スピード、パッション、ユーフォリアのムジェロ・マジック

チャンピオンシップの流れを左右するシーズン最初の2連戦、サマーブレイク前5週間で4戦の集中的な短期決戦がイタリアのムジェロで始まる

チャンピオンシップは、2週末ごとの繰り返された8戦が終了し、これからシーズン終了まで7度の2連戦を開催。シーズン最初の2連戦となる緒戦は、『より速く、より前に、より恐れずに』というスローガンを最も含蓄に描写するサーキットの1つ、アウトードロモ・インテルナツィオナーレ・デル・ムジェロ、通称ムジェロ・サーキット第9戦イタリアGPを開催。地元イタリア勢を中心に地球上で最もエキサイティングなスポーツに相応しいバトル、正にムジェロ・マジックが繰り広げられる。

マルケス兄弟が高速トラックに挑戦

左回りトラックのモーターランド・アラゴンでパーフェクトウィークエンドを達成したポイントリーダーのマルク・マルケスは、4戦ぶりに今季5度目となる37ポイントを加算。オフィシャルテストでエアロパッケージの検証を中心としたテストプログラムに取り組んだ後、2014年に優勝、1年前に2位と4位だった右回りの高速トラックに挑戦。総合2位アレックス・マルケスもプレミアクラスで特筆すべき結果を挙げていなかったことから、チャンピオンシップをリードする2人がどのような走りを見せるのか注目が集まる。

反撃の狼煙を上げるか?

マルケス兄弟とは対照的にムジェロ、そして来週末の第10戦オランダGP開催地TT・サーキット・アッセンで2022年から3年連続して優勝を挙げた総合3位フランチェスコ・バグナイアにとっては、好感触を得た前戦アラゴンGPの決勝レースからさらなる前進を果たせるかが週末最大の焦点となるだろう。

総合4位フランコ・モルビデリと総合5位ファビオ・ディ・ジャンアントニオにとっても重要な週末となり、どこまでトップ3とのポイント差を縮め、表彰台争い、優勝争いに加わることができるか目が離せない存在となり、オフィシャルテストで総合4番手に進出した総合9位フェルミン・アルデグエルは右前腕を手術したことから、初日に前腕の状態を確認する。

新たな挑戦に臨むホンダ

総合6位ヨハン・ザルコと総合18位ジョアン・ミルは、シーズンが始まってから入れ替わり立ち替わりで結果を残してきて、ホンダ機の戦闘力が格段に向上していることを証明。前戦後のオフィシャルテスト、バルセロナ-カタルーニャ・サーキットで実施した2日間のプライベートテストを経て、どこまでパフォーマンスを向上させ、どのようにドゥカティ勢に対抗するのか関心が高まり、ホンダ勢で最も安定した走りを誇示していた総合13位ルカ・マリーニは欠場することから、代役が起用される見込み。

ハイスピードバトルに挑むKTM

コンストラクター部門で総合3位に位置するKTMは、ステップ・バイ・ステップでパフォーマンスとリザルトが向上。2週間前には総合8位ペドロ・アコスタがティソ・スプリントと決勝レースで今季の最高位に進出すれば、空力を中心としたテストプログラムに取り組んだオフィシャルテストでは、総合11位マーベリック・ビニャーレスが非公式ながらオールタイムラップレコードを更新して総合1番手に進出。厳しいシーズンを過ごしていた総合14位ブラッド・ビンダーと総合15位エネア・バスティアニーニもパフォーマンスが向上。定評があるトップスピードを武器に高速トラックに挑戦する。

注目は公式予選

KTMと並びオフィシャルテストで主役に飛び出したのはアプリリア。課題のタイムアタックとコーナー出口での安定性を追求すると、総合7位マルコ・ベツェッキは非公式ながらオールタイムラップレコードを更新して総合2番手に進出。1日目午後のプラクティスと2日目午前の公式予選でどこまで順位を上げられるかが週末の注目点の1つ。

第7戦イギリスGPで右膝を負傷した小椋藍は復帰の見込み。手術を受けたバルセロナ市内の病院で検査を受け、その結果次第で開催前日にサーキット内のメディカルセンターでメディカルチェックを受けることになるだろう。

シリーシーズンの主役

前戦は5ポイントしか稼げず、厳しい週末となったヤマハ勢だったが、トプラク・ラズガトリオグルとの契約を発表。プリマ・プラマック・ヤマハからの参戦が決定したことから、現在起用する総合16位ジャック・ミラーと総合23位ミゲール・オリベイラの将来に注目。

シリーシーズンの主役に躍り出た2人は、バルセロナ-カタルーニャ・サーキットに移動して2日間のプライベートテストを実施。特に怪我が原因で3戦に欠場したオリベイラにとっては、遅れを取り戻そうと気温が上がったドライコンディションの中で意欲的に走り込み、ヤマハ機の理解度を高める絶好の機会となったことから、今週末からの2連戦、そして次の2連戦となる第11戦ドイツGPと第12戦チェコGPでリザルトを追求する。

 

気象状況

月曜日の時点で、金曜日、土曜日、日曜日の最高気温は30度、最低気温は18度の晴れが予報されている。

Moto2™

第8戦が終了した時点で、マヌエル・ゴンザレスアロン・カネトは同点。タイトル争いは降り出しに戻る形となり、優勝数でポイントリーダーの座を維持したマヌエル・ゴンザレスは、プレミアクラスのオフィシャルテストに参加。アプリリア機を初試乗する機会が与えられ、1年前に2位を獲得した高速トラックでカネトと対決する。

トップ2に接近してきたのは、2戦連続2位を獲得した総合3位ディオゴ・モレイラ、3度目の表彰台を獲得した総合4位バーリー・バルトゥス、4度目のトップ4入りを果たした総合6位セナ・アギウス、初優勝を挙げた総合7位デニス・オンジュの4人。

マヌエル・ゴンザレスジェイク・ディクソンセナ・アギウスチェレスティーノ・ヴィエッティフィリップ・サラッチアルベルト・アレナスダニエル・オルガドダビド・アロンソイバン・オルトラダーリン・ビンダーは前戦後、バルセロナ-カタルーニャ・サーキットに移動してプライベートテストを実施。そのテストには軽量級に参戦するホセ・アントニオ・ルエダアンヘル・ピケラスも参加。

佐々木歩夢國井勇輝は今季初のポイント圏内に進出を目指す。

Moto3™

中量級とは対照的に、第8戦が終了した時点で、ポイントリーダーのホセ・アントニオ・ルエダは、総合2位アンヘル・ピケラスに対して2戦以上のアドバンテージとなる52ポイント差、総合3位ジョエル・ケルソには63ポイント差。今週末から始まるシーズンの初の2連戦、サマーブレイク前の次の2連戦でポイント差の変動によって、タイトル争いの行方が大きく左右される。

そのタイトル争いの行方に影響を与えそうな存在は、新人勢の最高位に進出する総合4位アルバロ・カルペ、ホンダ勢の最高位に位置する総合5位古里太陽、パフォーマンスが向上する総合6位ルカ・ルネッタと総合9位ダビド・アルマンサ、負傷から復帰する総合7位アドリアン・フェルナンデェス、参戦4戦目で2度の2位を獲得した総合8位マキシモ・キレス、前戦で初優勝を挙げた総合10位ダビド・ムニョス、1年前に3位を獲得した総合11位山中琉聖。

レベルアップ・MTAは、トレーニングアクシデントが原因で右脚の脛骨と左腕の上腕骨を開放骨折したマッテオ・ベルテッレの代役として、第5戦スペインGPからビセンテ・ペレスを招集していたが、第9戦イタリアGPからはベルテッレが復帰するまで、マルコス・ウリアルテを起用。Mラブ・レーシングはウリアルテの後任を近々に発表する予定。

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