第17戦オーストラリアGPは、今週末の10月18日から20日にフィリップアイランド・サーキットで開催。10月19日に公式予選とショートレースのティソ・スプリント、20日に決勝レースが催行される。
フィリップアイランド・サーキット
トラックは2013年以来再舗装され、今年2月に開催されたスーパーバイク世界選手権の開幕戦では、新しいアスファルトのグリップが大幅に向上した確認されたが、タイヤへの攻撃性が強いことから、コンパウンドの温度が上昇した際にタイヤのデグラデーションが大きいから、タイヤ交換が義務付けられたことから、初日にトラックの状態をチェックすることになり、『Moto2™』ではタイヤサプライヤー、ピレリのリクエストにより、レースに向けて適したタイヤを確認するため、週末最初のセッション、フリープラクティスの走行時間を40分間からの55分間に拡大する。
ドゥカティ
5年連続6度目のコンストラクター部門を制してから2週間後、モビリティリゾートもてぎで開催された前戦日本GPで、第4戦スペインGPから13戦連続優勝を達成し、ホンダ(22連勝/13連勝)、MVアグスタ(20連勝/19連勝/14連勝)に次ぐ快挙を達成。
さらに、今季11度目、通算20度目の表彰台独占。今季5度目のトップ5独占も達成。今週末は昨年13年ぶり5度目の優勝、そして表彰台独占した当地に挑戦。
ホルヘ・マルティン対フランチェスコ・バグナイア
予選の転倒が影響して、今季初めての4列目、今季ワーストの11番グリッドからスタートしたホルヘ・マルティンだったが、4位と2位まで挽回して、週末に26ポイントを加算。残り4戦148ポイント差のインディペンデントライダー部門において、アドバンテージを81ポイント差から111ポイント差まで拡大すれば、2年連続のタイトル獲得となり、1年前に2連続のポールポジションから5位だった海沿いのトラックで、暫定首位の座を堅守する。
モビリティリゾートもてぎで5戦ぶり4度目のダブルウィンを達成したフランチェスコ・バグナイアは、ティソ・スプリントで昨年の4勝を上回る3戦連続6勝目、決勝レースでタイトルを獲得した2022年と2023年の年間7勝を上回る8勝目に到達し、37ポイントを加算させ、ポイントリーダーとのギャップを10ポイント差まで接近。1年前に2番グリッドから2年連続の表彰台となる2位を獲得したトラックで総合1位再浮上を目指す。
エネア・バスティアニーニ&マルク・マルケス
ポイントリーダーとのギャップは、2戦で逆転が不可能な79ポイント差と81ポイント差。残り4戦148ポイントのタイトル争いにおいて、数字上は逆転が可能ながら、実質タイトル争いから脱落したことから、1つの多くの優勝、表彰台が目標となり、特に2015年、2017年、2019年に優勝を挙げたマルク・マルケスは左回りトラックで今季3勝目を狙う。
KTM
モビリティリゾートもてぎでドゥカティの牙城を崩せなかったが、戦闘力の高さを証明。特に総合6位ペドロ・アコスタはティソ・スプリントと決勝レースで連続転倒を喫したが、2020年11月の最終戦ポルトガルGP以来となるポールポジションを獲得。1年前に総合5位ブラッド・ビンダーが優勝争いの末、コンマ8秒差の4位に進出したアベレージスピードが高いトラックで再度ドゥカティ勢に挑戦。
アプリリア
第6戦カタルーニャGP以降10戦連続して20ポイント以上を稼げない週末が続き、コンストラクター部門で総合2位KTMとのポイント差が20に拡大したが、今週末は2018年に優勝経験がある総合7位マーベリック・ビニャーレスを中心に、2年前に4.5秒差の9位、1年前に9.3秒差の8位が最高位だった当地に挑戦。第15戦インドネシアGPで右手首を骨折したミゲール・オリベイラの代替として、テストライダーのロレンソォ・サバドーリを再度招集する。
ヤマハ
第14戦エミリア・ロマーニャGPに続き、2度目の燃料切れ。同じ過ちを繰り返さないように調査中だが、ワイルドカードを起用したことにより、今後の開発ベースに活用できるデータとフィードバックを取集。今週末は2年前に総合19位アレックス・リンスが優勝、総合13位ファビオ・クアルタラロが1.9秒差の4位に進出したトラック、再舗装された路面に対して、どのように対応するか関心が高まる。
ホンダ
所属するファクトリーのホームレースでキャリア通算150戦目を迎えた総合20位ジョアン・ミルだったが1ラップ目に追突を受けて転倒リタイアを強いられたが、3人がポイント圏内に進出。今週末は気温が低く、中高速コーナーが多いトラックに対して、昨年プレミアクラス初優勝を挙げた総合17位ヨハン・ザルコを中心に4人がどこまで上位陣とのタイム差を縮め、ポジションを1つでも多く挽回できるか注目が集まる。
天気予報
月曜日の時点で、木曜日の夜から金曜日の朝まで雨が降り、金曜日の夜から土曜日の朝まで再び雨が予報されているが、土曜日の昼からは晴れ。ティソ・スプリント、決勝レースともドライコンディションとなる見込みだが、最高気温は17度と今季一番の寒さとなりそうだ。
Moto2™
ポイントリーダーの小椋藍は、モビリティリゾートもてぎでのホームレースでクラス最多となる7度目の表彰台を獲得。第8戦TTアッセン以来表彰台から遠ざかっている総合2位セルジオ・ガルシアに対してアドバンテージを60ポイント差、総合3位に浮上したアロンソ・ロペスに65ポイント差、後半戦で最も多くのポイントを稼いだ総合4位アロン・カネトには72ポイント差に拡大。
残り4戦100ポイントのタイトル争いにおいて、日曜日に小椋がライバルたちに75ポイント差以上にアドバンテージを拡大すれば、第18戦タイGPを前にチャンピオンが決定する。
新人王争いは3人に絞られ、1年前に『Moto2™欧州選手権』を制した総合17位セナ・アギウスが総合18位ディオゴ・モレイラに対して11ポイント差、総合19位デニス・オンジュに13ポイント差。
コンストラクター部門は、2013年から12年連続のタイトルを目指すカレックスと初タイトルを狙うボスコスクロのポイント差は14。チーム部門は、初参戦ながらライダー部門で総合1位と2位を起用するMTヘルメット-MSIとベータ・ツールズ・スピードアップのポイント差は83。
Moto3™
前戦日本GPでダビド・アロンソがチャンピオンに輝いたことから、注目は18歳のスペイン系コロンビア人ライダーが1997年にバレンティーノ・ロッシが記録した年間最多の11勝目に並ぶことができるかどうか。
総合2位争いは、総合2位ダニエル・オルガドが総合3位コリン・ベイヤーに対して3ポイント差、総合4位イバン・オルトラに21ポイント差のリード。来季中量級昇格が内定しているトップ4が軽量級卒業前にどのようなパフォーマンスとリザルトを見せるのかも注目。
新人王争いは、1年前に『ジュニアGP™世界選手権』と『レッドブル・ルーキーズ・カップ』でダブルチャンピオンを獲得した総合7位アンヘル・ピケラスが総合13位ルカ・ルネッタに対して53ポイント差。
コンストラクター部門は、CFモトがKTMに43ポイント差。チーム部門は、CFモト・ガビオタ・アスパル・チームがリキモリ・ハスクバーナ・インタクト・GPに76ポイント差のアドバンテージを持つ。
メディカル
第14戦エミリア・ロマーニャGPからレギュラー参戦を開始したダニエル・ムニョスは、前戦日本GPのプラクティス2で転倒した際に右足首を骨折。代役には『Moto2™欧州選手権』に参戦する豪州出身のハリソン・ヴォイトが起用される予定で、第15戦インドネシアGPで右脚を負傷した総合12位ソムキアット・チャントラは出走する場合、木曜日にサーキット内のメディカルセンターでメディカルチェックが必要。
第15戦インドネシアGPで左手を骨折したエディ・オシェイ、第16戦日本GPで肋骨を骨折したタットチャコーン・ブーシュリ、同グランプリで手首と背中を痛めたノア・デットワイラーもメディカルチェックを受ける予定。