第3戦アメリカズGPは今週末、サーキット・オブ・ジ・アメリカズで4月14日(金)に初日、15日(土)に公式予選と『Tissot Sprint(スプリント)』、16日(日)に決勝レースを開催。マルコ・ベツェッキが昨年16番グリッドから転倒が原因でオレンジボールの黒旗が提示されてリタイアしたグランプリにポイントリーダーとして乗り込む。
暫定総合1位マルコ・ベツェッキ
新人王としてプレミアクラス2年目を開始したシーズン緒戦のスプリントで転倒リタイアを喫したが、決勝レースで3位表彰台。2戦目の公式予選2で2位、スプリントで2位、決勝レースではウェットコンディションの中で快走し初優勝を挙げ、総合3位を獲得した軽量級2年目の2018年以来となるポイントリーダーに飛び出した勢いに乗って、2018年と中量級3年目の2021年に3位表彰台を獲得したトラックでアドバンテージの拡大を図る。
9ポイント差のフランチェスコ・バグナイア
タイトル連覇に向け、開幕戦ポルトガルGPでスプリントと決勝レースで連続優勝を挙げ、会心のスタートダッシュを決めた現王者フランチェスコ・バグナイアだったが、2戦目はスプリントで6位、決勝レースでは2番手走行中に痛恨の転倒。昨年3番グリッドから4位でチェッカーフラッグを受けたトラックでポイントリーダーとの9ポイント差に挑戦。
テルマス・デ・リオ・オンドで20ポイントを加算した総合3位のヨハン・ザルコと21ポイントを稼いでプレミアクラスで自己最高位となる総合4位に進出したアレックス・マルケス、総合9位から7位に浮上したホルヘ・マルティン、スプリントでプレミアクラス初のトップ3を果たした総合11位のルカ・マリーニ、オフィシャルテストの転倒が影響して出遅れたが、初ポイントを獲得した総合17位のファビオ・ディ・ジャンアントニオは、3戦目に優勝、表彰台を狙いに行く。
負傷者たちの復活
開幕戦で右肩の肩甲骨を骨折したエネア・バスティアニーニ、右脚外旋筋の腱を損傷したミゲール・オリベイラ、第1中手骨を骨折したマルク・マルケス、2戦目で頭部と頸部、右足首を負傷したジョアン・ミルは復帰を予定。
ジョナス・フォルガー負傷代役
肺挫傷と顎、背椎を骨折したポル・エスパルガロは、4月4日に3月19日から入院していたスペイン・バルセロナ市内の病院から退院し、現在は自宅で静養中。代役として、2月にKTMのテストライダーに就任したジョナス・フォルガーが起用される。
ドゥカティ対抗1番手はKTM
中心的存在になるはずだったポル・エスパルガロが負傷欠場する中、開幕戦で新加入のジャック・ミラー、2戦目ではエース格のブラッド・ビンダーが躍進。新人アウグスト・フェルナンデェスは確実に完走するだけでなく、ポイント圏内にも進出。2019年に記録されたKTMの当地最高位8位以上を目指すだけでなく、ドゥカティの一角を崩しに行く。
トップガンがドゥカティ勢に挑む
プレシーズンのオフィシャルテストから常に前向きな発言を繰り返し、2戦連続してアプリリア勢の最高位に進出してチームを牽引する総合5位のマーベリック・ビニャーレスは、昨年11位だったが、中量級の初優勝を挙げたトラックでトップ4を独占するドゥカティ勢に挑戦。
昨年11月のオフィシャルテストからチームメイトとは対照的な発言が目立ち、昨年キャリアで唯一の優勝を挙げたテルマス・デ・リオ・オンドで1ポイントしか稼げなかった総合13位のアレイシ・エスパルガロは仕切り直しを図りたいところ。
ファビオ・クアルタラロ、踏み止まるか
開幕戦ではローチンコントロールの不具合と走行ラインの選択ミス、第2戦は他車の接触が原因で大きく出遅れ、期待していた結果を残せなかったファビオ・クアルタラロだったが、追い上げたペースは上位争いが十分に可能なことを証明。予選順位とスタートの課題を克服して、確実のハイポイントを稼ぎ始め、ポイントリーダーとの32ポイント差を少しでも縮めたいところ。
2戦目のスプリントと決勝レースで連続して4位に進出し本来のパフォーマンスを蘇らせた印象を見せたフランコ・モルビデリにとって、特徴が対照的なサーキット・オブ・ジ・アメリカとヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトの2戦でどのような走りを見せるのか注目が集まる。
ホンダ、一歩を踏み出せるか
ファクトリーチーム、レプソル・ホンダ・チームのマルク・マルケスとジョアン・ミルが復帰する見込み。マルク・マルケスにとっては、10年前に史上最年少初優勝を飾り、2018年まで6年連続優勝を挙げた左回りトラックで『RC213V』の戦闘力を図る絶好の機会。
マルク・マルケスに次ぎ、当地で強さを誇示するアレックス・リンスにも同じことが言え、上位を狙うチャンス。ポルトガルで4ポイント、アルゼンチンで3ポイントを稼いだ総合15位の中上貴晶は、昨年10番グリッドから14位。確実に前進していることから、得意とするヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトを前に、更に一歩踏み出したいところ。
Moto2™
3月上旬にトレーニングアクシデントが原因で左手首を脱臼骨折した小椋藍が前戦アルゼンチンGPで復帰。今回もテスト的な意味合いが強い週末となり、腰椎骨折で欠場する野左根航汰の代役には、前戦に引き続き、南本宗一郎が起用される。
開幕直前に右手首と右前腕を手術した軽量級王者イサン・グエバラが中量級デビュー。3月のプライベートテストで足首を負傷したアレイシ・エスクリチとオフィシャルテストで右手を負傷したルーカス・トゥロビッチも復帰予定。
Moto3™
開幕戦のウォームアップラップ中に右肩を脱臼したロレンソォ・フェロンは、脱臼癖を治す目的で手術を受けたことから、アルゼンチンで3位表彰台を獲得したアンドレア・ミニョが代役を継続。緒戦のゴール直後に他車と激突して骨折した左足首を手術したジョエル・ケルソの参戦は微妙。
5人が参戦する日本勢は、3年ぶりに優勝を挙げた総合3位鈴木竜生を筆頭に、連続してポイント圏内に進出した総合8位鳥羽海渡、3月のプライベートテストから特筆する走りを見せる総合12位佐々木歩夢、前戦でトップ10入りした総合14位山中琉聖、連続完走の古里太陽が優勝、表彰台、ポイント圏内の進出を狙う。
天気予報
金曜日は最高気温26度、最低気温19度、降水確率13%の曇り。土曜日は最高気温27度、最低気温14度、降水確率31%の曇り。日曜日は最高気温22度、最低気温10度、降水確率3%の晴れが予報されている。