チャンピオンシップは、オーバーシーズの初戦、今季5度目となる2連戦の初戦、第17戦日本GPをモビリティリゾートもてぎで開催。ポイントリーダーのマルク・マルケスがタイトル争いの直接ライバルである総合2位アレックス・マルケスよりも、週末が終わった時点で3ポイント以上を稼げば、残り5戦、来週末の第18戦インドネシアGPを待たずに、2019年以来6年ぶり7度目、キャリア通算9度目のチャンピオンに輝く。
マッチポイント
ミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリで開催された第16戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPのティソ・スプリントで今季初めて転倒リタイア、今季初めてトップ2を逃したマルク・マルケスだったが、グランプリレースでは今季11勝目。2014年の13勝、2019年の12勝に続く、年間勝利数を挙げ、プレミアクラスで99勝目に達成。
同時に、ティソ・スプリント元年の2023年王者フランチェスコ・バグナイアと2年目の2024年王者ホルヘ・マルティンが年間で獲得した467ポイントと508ポイントを上回る512ポイントに到達。
2014年、2016年、2018年にタイトルを獲得した思い出の舞台、モビリティリゾートもてぎで開催される今週末は、プレミクラス1年目の2013年から2位、2014年2位、2015年4位、2016年1位、2017年2位、2018年1位、2019年1位、2022年4位、2023年7位/3位、2024年3位/3位。タイトルを獲得したシーズンの決勝レースは常にトップ2でゴールラインを通過していた。
ターゲットは総合2位
残り6戦222ポイントのタイトル争いにおいて、総合2位アレックス・マルケスは、総合1位マルク・マルケスから5戦に相当する182ポイント差、総合3位フランチェスコ・バグナイアには2.5レースに等しい93ポイント差。
ドゥカティ・コルセから来季ファクトリーマシンが供給されることが決定し、目標は自己最高位となる総合2位の獲得に絞られ、オフィシャルテストで総合2番手に進出した後、12年前にキャリア初優勝、1年前に7位と接触転倒を喫した右コーナー8つ、左コーナー6つの右回りトラックで2017年以来9年ぶりとなる優勝表彰台を狙う。
総合3位フランチェスコ・バグナイアは厳しいシーズンを過ごしてきたが、ホームグランプリとなった前戦後のオフィシャルテストで好感触を掴んだことから、2年前に3位と2位、1年前にダブルウィンを達成したトラックで試したことを再確認する。
総合6位フランコ・モルビデリと総合7位ファビオ・ディ・ジャンアントニオは8ポイント差と9ポイント差の総合5位に挑戦。総合8位フェルミン・アルデグエルはシーズンスタート前に設定した新人王に向けて確実にポイントを稼ぎたいところ。
主役の座を狙うアプリリア
ホームグランプリでポールポジションから優勝と2位を獲得した総合4位マルコ・ベツェッキは、総合3位フランチェスコ・バグナイアとのポイント差を8まで接近。総合3位争いの注目が高まって来れば、総合20位ホルヘ・マルティンはオフィシャルテストを利用してライディングポジションとエルゴノミクス、特にハンドルバーの高さを調整したことで快適さが向上。2年前にダブルウィン、1年前に4位と2位を獲得したトラックで、オフィシャルテストで総合4番手に進出した総合14位ラウール・フェルナンデェスと共に注目。
もてぎの主役
アプリリア勢のもう1人、今週末注目の1人は中量級王者として、プレミアクラスのライダーとして日本のファンの前に登場する小椋藍。前戦のグランプリレースで転倒を喫したことから、万全な体調で臨めるようにオフィシャルテストを欠場。どこまで回復しているのか週末最初のセッション、フリープラクティス1で確認することになるだろう。
狙いは総合3位
既にタイトル争いに決着がついたコンストラクター部門において、アプリリアと総合2位争いを繰り広げるKTMもパフォーマンスが向上。特に総合5位ペドロ・アコスタは技術的問題が理由でグランプリレースのリタイアを強いられたが、翌日のオフィシャルテストでは総合1番手に進出。総合3位から49ポイント差、総合4位から41ポイント差と十分にトップ3を狙える射程圏に位置し、1年前はポールポジションを獲得。11週間前の第11戦ドイツGP公式予選2で転倒した際に左肩を負傷から復帰を果たし、2連戦とオフィシャルテストに参加した総合15位マーベリック・ビニャーレスは、どれほど肩が回復しているのか確認する。
目指すは地元での上位進出
2年前の185ポイント、1年前の75ポイントを上回る198ポイントに到達したホンダは、ホームグランプリを迎え、特に注目される存在となるのは、3戦連続してティソ・スプリントとグランプリレースでホンダ勢の最高位に進出した総合12位ルカ・マリーニ。オフィシャルテストでは、総合10位ヨハン・ザルコと共に積極的にテストプログラムに取り組めば、初日プラクティスの転倒が原因でテストをキャンセルした総合18位ジョアン・ミルは、初日午前のセッションで回復具合を確認。
オフィシャルテストで最大の注目を集めたのはヤマハ。総合9位ファビオ・クアルタラロを中心に3人のレギュラーライダーたちが来季投入予定のプロトタイプマシンを試乗すれば、一方で2戦連続して1桁台に進出した総合21位ミゲール・オリベイラはシーズン終了後、契約終了に伴いヤマハから離れることから現行型をテスト。総合22位ソムキアット・チャントラと共に来季の去就にも注目が集まる。
気象状況
月曜日の時点で、プレイベントが開催される水曜日の東京都新宿区は降水確率20%の晴れ。日本GP開催地の栃木県茂木町は木曜日から日曜日まで降水確率30%の曇り。最高気温は木曜日から28度、31度、28度、25度。最低気温は14度、18度、16度、18度。
Moto2™
残り6戦、150ポイントのタイトル争い。数字上では、148ポイント差の総合14位イサン・グエバラと総合15位フィリップ・サラッチまで可能性が残されているが、実際には、ポイントリーダーのマヌエル・ゴンザレス、39ポイント差の総合2位ディオゴ・モレイラと総合3位アロン・カネトの三つ巴。
マヌエル・ゴンザレスは1年前にキャリア初優勝を挙げたモビリティリゾートもてぎでアドバンテージの拡大を目指し、ディオゴ・モレイラとアロン・カネトは1戦で逆転が可能な25ポイント差以内に接近したいところ。
注目は、今季6度目の表彰台を獲得した総合4位バーリー・バルトゥス、2戦連続3度の表彰台を獲得した総合7位ダニエル・オルガド、1年前に当地で軽量級のタイトルを獲得した総合12位ダビド・アロンソ。
総合23位佐々木歩夢は第11戦ドイツGPに続く2度目のシングルフィニッシュ、國井勇輝は今季初のポイント圏内進出を狙う。
Moto3™
ポイントリーダーのホセ・アントニオ・ルエダは、前戦でグループ争いに競り勝ち、4戦ぶりの優勝、今季8勝目を挙げ、タイトル争いのライバル、総合2位アンヘル・ピケラスは5位。来季中量級昇格が発表された2人のポイント差は64から3戦以上となる78に拡大し、今週末は1年前に5位と転倒リタイアだったモビリティリゾートもてぎで対決。
残り6戦150ポイントのタイトル争いにおいて、107ポイント差の総合3位マキシモ・キレス、123ポイント差の総合4位ダビド・ムニョス、140ポイント差の総合5位アルバロ・カルペ、150ポイント差の総合6位ジョエル・ケルソは数字上、逆転の可能性は残されているが、事実上2人に絞られ、4人は総合3位を争う。
タイトル争いの2人と並び、今週末の注目は2人の日本勢。ミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリで12位だった総合9位古里太陽と8位だった総合10位山中琉聖は、ホームグランプリで今季3度目の表彰台、そして、追求するキャリア初優勝を狙う。