開幕戦タイGPから2戦連続して、まさに地球上で最もエキサイティングなスポーツに相応しいショーが繰り広げられた後、今週末は北米唯一の舞台、サーキット・オブ・ジ・アメリカズで第3戦アメリカズGPが開催。マルク・マルケスがポイントリーダーとして乗り込む。
ザ・キング・オブ・コタ
頭文字を取って通称コタと呼ばれるサーキット・オブ・ジ・アメリカズが初開催された2013年に史上最年少優勝を果たしたマルク・マルケスは、2018年までに6年連続優勝を達成。負傷から復帰した2021年に3年ぶり7勝目を挙げただけでなく、2013年からインディアナポリスで3年連続優勝、2013年にラグナセカで優勝を挙げ、2013年から2018年までアメリカで開催された6年間で10戦10勝の快挙を達成。
絶対的な強さを誇示し、昨年5年ぶりに訪れた際には3番グリッドからティソ・スプリントで2位、決勝レースはトップに浮上した11ラップ目に転倒リタイアを喫したが、世界中のファンからドリームスタートと称賛された今シーズンは、開幕から2戦連続してポールポジションからダブルウィンを達成。ポイントリーダーとして、今年最初の左回りトラックに挑戦。
ターゲットは初優勝
2戦連続の2番グリッドから2戦連続の連続2位を獲得した総合2位アレックス・マルケスはプレミアクラス92戦目での初優勝、4位を獲得した総合3位フランチェスコ・バグナイアは昨年11月の最終戦ソリダリティGP以来今季初優勝、1414日ぶりに表彰台を獲得した総合4位フランコ・モルビデリは2020年11月の第14戦バレンシアGP以来1596日ぶりの優勝を狙う。
ホームグランプリ
ノースカロライナ州のコンコードに本拠地を構えるトラックハウス・レーシングは2度目のホームグランプリ。起用2年目ラウール・フェルナンデェスのチームメイトに指名した小椋藍は、開幕戦でセンセーショナルなデビュー戦を飾ると、2戦目は承認が得られていないソフトウェアを使用したとして失格となったが、新人勢だけでなく、アプリリア勢の中でも特筆に値するパフォーマンスを披露。当地では中量級時代の2023年に15位、2024年に7位。アプリリアは2年前に4位、1年前にポールポジションからダブルウィンを達成していたこともあり、注目が集まる。
躍進するホンダ
前戦で2023年10月の第17戦タイGP以来29戦ぶりにトップ6入り、2022年4月の第5戦ポルトガルGP以来57戦ぶりに3台がトップ10入りを達成したホンダは、最後に優勝を挙げたサーキット、過去11度の開催で8度の優勝を挙げたサーキットに戻り、2023年10月の第14戦日本GP以来となるトップ5、そして表彰台に向け、更なるステップを図る。
伏兵的な存在
2年前の2023年、ホンダに最後の優勝をもたらしたアレックス・リンスは、2013年に軽量級初優勝、2015年に中量級初表彰台、2016年にシーズン初優勝、2019年にはプレミアクラス初優勝を挙げた当地に戻り、ヤマハ20戦目での初表彰台、そして、スズキ機、ホンダ機に続き、3メーカー目となるヤマハ機での優勝を狙う。
昨年スズキ機、ヤマハ機に続き、3メーカー目となったアプリリア機で優勝を挙げ、マイク・ヘイルウッド、エディ・ローソン、ランディ・マモラ、ロリス・カピロッシに続き、プレミアクラスで史上5人目、『MotoGP™』で史上初の快挙を成し遂げたマーベリック・ビニャーレスはKTM機に乗り換えたことから、もし、優勝を挙げれば、チャンピオンシップの記録を再び書き換えることになる。
チームメイトのエネア・バスティアニーニは2022年に優勝、昨年は3位。ペドロ・アコスタは1年前にKTMの最高位となる2位を獲得したことから、KTM勢の最高位に進出する総合7位ブラッド・ビンダーと共にどのような結果を残すのか関心が集まる。
気象状況
月曜日の時点で、金曜日は一日中雨が予報されているが、土曜日と日曜日は晴れ。最高気温は29度、30度まで上昇する見込み。
Moto2™
2戦連続のポールポジションから2戦連続の表彰台、1位と2位を獲得したマヌエル・ゴンザレスは2年前に10位、1年前に13位だった当地に総合1位として乗り込む。
ポイントリーダーに挑戦するのは、前戦で今季初優勝を挙げた11ポイント差の総合2位ジェイク・ディクソン、2戦連続トップ4に進出した12ポイント差の総合3位アロン・カネト、2戦連続5位に進出した23ポイント差の総合4位マルコス・ラミレス。前戦で今季初表彰台を獲得した総合6位チェレスティーノ・ヴィエッティ、自己最高位の7位に進出した総合13位アレイシ・エスクリチ、昨年のホームレースで2位を獲得した総合20位ジョー・ロバーツにも注目。
2戦連続の完走を果たした佐々木歩夢と國井勇輝はポイント圏内の進出、ポイント圏内の接近を目指す。
オフィシャルテストの最終日に転倒を喫して右手を骨折したセルジオ・ガルシアは、1年前に中量級初優勝を挙げたサーキットで復帰予定だが、メディカルチェックの結果次第で欠場する場合には、オスカル・グティエーレを継続起用。
Moto3™
開幕戦で優勝、第2戦で3位を獲得したホセ・アントニオ・ルエダは昨年予選で2番手に進出したが、急性虫垂炎が原因で欠場を強いられた当地で、総合1位の堅守を目指す。
ポイントリーダーに挑戦するのは、連続表彰台を獲得した5ポイント差の総合2位アドリアン・フェルナンデェス、前戦で今季初優勝を挙げた12ポイント差の総合3位アンヘル・ピケラス、連続ポールポジションを獲得した17ポイント差の総合4位マッテオ・ベルテッレ。
前戦で1桁台に進出した30ポイント差の総合10位古里太陽と345ポイント差の総合14位山中琉聖は、昨年転倒と4位だった当地で上位陣とのポイント差を縮めるだけでなく、昨年7月の第9戦ドイツGPと6月の第7戦イタリアGP以来となる表彰台を狙う。
昨年のジュニアGP™世界選手権で総合3位に進出したことから、最低年齢出走の特権を取得して、3月19日に17歳の誕生日を迎えたマキシモ・キレスが今週末から参戦を開始。
トレーニングアクシデントが原因で首を痛めたことから2戦に欠場したヤコブ・ルールストーンは復帰予定。前戦の決勝レースで左足首を負傷したチームメイト、バレンティン・ペローネと共に開催前日にメディカルチェックを受ける。
オフィシャルテストで負傷したノア・デットワイラーの代役として開幕戦から起用されたアドリアン・クルセスは3戦連続の参戦となるが、前戦の決勝レースで右手首を骨折したマルコス・ウリアルテは欠場する。