チャンピオンシップ77年目のシーズンとなる2025年は、史上最多となる5人のワールドチャンピオンがフルエントリーライダーとしてグリッドに同時に並ぶ。
5人のプレミアクラスチャンピオン
2013年、2014年、2016年、2017年、2018年、2019年にタイトルを獲得したマルク・マルケス、2020年王者ジョアン・ミル、2021年王者ファビオ・クアルタラロ、2022年/2023年王者フランチェスコ・バグナイア、そして、2024年にチャンピオンに輝いたホルヘ・マルティンの5人。2023年と2024年の4人を上回り、史上最多となる5人のチャンピオンがレギュラーライダーとしてグリッドに並ぶ。
過去最多は2024年まで4人
チャンピオンシップで最初に4人のチャンピオンがグリッド上に並んだのは、開催35年目の1983年。1976年から2連覇を成し遂げたバーリー・シーン、1978年から史上5人目となる3連覇を達成したケニー・ロバーツ、1981年王者マルコ・ルッキネリ、1982年王者フランコ・ウンチーニの4人。
1983年から3年連続して4人のチャンピオンが出揃った後、26年後の2011年に2001年から5年連続7度のタイトル獲得に成功したバレンティーノ・ロッシ、2006年王者ニッキー・ヘイデン、2007年王者ケーシー・ストーナー、2010年王者ホルヘ・ロレンソがグリッドに並び、2023年と2024年はマルク・マルケス、ジョアン・ミル、ファビオ・クアルタラロ、フランチェスコ・バグナイアが同時に参戦。
1983
・ バーリー・シーン
・ ケニー・ロバーツ
・ マルコ・ルッキネリ
・ フランコ・ウンチーニ
1984
・ バーリー・シーン
・ マルコ・ルッキネリ
・ フランコ・ウンチーニ
・ フレディ・スペンサー
1985
・ マルコ・ルッキネリ
・ フランコ・ウンチーニ
・ フレディ・スペンサー
・ エディ・ローソン
2011
・ バレンティーノ・ロッシ
・ ニッキー・ヘイデン
・ ケーシー・ストーナー
・ ホルヘ・ロレンソ
2012
・ バレンティーノ・ロッシ
・ ニッキー・ヘイデン
・ ケーシー・ストーナー
・ ホルヘ・ロレンソ
2014
・ バレンティーノ・ロッシ
・ ニッキー・ヘイデン
・ ホルヘ・ロレンソ
・ マルク・マルケス
2015
・ バレンティーノ・ロッシ
・ ニッキー・ヘイデン
・ ホルヘ・ロレンソ
・ マルク・マルケス
2023
・ マルク・マルケス
・ ジョアン・ミル
・ ファビオ・クアルタラロ
・ フランチェスコ・バグナイア
2024
・ マルク・マルケス
・ ジョアン・ミル
・ ファビオ・クアルタラロ
・ フランチェスコ・バグナイア
13人の世界王者
2025年にプレミアクラスにフルエントリーライダーとして参戦する22人のうち、中量級でタイトルを獲得したのは、マルク・マルケス(2012)、ヨハン・ザルコ(2015/2016)、フランコ・モルビデリ(2017)、フランチェスコ・バグナイア(2018)、アレックス・マルケス(2019)、エネア・バスティアニーニ(2020)、ペドロ・アコスタ(2023)、そして小椋藍(2024)の8人。
軽量級でタイトルを獲得したのは、マルク・マルケス(2010)、マーベリック・ビニャーレス(2013)、アレックス・マルケス(2014)、ブラッド・ビンダー(2016)、ジョアン・ミル(2017)、ホルヘ・マルティン(2018)、ペドロ・アコスタ(2021)の7人。
3クラスを制したのは、マルク・マルケスの1人。『MotoGP™』と『Moto2™』の2クラスを制したのは、マルク・マルケスとフランチェスコ・バグナイアの2人。『MotoGP™』と『Moto3™/125cc』の2クラスを制したのは、マルク・マルケス、ジョアン・ミル、ホルヘ・マルティンの3人。『Moto2™』 と『Moto3™/125cc』を制したのはマルク・マルケス、アレックス・マルケス、ペドロ・アコスタの3人。
キャリアで1度でもタイトルを獲得したのは、2023年と2024年に引き続き13人を数え、過去最多は2022年の14人。
コンストラクター
5年連続6度目のタイトル獲得に成功したドゥカティはマルク・マルケスとフランチェスコ・バグナイア、アプリリアはホルヘ・マルティン、ヤマハはファビオ・クアルタラロ、ホンダはジョアン・ミルのプレミアクラスチャンピオンを起用。
KTMはプレミアクラスのチャンピオンを起用しないが、軽量級または中量級でタイトルを獲得し、2024年に総合4位から総合7位までを占めたエネア・バスティアニーニ、ブラッド・ビンダー、ペドロ・アコスタ、マーベリック・ビニャーレスの4人を起用。
チーム
2年ぶり4度目のタイトル奪回に成功したドゥカティ・レノボ・チームはフランチェスコ・バグナイアとマルク・マルケス、レッドブル・KTM・ファクトリー・レーシングはブラッド・ビンダーとペドロ・アコスタ、レッドブル・KTMテック3はエネア・バスティアニーニとマーベリック・ビニャーレスのチャンピオンデュオを結成。
全11チーム中、唯一ワールドチャンピオンを起用しないのは、インディペンデントチーム部門で4年連続5度目のタイトル連取に成功した後、ヤマハのセカンドファクトリーチームとして活動を開始するプリマ・プラマック・ヤマハ(ミゲール・オリベイラとジャック・ミラー)。
31人目のチャンピオンが誕生するか?
2026年末まで参戦を計画するマルク・マルケス、ジョアン・ミル、ファビオ・クアルタラロ、フランチェスコ・バグナイア、ホルヘ・マルティンの5人以外がタイトルを獲得すれば、プレミアクラス史上31人目のチャンピオンとなり、2026年に6人のチャンピオンがグリッドに並ぶ可能性が高い。
史上2人目の快挙となるか?
もし、マルク・マルケスが2019年以来5年ぶりにチャンピオンシップを制覇すれば、ジャコモ・アゴスチーニ、バレンティーノ・ロッシに続き、史上3人目となる7度目のプレミアクラスチャンピオンとなり、フランチェスコ・バグナイアがチャンピオンに返り咲けば、史上12人目となる3度目のタイトル獲得。ジョアン・ミル、ファビオ・クアルタラロ、またはホルヘ・マルティンが2度目の頂点に君臨すれば、史上18人目となる2度目のタイトル獲得となる。
もし、現王者ホルヘ・マルティンが新天地アプリリア・レーシングでタイトルを獲得すれば、アプリリアに史上初めてタイトルをもたらすだけでなく、史上14人目となる2年連続チャンピオン、そして、2003年にホンダ、2004年にヤマハを駆け、異なる2メーカーのバイクと共にタイトル獲得に成功したバレンティーノ・ロッシ以来、史上2人目の偉業達成となる。
チャンピオンシップ77年目のシーズンは、2月28日から3月2日にタイのチャーン・インターナショナル・サーキットで開幕。5メーカー、11チーム、22人のフルエントリーライダーたちは、2月5月から7日にマレーシアのペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットで今年最初、シーズン2度目となるオフィシャルテストを実施。本格的な準備に取り組む。