KTM・レーシングとテック3・レーシングは13日、2025年のプロジェクトを発表。2026年末までKTMとの提携を結ぶテック3・レーシングは、レッドブル・ガスガス・テック3からレッドブル・KTM・テック3にチーム名を変更し、ファクトリーチームのレッドブル・KTM・ファクトリー・レーシングを補完することになり、ファクトリーと直接契約したマーベリック・ビニャーレスとエネア・バスティアニーニには、ブラッド・ビンダー、ペドロ・アコスタと同等のファクトリーマシンが供給されることになった。
KTM、ガスガス、ハスクバーナ、MVアグスタを傘下に持つピーラー・モビリティ・グループのモータースポーツディレクター、ピット・バイラーはプロジェクト発表の翌日、当サイトのインタビューに応え、ライダー市場の動向を的確に把握し、迅速に対応したことを説明した。
ブランドの再構成による4人体制
「ガスガス?KTM?バイクの違いは?我々のプロジェクトでは、ハイレベルのライダーについて話すことは難しいです。最終的に、メーカーの違いを示す良い機会だと判断しましたが、これはレッドブル・KTMで4人を起用するラインナップであり、非常に強力なプロジェクトだと手応えを感じています。4人体制のチームという、このプロジェクトのために我々に賭けてくれたレッドブルに感謝します。」
マーベリック・ビニャーレス
「我々が彼と会い、話し合いをしたとき、それは我々と一緒に参戦したいという気持ちが伝わった瞬間でした。彼のコミットメントは最初から非常に強く、全てが迅速に進みました。現時点で、素晴らしいチームと素晴らしいバイクがあると考え、本当にオープンで真剣であり、単に我々に推測的なオファーをさせようとしたのではなかったことから、それはポジティブな驚きでした。」
「彼にとって、人間的な側面と、良い環境でホームのように感じることが非常に重要であり、奇跡を起こすことができることは誰もが知っていますが、彼が快適に感じられない場合、1つまたは2つのポジションを落とすだけでなく、非常に悪い状態に陥ってしまうことも知っていることから、彼と一緒に働くチームの人材とアイデアがあります。彼は朝起きて、今日は勝つ日だと確信すれば、ほぼ無敵です。」
エネア・バスティアニーニ
「もし彼が幸せで自信があれば、パフォーマンスが発揮されます。我々は彼らが加入するまでの時間を利用して、パフォーマンスを発揮できるようにパッケージをできる限り準備しなければいけません。表彰台を争うために世界最高のライダーたちを起用し、彼らがパフォーマンスを発揮できるように、適切なパッケージを提供しなければならないという重圧が我々に課せられていると感じています。」
1チーム4人体制
「チームのキャプテンは順位の1番手であり、次に2番手、3番手... これは1つのガレージがファクトリーチーム、もう1つがサテライトチームとなり、ファクトリーチームが先に何かを得るという古典的な状況ではありません。」
ジャック・ミラー/アウグスト・フェルナンデェス
「ジャックとアウグストの起用を諦めることは大変悲しいです。ジャックが本来あるべきレベルを取り戻すことができるということを見せてくれると期待していました。ムジェロでのポイント圏外はジャックのあるべき姿ではありません。たとえ将来がどうであれ、それが我々との関係を終わらせる手段ではなく、状況を一転させる必要があります。」
「トライしました。2人のライダーに機会を与えるために、もっと時間があるだろうと考えていましたが、結局のところ、市場は大きなプレッシャーにさらされ、交渉を開始して、翌日には合意するという、あの週を利用しなかったら、このような機会が失ってしまうところでした。前に進むために、困難な決断を下しました。何かを諦めることは計画ではありませんでした。決定的にそうではありませんでした。」
KTMは、第7戦イタリアGPが終了した時点で総合4位エネア・バスティアニーニ、総合5位ペドロ・アコスタ、総合6位マーベリック・ビニャーレス、総合7位ブラッド・ビンダーをレッドブル・KTM・ファクトリー・レーシングとレッドブル・KTM・テック3で来季起用。総合16位ジャック・ミラーと総合17位アウグスト・フェルナンデェスは、契約終了となる2024年末にKTMから退団することになり、来季の所属先を探すことになった。