第2戦ポルトガルGPは、今週末の3月22日から24日、アウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェ、通称ポルティマオ・サーキットで開催。23日に公式予選とショートレースのティソ・スプリント、24日に決勝レースが実施される。
ドゥカティ
ゼッケンナンバー『1』と共にプレミアクラス6年目を開始したフランチェスコ・バグナイアは、2年連続のオープニングレース優勝、プレミアクラスでバリー・シーンに並ぶ19勝目、2015年~2016年のホルヘ・ホレンソ以来となる最終戦&開幕戦優勝を挙げ、史上10人目となるタイトル連覇に向けて幸先のスタートダッシュを決め、同時に昨年9月の第12戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPからドゥカティの新記録となる10レース連続優勝(3勝)、2021年9月の第13戦アラゴンGPから47レース連続表彰台(19勝を含む31度の表彰台)に貢献。ちょうど1年前に2番グリッドから初開催のティソ・スプリントで優勝、決勝レースで優勝を挙げた当地にポイントリーダーとして乗り込む。
スプリントキングと称される速さと強さを誇示し、優勝発進を決め、決勝レースで3位を獲得したホルヘ・マルティンは、タイトル獲得に向けて課題に挙げていたシーズンスタートに成功。昨年の3番グリッドから2位と転倒リタイアを喫したサーキットでポイントリーダーとの3ポイント差に挑む。
新天地グレシーニ・レーシングからのデビュー戦、ドゥカティ機に乗り換えた緒戦で6番グリッドから5位と4位に進出したマルク・マルケスは、チャンピオンマシンを理解し、適応する週末が続き、過去に絶対的な強さを見せた3週間後の第3戦アメリカズGPを前に、更なる改善に向けて参考にすると指名したフランチェスコ・バグナイアとホルヘ・マルティンにどこまで近づくのか関心が集まる。
開幕戦でシングルフィニッシュを決め、昨年と比較して、上々なシーズンスタートを切ったエネア・バスティアニーニ、アレックス・マルケス、ファビオ・ディ・ジャンアントニオは今季初表彰台を狙う一方で、マルコ・ベツェッキは2023年型への適応、フランコ・モルビデリは7週間前の1月30日に転倒を喫した当地に戻り、ヤマハ機からドゥカティ機への乗り換え作業を継続。
KTM
4番グリッドから連続2位を獲得したブラッド・ビンダーは、目標に設定した総合4位以上に向け、キャリアのベストスタートを切ることに成功。昨年12位と6位だったトラックでどこまでドゥカティ勢に対抗できるのかが週末の焦点の1つ。
KTMの同僚、転倒を喫したジャック・ミラーとポイント圏外だったアウグスト・フェルナンデェスは、ポルティマオで仕切り直しを図り、鮮烈なデビューを飾ったペドロ・アコスタは、軽量級と中量級で優勝経験があり、テストを実施していないトラックでどのようなパフォーマンスを見せるのか視線が集まる。
アプリリア
トラックの特性から上位進出候補に挙げられていたアプリリア勢は、期待通りの結果を得られなかったが、今週末は地元出身のミゲール・オリベイラに注目。プレシーズンでは2022年型から2024年型への乗り換えに多少の時間を要し、決勝レースではロングラップペナルティにより、シングルフィニッシュを逃したが、アレイシ・エスパルガロ、マーベリック・ビニャーレスのパフォーマンスレベルに接近。電子制御の問題に見舞われたラウール・フェルナンデェスと共に、優勝経験がある得意トラックで上位進出を虎視眈々と狙う。
ヤマハ
「昨年よりも離されている。幾つかの前進を果たしたけど、他のメーカーはさらに進歩し、ギャップは本当に大きい。これまで以上にライバルたちから離れている」とファビオ・クアルタラロが決勝レース後に発言。過去の長所だった高速コーナーが弱点となって露出に現れたことも苦戦の要因の1つだったが、ルサイルとなるトラック特性が異なるポルティマオ、オースティン、ヘレスでクアルタラロ、新加入のアレックス・リンスがどのような走りを見せるのか関心が集まる。
ホンダ
4ヶ月前の第19戦カタールGPと比較し、大幅な改善を遂げたことを証明。更なる前進、上位陣とのギャップを詰めるため、ジョアン・ミルを中心にヨハン・ザルコ、中上貴晶らが投入予定の新たなアイテムを週末に検証。
4ヶ月前にポールポジションから連続3位を獲得したルカ・マリーニは、21番グリッドから21位と20位。困難な新天地からのスタートとなったが、ホンダ機への適応作業を続ける。
Moto2™
ピレリタイヤに履き替え、グリップの低下を理解するのに手探りの状態だった緒戦では、アロンソ・ロペスが2022年10月の第18戦オーストラリアGP以来23戦ぶりに優勝を挙げ、バーリー・バルトゥスとセルジオ・ガルシアが中量級で初表彰台を獲得。
カレックス機からボスコスクロ機に乗り換えた小椋藍が4位に進出した一歩で、昨年総合2位トニー・アルボリーノは20位、総合3位フェルミン・アルデグエは16位、総合5位アロン・カネトは10位。
オフィシャルテストで総合1番手に進出したアルデグエ、昨年表彰台を獲得したアルボリーノとカネトがどこまで巻き返すかに注目。
Moto3™
開幕戦のプレスカンファレンスに出席したプレミアクラスのライダーたちからチャンピオン候補に満場一致で挙げられたダビド・アロンソが最終ラップの最終コーナーで逆転優勝。参戦2年目で初めてポイントリーダーに飛び出せば、ダニエル・オルガド、古里太陽も好発進。
転倒を喫したが、オフィシャルテストで総合1番手に進出したホセ・アントニオ・ルエダ、転倒後に9位まで挽回したイバン・オルトラ、トップグループで走行した鈴木竜生、山中琉聖、コリン・ベイヤーにも関心が高まる。