネス・アスパルと元軽量級ライダー、ジノ・ボルソイの助言に従い、中量級昇格を断念し継続参戦を決断したセルジオ・ガルシアは、今季3勝目を挙げ、1レースで逆転不可能なアドバンテージ拡大に成功。昨年優勝を挙げた当地にポイントリーダーとして乗り込む。

チームメイトの総合2位イサン・グエバラ、他車のとの接触が原因で5戦連続の表彰台を逃した総合3位ジャウメ・マシア、トップ走行中の転倒を喫した総合4位デニス・フォッジャ、転倒後にポイント圏内まで挽回した総合7位デニス・オンジュらがポイントリーダーに挑戦。

今季初表彰台を獲得した総合8位鈴木竜生、自己最高位に進出した総合10位山中琉星、予選を課題に挙げる総合12位鳥羽海渡は、第6戦スペインGP後に当地で実施したプライベートテストを参考に2007年の小山知良以来となる優勝、表彰台を狙い、古里太陽はテスト経験を活かして、初のポイント圏内進出を目指す。

前戦の転倒で左右の鎖骨を骨折した佐々木歩夢は欠場。代替には今季ジョン・マックフィーの代役を務めたダビド・サルバドールが指名され、右手舟状骨骨折から復帰した直後に右足の中足骨を骨折したアルベルト・スーラの代役は『JuniorGP(ジュニア世界選手権)』に参戦するマルコス・ウリアルテ。マレーシア出身のシャリフディン・アズマンがワイルドカード参戦する。

過去3年間のリザルト
2021年
優勝: セルジオ・ガルシア(ガスガス)
2位: ジェリミー・アルコバ(ホンダ)
3位: デニス・オンジュ(KTM)
2020年
優勝: ダーリン・ビンダー(KTM)
2位: トニー・アルボリーノ(ホンダ)
3位: デニス・フォッジャ(ホンダ)
2019年
優勝: マルコス・ラミレス(ホンダ)
2位: アロン・カネト(KTM)
3位: チェレスティーノ・ヴィエッティ(KTM)

ライブ中継配信
オフィシャルウェブでは、開催前日のプレスカンファレンスから決勝レースまで完全網羅の生中継配信。各セッション後には、いつでも、どこでも、観たいときの視聴が可能な見逃し配信のオンデマンドを提供。

 

最先端の多視点観戦、マルチスクリーンを提供する『VideoPass(ビデオパス)』では、第9戦カタルーニャGPの全セッションを完全網羅の生中継で配信。時差で生中継を見逃しても、オンデマンドを利用すれば、いつでも、どこでも、観たいときの視聴が可能
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