第12戦イギリスGPは今週末、シルバーストンで8月5日(金)に初日、6日(土)に公式予選、7日(日)に決勝レースを開催。現地時間13時00分、日本時間21時00分に決勝レースがスタートする。
2連覇に向けて、スタートダッシュを狙う
前半戦最後となった前戦TTアッセンで今季初めて転倒リタイアを喫したポイントリーダーのファビオ・クアルタラロだが、初めてタイトル獲得に成功した昨年と同じように11戦が終了した時点で、ポイントリーダーの座を維持。昨年3番グリッドから優勝を挙げた当地で、ロングラップペナルティが科せられるが、1レースで逆転が不可能となる25ポイント差のアドバンテージを追求する。
優勝、表彰台を狙うアプリリア
ライダー部門で総合2位と12位、コンストラクター部門で総合3位、チーム部門で総合2位に進出するアプリリア。前戦で驚異的な追い上げを見せたアレイシ・エスパルガロは、昨年アプリリアに初表彰台をもたらしたトラックで8戦連続10度目のトップ5、4戦ぶり6度目の表彰台を目指し、アプリリア加入後初表彰台を獲得したマーベリック・ビニャーレスは、優勝経験がある当地で2戦連続の表彰台を狙う。
目指すはストップ・ザ・クアルタラロ
開幕から11戦連続表彰台を獲得し、コンストラクター部門の総合1位に進出するドゥカティは、目標であるライダー部門の総合1位に向けて、総合3位ヨハン・ザルコ、総合4位フランチェスコ・バグナイア、総合5位エネア・バスティアニーニ、総合7位ジャック・ミラー、総合11位ホルヘ・マルティンが前半戦をリードしたファビオ・クアルタラロとアレイシ・エスパルガロの勢いを止め、表彰台発進を目指す。
KTM、課題の克服へ
シルバーストンでの最高位は昨年の6位。5戦連続1桁台フィニッシュの総合6位ブラッド・ビンダーと4戦連続9位の総合10位ミゲール・オリベイラは、前半戦の課題に挙げた予選のパフォーマンス向上に取り組む。
スズキ、有終の美を飾るために結果を追求
第4戦アメリカズGP以来7戦ぶりに2人が揃ってポイント圏内に進出した後の7月13日に今シーズンをもって参戦を終了することを正式に発表。最終戦まで全力を尽くすことを誓った総合8位ジョアン・ミルと総合9位アレックス・リンスは、ライダー部門だけでなく、コンストラクター部門、チーム部門の順位を上げるために、2016年と2019年に優勝を挙げたシルバーストンでリザルトを追求する。
巻き返しを図るホンダ
コンストラクター部門で最下位の総合6位、チーム部門で総合9位と10位、ライダー部門では、最高位が総合13位に低迷するホンダは、サマーブレイクを利用して、将来を視野に解決策を模索。中量級に参戦した2017年に優勝を挙げた経験がある総合16位中上貴晶、昨年ポールポジションから5位に進出した総合17位ポル・エスパルガロ、来季の所属先が決定した総合18位アレックス・マルケスが後半戦緒戦で巻き返しを図り、マルク・マルケスの代役を務めるステファン・ブラドルは、実戦を通じてテストを継続する。
新人王争いの行方は?
総合14位マルコ・ベツェッキは、新人勢一番乗りとなる表彰台を前戦で獲得。新人王争いで大きくリードすれば、パフォーマンスが向上してきた総合20位ファビオ・ディ・ジャンアントニオをはじめ、総合21位ダーリン・ビンダー、総合23位レミー・ガードナー、総合24位ラウール・フェルナンデェスは、ポイント圏内の進出、そして、トップ10入りを目指す。
負傷からの回復
第9戦カタルーニャGPの右肩を痛めた中上貴晶、左手首を骨折したアレックス・リンス、オフィシャルテストをキャンセルして右手を手術したホルヘ・マルティン、第10戦ドイツGPで肋骨を痛めたポル・エスパルガロ、第11戦TTアッセンで右前腕の痛みが原因でリタイアを強いられたラウール・フェルナンデェスは、サマーブレイクを利用して、治療とリハビリに専念。体調を整えて、シルバーストンに乗り込む。
ライダー市場
サマーブレイク期間中にアレックス・リンスがHRCとLCR・ホンダの三者間で契約を締結。アンドレア・ドビツィオーソは来季のシートを探していないことを明かし、エネア・バスティアニーニとホルヘ・マルティンはドゥカティ・レノボ・チームかプリマ・プラマック・レーシング、マルコ・ベツェッキとルカ・マリーニはムーニー・VR46・レーシング・チームに所属する予定であることから、現時点で来季の所属先が正式に発表されていない総合8位ジョアン・ミル、総合10位ミゲール・オリベイラ、総合17位中上貴晶、総合17位ポル・エスパルガロ、総合21位ダーリン・ビンダー、総合23位レミー・ガードナー、総合24位ラウール・フェルナンデェスの去就に注目が集まる。
プレスカンファレンス
開催前日の木曜17時00分、日本時間01時00分にプレスカンファレンスルームで開催される共同記者会見にファビオ・クアルタラロ、アレイシ・エスパルガロ、フランチェスコ・バグナイア、ジャック・ミラー、アレックス・リンスが出席。
ドライコンディション
降水確率は木曜から日曜まで0%。4日間を通じて、最高気温は23度、最低気温は10度のドライコンディションが予報されている。
過去のリザルト
2021年
優勝: ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)
2位: アレックス・リンス(スズキ)
3位: アレイシ・エスパルガロ(アプリリア)
2019年
優勝: アレックス・リンス(スズキ)
2位: マルク・マルケス(ホンダ)
3位: マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)
2017年
優勝: アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)
2位: マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)
3位: バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)
2016年
優勝: マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)
2位: カル・クラッチロー(ホンダ)
3位: バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)
2015年
優勝: バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)
2位: ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)
3位: アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)
『Moto2™クラス』~三つ巴のタイトル争い
ポイントリーダーのチェレスティーノ・ヴィエッティは前戦で4位に進出したが、2戦連続3勝目を挙げたアウグスト・フェルナンデェスがポイント差で並び、2位を獲得した小椋藍が1ポイント差に接近。タイトル争いをリスタートさせる3人のうち、誰が後半戦の緒戦で主導権を掴むのか注目が集まる。
前半戦11戦で初優勝を含む5度の表彰台を獲得した小椋は、残り9戦で、日本人ライダーとしては『Moto2™』で初めて、『250cc』を含めれば、1993年の原田哲也、2001年の加藤大治郎、2009年の青山博一以来4人目のチャンピオンを目指す。昨年は14番グリッドから12.8秒差の9位。
交通事故が原因で鼻からの出血が止まらなかったアロン・カネトは、欠場を強いられ、4度の0ポイントが大きく影響して、タイトル争いから大きく引き離されたが、サマーブレイクを利用して手術を受け、万全な体調でシルバーストンに乗り込む。
地元ファンの期待は、前戦で3位表彰台を獲得した総合8位のジェイク・ディクソンと総合13位のサム・ロウズ。2013年のスコット・レディング以来となる優勝、表彰台を狙う。
ブリティッシュ・タレント・カップ、レッドブル・ルーキーズ・カップの参戦経験があり、2年前に英国選手権のスーパースポーツクラスで史上最年少チャンピオンに輝き、今年2年目のスーパーバイククラスで総合4位に進出に参戦する20歳のスコットランド人ライダー、ロイ・スキナーがアメリカン・レーシングからホームグランプリと次戦オーストリアGPにワイルドカード参戦を予定。
過去のリザルト
2021年
優勝: レミー・ガードナー(カレックス)
2位: マルコ・ベツェッキ(カレックス)
3位: ホルヘ・ナバーロ(ボスコスクロ)
2019年
優勝: アウグスト・フェルナンデェス(カレックス)
2位: ホルヘ・ナバーロ(スピードアップ)
3位: ブラッド・ビンダー(KTM)
2017年
優勝: 中上貴晶(カレックス)
2位: マッティア・パシーニ(カレックス)
3位: フランコ・モルビデリ(カレックス)
『Moto3™クラス』~ガルシア対グエバラ
ヨーロッパラウンドに突入してから、ガスガス・アスパル・チームに所属する2人の対決が繰り返され、第8戦イタリアGP以降は決勝レースだけでなく、タイトル争いで一騎打ちの展開となり、前半戦が終了した時点で、総合1位セルジオ・ガルシアと総合2位イサン・グエバラのポイント差は3。主導権争いに注目が集まる。
今季4度目の0ポイントが影響して、67ポイント差に引き離された総合3位デニス・フォッジャは、ガスガス・アスパル・チームの両雄にこれ以上引き離されず、後半戦の緒戦で勢いを掴むために今季2勝目を狙う。
イギリスでのグランプリで2007年の小山知良以来となる表彰台(2位)、2001年の宇井陽一以来となる優勝、21度目の開催となるシルバーストンで初のトップ4以上を目指す日本勢。前戦でキャリア初優勝を挙げて総合4位に浮上した佐々木歩夢、安定感が増してきた総合7位の鈴木竜生、パフォーマンスが向上している総合12位の山中琉星、サマーブレイクを利用してスペイン国内でトレーニング合宿を実施した総合14位の鳥羽海渡が優勝、表彰台を目指し、初めて当地を訪れる古里太陽は将来に向けて経験を積む。
過去のリザルト
2021年
優勝: ロマーノ・フェナティ(ハスクバーナ)
2位: ニッコロ・アントネッリ(KTM)
3位: デニス・フォッジャ(ホンダ)
2019年
優勝: マルコス・ラミレス(ホンダ)
2位: トニー・アルボリーノ(ホンダ)
3位: ロレンソォ・ダッラ・ポルタ(ホンダ)
2017年
優勝: アロン・カネト(ホンダ)
2位: エネア・バスティアニーニ(ホンダ)
3位: ホルヘ・マルティン(ホンダ)
ライブ中継配信
オフィシャルウェブでは、開催前日のプレスカンファレンスから3クラスの決勝レースまで完全網羅の生中継配信。各セッション後には、いつでも、どこでも、観たいときの視聴が可能な見逃し配信のオンデマンドを提供。