第16戦日本GPは今週末、モビリティリゾートもてぎで9月23日(金)に初日、24日(土)に公式予選、25日(日)に決勝レースを開催。現地時間15時00分に決勝レースがスタートする。
スケジュール
通常であれば、欧州から日本への航空運送により、木曜に準備が整い、金曜午前からのセッションが可能だが、現状、ウクライナ紛争の影響を受けていることから、初日午前のセッションがキャンセルされ、特別日程で開催。
トラックでは、併催大会である『IDEMITSU Asia Talent Cup(イデミツ・ホンダ・チーム・アジア)』のフリー走行及び公式予選が実施され、トラック外では、『MotoGP™ Podcast(ポドキャスト)』と『Live Interview(ライブインタビュー)』、そしてオフィシャルビデオゲーム『MotoGP™22』を利用したエレクトロニックスポーツのチャンピオンシップ『MotoGP™ eSport Championship(イースポーツ)』の第4ラウンドを開催。
ロジスティクス
チャンピオンシップとチームの機材は、前戦アラゴンGPが開催されたモーターランド・アラゴンから近郊のサラゴサ空港に運ばれた後、4機の大型貨物機を使用して日本に搬送。日本GP終了後には、『イデミツ・ホンダ・チーム・アジア』の機材も加わり、4機の大型貨物機でタイに搬送する。
エル・ディアブロ対ペッコ
ポイントリーダーのファビオ・クアルタラロは、第11戦TTアッセンに続き今季2度目の転倒リタイア。総合2位フランチェスコ・バグナイアは、5戦連続の優勝を逃したが、第11戦TTアッセンから5戦連続7度目の表彰台を獲得し、両雄のギャップは、30ポイント差から10ポイント差に接近。2019年にプレミアクラスに昇格した同期の2人は、当地で最後に開催された3年前に2位と13位。2018年には2番グリッドのクアルタラロが3ラップ目からレースをリードしてトップでチェッカーフラッグを受けたが、技術規則の違反により失格となり、ポールポジションのバグナイアは2番手だったが優勝を挙げていた。
終盤戦の台風の目となるか?
今季4勝目を挙げた総合4位エネア・バスティアニーニは、48ポイント差まで接近。残り5戦、125ポイントのタイトル争いにおいて、逆転は難しいかもしれないが、各レースで優勝を目指すことを宣言。もしかしたら、ファビオ・クアルタラロとフランチェスコ・バグナイアのタイトル争いを引っ掻き回す存在になるかもしれない。
復帰から2戦目のマルク・マルケス
プレミアクラスに昇格した2013年から2位、2位、4位、優勝、2位、優勝、優勝。さらに軽量級でタイトルを獲得した2010年優勝、2年間の中量級では2011年2位、2012年優勝。もてぎで圧倒的な強さを誇示しているが、右回りとハードブレーキのトラック特性に対して、右腕がどこまで耐えられるか未知数。プレミアクラス150戦目を迎える
プレミアクラス100戦目を迎えるヨハン・ザルコをはじめ、ポル・エスパルガロ、アレックス・マルケス、エネア・バスティアニーニ、ルカ・マリーニ、マルコ・ベツェッキは、中量級と軽量級に参戦したときに優勝経験があり、マーベリック・ビニャーレス、アレックス・リンス、カル・クラッチローはプレミアクラスで表彰台を獲得。
中上貴晶、木曜にメディカルチェック
モーターランド・アラゴンで好走を見せていた中上貴晶は、決勝レースの1ラップ目に他車との接触が原因で転倒。その際に右手の薬指と小指を負傷したことから翌日にスペイン・バルセロナ市内の大学病院で手術。決勝レース後に『UNFIT』と宣言されたことから、木曜にサーキット内のメディカルセンターでメディカルチェックを受ける。
負傷代役&ワイルドカード
右足首負傷のジョアン・ミルは日本GP欠場。チーム・スズキ・エクスターは、ワイルドカードとして招集する予定だったテストライダーの津田拓也を代替として起用。HRCのテストライダー、長島哲太はプレミアクラスにデビュー。スズキとホンダは、モビリティリゾートもてぎをテストサーキットに指名していることから、2人のテストライダーが地元でどのような走りを見せてくれるのか注目が集まる。
プレスカンファレンス
開催前日の木曜17時00分にプレスカンファレンスルームで開催される共同記者会見は二部構成。最初にタイトル争いを展開するトップ3のファビオ・クアルタラロ、フランチェスコ・バグナイア、アレイシ・エスパルガロが出席。次に前戦勝者のエネア・バスティアニーニ、前回2019年勝者のマルク・マルケス、地元出身の中上貴晶が出席する。
ウェットコンディション
金曜と土曜の降水確率は80%と90%。日曜は朝方の降り続く雨が止むことから、順当に乾けば、決勝レースはドライコンディション。3日間とも最高気温は25度。
過去のリザルト
2019年
優勝: マルク・マルケス(ホンダ)
2位: ファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)
3位: アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)
2018年
優勝: マルク・マルケス(ホンダ)
2位: カル・クラッチロー(ホンダ)
3位: アレックス・リンス(スズキ)
2017年
優勝: アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)
2位: マルク・マルケス(ホンダ)
3位: ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)
2016年
優勝: マルク・マルケス(ホンダ)
2位: アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)
3位: マーベリック・ビニャーレス(スズキ)
2015年
優勝: ダニ・ペドロサ(ホンダ)
2位: バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)
3位: ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)
『Moto2™クラス』~小椋藍、今季3勝目、そして総合1位を狙う
シーズン中盤に覚醒し、プレミアクラス昇格が発表されたポイントリーダーのアウグスト・フェルナンデェスは、2戦連続7度目の獲得。もてぎでは、2018年に6位、219年に8位進出。
2戦連続6度目の自己最高位2位を獲得した総合3位アロン・カネト、当地で4年前にデビューし3年前に3位を獲得した総合4位チェレスティーノ・ヴィエッティ、今季2勝目を挙げで総合6位に浮上したペドロ・アコスタ、そして、イデミツ・ホンダ・チーム・アジアに所属する総合8位ソムキアット・チャントラ、際立つ走りを見せる総合11位アロンソ・ロペスの走りにも注目。
2戦連続6度目の自己最高位2位を獲得した総合3位アロン・カネト、当地で4年前にデビューし3年前に3位を獲得した総合4位チェレスティーノ・ヴィエッティ、今季2勝目を挙げで総合6位に浮上したペドロ・アコスタ、そして、イデミツ・ホンダ・チーム・アジアに所属する総合8位ソムキアット・チャントラ、際立つ走りを見せる総合11位アロンソ・ロペスの走りにも注目。
過去のリザルト
2019年
優勝: ルカ・マリーニ(カレックス)
2位: トーマス・ルティ(カレックス)
3位: ホルヘ・マルティン(KTM)
2018年
優勝: フランチェスコ・バグナイア(カレックス)
2位: ロレンソォ・バルダッサーリ(カレックス)
3位: ミゲール・オリベイラ(KTM)
2017年
優勝: アレックス・マルケス(カレックス)
2位: チャビ・ビエルゲ(テック3)
3位: ハフィス・シャーリン(カレックス)
『Moto3™クラス』~優勝、表彰台を狙う日本勢
ポイントリーダーのイサン・グエバラは、今季3勝目、3度目のポール・トゥ・ウインを達成。一方で総合2位セルジオ・ガルシアは優勝争いができずに13位。後半戦に入ってから接触転倒、5位、失格、13位。4戦で12ポイントしか稼げず、33ポイント差に大きく後退。グエバラはもてぎ初走行となるが、ガルシアは2019年に優勝争いの末、コンマ4秒差の5位。1戦で逆転が可能な25ポイント差以内までギャップを詰めたいところ。
総合3位デニス・フォッジャは、後半戦が始まってから優勝、12位、優勝、14位。浮き沈みが激しく、58ポイント差までギャップが広がったことから、タイトル争いは日本GPの結果に大きく依存する。
注目の日本勢。今季6度目の表彰台を獲得し、ホームレースで参戦100戦目を迎える総合4位佐々木歩夢を筆頭に総合7位鈴木竜生、総合12位山中琉聖、総合14位鳥羽海渡が2001年に優勝を挙げた宇井陽一以来となる優勝、表彰台を目指す。13戦目で公式予選2に進出することができた古里太陽は、初のポイント圏内進出を狙う。
過去のリザルト
2019年
優勝: ロレンソォ・ダッラ・ポルタ(ホンダ)
2位: アルベルト・アレナス(KTM)
3位: チェレスティーノ・ヴィエッティ(KTM)
2018年
優勝: マルコ・ベツェッキ(KTM)
2位: ロレンソォ・ダッラ・ポルタ(ホンダ)
3位: ダーリン・ビンダー(KTM)
2017年
優勝: ロマーノ・フェナティ(ホンダ)
2位: ニッコロ・アントネッリ(KTM)
3位: マルコ・ベツェッキ(KTM)
ライブ中継配信
オフィシャルウェブでは、開催前日のプレスカンファレンスから3クラスの決勝レースまで完全網羅の生中継配信。各セッション後には、いつでも、どこでも、観たいときの視聴が可能な見逃し配信のオンデマンドを提供。