バトルが約束されるザ・カテドラル・オブ・スピード

シーズン最初の2連戦の2戦目が1949年から毎年開催される伝統の舞台、TT・サーキット・アッセンで催行。スピードバトルが約束される

シーズン最初の2連戦の2戦目となる第10戦オランダGPは、今年も例外なく6月下旬の今週末にモーターサイクルレーシングの『カテドラル(大聖堂)』として称賛され、チャンピオンシップが始まった1949年から世界的なパンデミックの影響を受けた2020年を除き、毎年開催され、地球上で最もエキサイティングなスポーツに相応しい数多くの歴史的なレースが繰り広げられたTT・サーキット・アッセンで開催。

40ポイント差のアドバンテージ

先週末にアウトードロモ・インテルナツィオナーレ・デル・ムジェロで開催された第9戦イタリアGPで2014年以来11年ぶりに優勝、2戦連続5度目の優勝、2戦連続5度のダブルウィンを達成したマルク・マルケスは、シーズンスタート時に設定した目標の1つである37ポイント差のアドバンテージを築くことに成功。今週末は2014年と2018年の優勝を含め7度の表彰台を獲得、1年前にティソ・スプリントで転倒、決勝レースでタイヤプレッシャーの違反が判明して4位から10位に降格した右回りトラック(右12/左6)でポイント差の拡大に挑む。

Marc Marquez, Ducati Lenovo Team, Brembo Grand Prix of Italy
Marc Marquez, Ducati Lenovo Team, Brembo Grand Prix of Italy

シーズンのキーポイント

「ムジェロでパフォーマンスを向上できなければ問題だ」と週末前に語っていた総合3位フランチェスコ・バグナイアは、2022年から3年連続の優勝を挙げたホームサーキットで3位と4位。上昇する温度を理由に大型のブレーキディスクを使用できず、フロントが閉じる問題が再発し、ポイントリーダーとのギャップが3戦に等しい110ポイント差に拡大。9年前の2016年にキャリア初優勝を挙げ、2022年から3年連続して優勝を挙げたタリスマン的なサーキットで仕切り直しを図る。

2戦連続5度の連続2位を獲得した総合2位アレックス・マルケスは、マルク・マルケスから徐々に引き離されているが、最大の武器である一貫した走り、安定感抜群のパフォーマンスを発揮してフランチェスコ・バグナイアに対し徐々にポイント差を拡大。シーズン2勝目を追求すれば、総合4位フランコ・モルビデリと総合5位ファビオ・ディ・ジャンアントニオは、ステップ・バイ・ステップで総合3位に挑戦。

Alex Marquez, Marc Marquez, Brembo Grand Prix of Italy
Alex Marquez, Marc Marquez, Brembo Grand Prix of Italy

リスタートを図る日本勢

今季初めて決勝レースでトップ10入りを逃したホンダは、コンストラクター部門で5ポイントしか加算できなかったが、総合2位を維持。11位で5ポイントを稼いだ総合17位ジョアン・ミルと2戦連続0ポイントの総合6位ヨハン・ザルコは仕切り直しを図るが、総合14位ルカ・マリーニは欠場。来週計画されているプライベートテストに参加して回復具合を確認する予定。

2戦連続5度目となるトップ10入りを逃したヤマハだったが、予選では競争力が高まっていることを証明。リアのグリップ不足と振動の問題解決に引き続き取り組むが、影響があったと思われる気温はアラゴン、ムジェロと比較すれば、高くならないことが予報され、初日の転倒で左肩を亜脱臼した総合10位ファビオ・クアルタラロは初日に向けて治療を続ける。

Fabio Quartararo, Monster Energy Yamaha MotoGP™ Team, Brembo Grand Prix of Italy
Fabio Quartararo, Monster Energy Yamaha MotoGP™ Team, Brembo Grand Prix of Italy

KTMを牽引するトップガンがドゥカティ勢に挑む

ヨーロッパラウンドが始まってから競争力が向上しているKTM勢を牽引するのは、総合11位マーベリック・ビニャーレス。公式予選5番手、ティソ・スプリント4位、決勝レースはリアタイヤの温存に努めた後、表彰台を目指してアタックを開始した直後に接触転倒を喫したが、トップ3への挑戦を開始。ヤマハ時代に優勝を含め3度の表彰台を獲得、アプリリア時代に初表彰台を獲得したトラックで、総合8位ペドロ・アコスタ、総合13位ブラッド・ビンダーらと共に上位進出を目指す。

Maverick Viñales, Red Bull KTM Tech3, Brembo Grand Prix of Italy
Maverick Viñales, Red Bull KTM Tech3, Brembo Grand Prix of Italy

狙いは優勝表彰台

ムジェロでドゥカティ勢の上位独占を阻止した総合6位マルコ・ベツェッキは、2022年と2023年に連続2位を獲得。アプリリアも2022年と2023年に連続3位を獲得したトラックで今季2度目の表彰台を目指し、負傷からの復帰戦で今季5度目のトップ10入りを果たした総合12位小椋藍と今季のドライコンディションでベストリザルトとなる7位に進出した総合15位ラウール・フェルナンデェスは次のステップを狙う。

欠場中のホルヘ・マルティンは来週メディカルチェックを受けることから、テストライダーのロレンソォ・サバドーリが実戦でのテストプログラムを継続する。

気象状況

火曜日の時点で、木曜日に雨が予報されているが、週末は晴れ。最高気温は25度、最低気温は14度のドライコンディションが見込まれる。

Moto2™

ポイントリーダーのマヌエル・ゴンザレスは3戦ぶり今季4勝目を挙げ、総合2位アロン・カネトに対して9ポイント差。中量級を牽引する2人がアッセンで対決するが、注目は6戦連続してトップ5入りを達成した総合3位ディオゴ・モレイラと速さが際立ってきた総合7位デニス・オンジュ

フルエントリーライダーの中で唯一ポイントを稼いでいない2人、佐々木歩夢は昨年10月の第18戦タイGP以来となるポイント獲得、國井勇輝は中量級で初のポイント圏内進出を目指す。

Moto3™

ポイントリーダーのホセ・アントニオ・ルエダは2戦連続して表彰台を逃したが、総合2位アンヘル・ピケラスに対してポイント差を56ポイントに拡大。タイトル獲得に向けて着実にアドバンテージを広げれば、2人の新人が台頭。2戦連続3度目の表彰台を獲得したアルバロ・カルペは総合3位、初優勝を挙げたマキシモ・キレスは総合5位に浮上。今週末もレッドブル・ルーキーズ・カップの参戦で走行経験があるトラックに挑む。

存在感を増す2人に続くのは2人の新人、総合14位バレンティン・ペローネと総合16位グイド・ピニ。頭角を現してきた総合7位ルカ・ルネッタ、総合8位ダビド・ムニョス、総合10位ダビド・アルマンサに注目が集まり、総合6位古里太陽と総合11位山中琉聖は今季2度目の表彰台、そしてキャリア初の優勝を追求する。

 

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