第4戦スペインGPは今週末、ヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトで4月28日(金)に初日、29日(土)に公式予選と『Tissot Sprint(スプリント)』、30日(日)に決勝レースを開催。第2戦アルゼンチンで暫定総合1位に飛び出したマルコ・ベツェッキがプレミアクラスに初参戦した昨年8番グリッドから18.8秒差の9位だった当地にポイントリーダーとして乗り込み、ポイントアドバンテージの拡大を目指す。
11ポイント差のフランチェスコ・バグナイア
タイトル連覇に向け、開幕戦ポルトガルGPのスプリントと決勝レースで連続優勝を挙げ、会心のスタートダッシュを決めた現王者フランチェスコ・バグナイアは、前戦アメリカズGPでポールポジションからスプリントで優勝を挙げたが、決勝レースでは、2戦連続の転倒リタイア。ポイントリーダーとのギャップが9ポイント差から11ポイント差に広がったが、今週末は昨年ポールポジションから優勝を挙げたトラックでポイント差の挽回に挑む。
虎視眈々と初優勝を狙う3人
チャンピオンシップをリードするマルコ・ベツェッキとフランチェスコ・バグナイアと共に序盤3戦の公式予選、スプリント、決勝レースでトップ3に進出した総合5位ヨハン・ザルコ、総合6位ルカ・マリーニ、総合8位アレックス・マルケスは追求するプレミアクラス初優勝、総合11位ホルヘ・マルティンは今季初優勝にトライ。オフィシャルテストの転倒が原因で出遅れたが、ステップ・バイ・ステップで上位に接近してきた総合16位ファビオ・ディ・ジャンアントニオは、さらに一歩踏み出したいところ。
勝者アレックス・リンス凱旋
ホンダに2021年10月の第16戦エミリア-ロマーニャGP以来25戦ぶりとなる勝利をもたらしたアレックス・リンスは、総合12位から3位に浮上。今週末は、サーキット・オブ・ジ・アメリカとは特徴が大きくことなるヘレス・サーキット-アンヘル・ニエトでどのような走りを見せるのか注目が集まる。
転倒リタイアを喫した後、上手くまとめることができなかったと反省した総合19位ジョアン・ミルだったが、決勝レースでは可能性を示したことから、今週末にどこまでバイクの理解度が進み、追求するフィーリングを得られるのかパフォーマンスとリザルトに注目。
初の表彰台を目指す中上貴晶
序盤3戦が終わって、開幕戦(12位)と2戦目(13位)でポイントを稼いだ総合17位の中上貴晶は、前戦で転倒、スプリントでは1度もポイント圏内に進出していないが、2020年と2021年に自己最高位の4位、昨年7位に進出した開催日程の中で最も得意とするトラックで、86戦目となるプレミアクラスのキャリアで初のトップ3を目指す。
ドゥカティ勢に挑むアプリリア
開幕戦からアプリリアを先導する総合4位マーベリック・ビニャーレスを筆頭に総合13位アレイシ・エスパルガロと総合14位ミゲール・オリベイラは、上位に進出するドゥカティ勢に挑戦。総合22位ラウール・フェルナンデェスも地元で存在感のある走りを見せようと高いモチベーションを持って、ヘレスに乗り込む。
今季初の5人体制
過去好成績を上げていないサーキット・オブ・ジ・アメリカで、スプリントでブラッド・ビンダー、決勝レースでジャック・ミラーが好走を披露。新人アウグスト・フェルナンデェスは堅実な走りで完走し、3戦連続してポイント圏内に進出。序盤3戦を終え、全体的にプレシーズンの結果を上回るパフォーマンスを見せ、今週末は、3年前の6位が過去最高位、昨年10位だったヘレスで初のトップ5、初の表彰台を目指す。
テストライダー、ダニ・ペドロサはワイルドカードとして、2021年8月の第10戦スティリアGP以来の参戦。2週間前には当地でプライベートテストを実施。レギュラーライダーたちをサポートすると同時に実戦を通じてデータを収集する。
逆襲のファビオ・クアルタラロ
前戦で今季初表彰台を獲得し、総合10位から7位に浮上したファビオ・クアルタラロは、3年前にキャリア初優勝を挙げ、昨年2位を獲得したトラックで2戦連続の表彰台、昨年6月の第10戦ドイツGP以来14戦ぶりとなる優勝を目指せば、総合10位フランコ・モルビデリは、ヨーロッパラウンドの緒戦から存在感ある走り、第2戦で見せたスピードで上位進出を狙う。
負傷者の復帰
開幕戦で右肩の肩甲骨を骨折したエネア・バスティアニーニと右手第1中手骨を骨折したマルク・マルケスは、地元で検査を受けて回復具合を確認。そこでゴーサインが出れば、木曜日にサーキットのメディカルセンターでメディカルチェックを受ける。
開幕戦で肺挫傷と顎、背椎を骨折したポル・エスパルガロは欠場。前戦に引き続き、ジョナス・フォルガーが代役として起用される。
Moto2™
開幕前にタイトル争いの主役と予想された2人、ペドロ・アコスタとトニー・アルボリーノが前戦でガチンコ対決を展開。今週末は、チャンピオンシップをリードする2人に総合3位アロン・カネト、総合4位フィリップ・サラッチ、総合5位アロンソ・ロペスらが挑戦。
左手首の脱臼骨折から復帰2戦目でポイント圏内に進出した小椋藍は、昨年ポールポジションからキャリア初優勝を挙げたトラックで周回を重ね、出遅れたプレシーズンのギャップを少しでも挽回させ、さらにワンステップを踏みたいところ。
開幕戦で腰椎を骨折した野左根航汰の復帰は未定。3戦連続して欠場する場合、南本宗一郎が三度目の代役に指名される可能性があり、3月のプライベートテストで足首を負傷し、開幕から3戦連続して欠場したアレイシ・エスクリチは復帰が予定され、ヘレス入りの前に回復具合を確認するためにバイクトレーニングを計画。
前戦で右手を骨折したダーリン・ビンダーの参戦は微妙。欠場する場合、所属先のリキモリ・ハスクバーナ・インタクトGPは『Moto2™欧州選手権』で起用するセナ・アジウスを招集する。
Moto3™
台頭著しい参戦2年目の若手。ダニエル・オルガドとディオゴ・モレイラが同点でチャンピオンシップをリードすれば、イバン・オルトラは前戦で初優勝。地元出身ダビド・ムニョスは、前戦で他車の転倒を引き起こした行為により、ダブルロングラップペナルティが科せられている。
前戦2位ジャウメ・マシアを筆頭にベテラン組も健在。鈴木竜生は転倒が原因で左足を骨折したことから、3年前に優勝を挙げたグランプリに向けて現在治療に専念中。開幕から堅実にポイント圏内に進出する鳥羽海渡と2戦連続して転倒を喫したが、特筆すべき速さを見せる佐々木歩夢は今季初表彰台、初優勝を狙い、古里太陽は今季初ポイントを目指す。
開幕戦後に右肩を手術したロレンソォ・フェロンは欠場。3戦連続してアンドレア・ミニョが代役を務め、開幕戦で左足首を骨折したジョエル・ケルソは復帰の見込み。2戦連続してジョエル・ケルソの代役を務めたダビド・アルマンサはワイルドカード参戦。
天気予報
週末の降水確率は0%。金曜日は気温が35度まで上昇するが、土曜日は30度、日曜日は28度が予報されている。