ヤマハ・ファクトリーレーシング・チームからペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットで開催された第20戦マレーシアGPにワイルドカードとして参戦したテストライダーのアウグスト・フェルナンデェスは、来季投入を計画する『V4』エンジンを搭載したプロトタイプマシンを駆け、10ラップのティソ・スプリントで優勝者から25.4秒差、ヤマハ勢最高位の5位に進出したファビオ・クアルタラロから16.9秒差の19位。
20ラップのグランプリレースは8列目23番グリッドから47.0秒差、5位のファビオ・クアルタラロから35.5秒差の18位で完走。目標に設定した来季に向けた準備のために、実戦を通じてデータを収集した。
「厳しい週末だった。前回のミサノで終えた時よりも、スタートが悪かったから、ベースを見つけるために、これからの数日間何をすべきか、もう一度やり直す必要があると感じた。唯一ポジティブなことは、これまでの仕事により、ミサノで終えた時と同じ地点であること。」
「ヤマハの同僚たちと同じところで苦しんでいた。全てのデータを分析した結果、ミサノと同じ問題を抱えていることが分かった。ポジティブなことは、少なくとも次のテストとバレンシアに向けて、そして改善に向けて、明確な方向性があるということだけど、パーツが必要。何かが必要。ジオメトリやセットアップの変更など、手元にあるものでできる限りのことをやり尽くし、変更を加えて終わったので、少なくとも進むべき方向性は見えてきた。今後はエンジニアたちが新たなことに取り組み、この方向性を続けてもらう必要がある。少なくとも、これがポジティブだということは非常にハッキリした。」
今後のテストに使用するバイクは?
「このバイクだろう。僕が理解する限り、幾つかの小さな変更と細かいディテールを除けば、これまでと同じバイク。バレンシアに向けて、僕たちが見出した方向性で何かが見つかるかもしれない。見つかるはずだ。それには少し時間がかかるけど、僕たちには時間がない。次戦に向けて準備を整えたい。開発とプロセスをもう少しスピードアップさせる必要があるけど、良いところは、明確な方向性が見えたこと。懸命な作業を続けなければいけない。」
来年の開幕戦までに競争力のあるバイクを準備する時間があるだろうか?
「正直なところ、バレンシアまでに時間があるかどうかを言わなければいけない。まだ先の話しだけど、分析したデータ全てを踏まえて、正しい方向に進むのであれば、それが正しいと僕たちは信じる。バレンシアで確認し、その後で来年の開幕戦に向けて準備が整うかどうかが言えるだろう。ベースとなるバイクは全く新しいもの。」
「課題の1つはエンジン。もっとパワーを発揮できると言われているエンジンが欲しい。次にベースが必要。ミサノとセパンで見たものから作業を続けなければいけない。バイクのバランスも必要。まだバランスが取れていない。シャーシも必要。同じシャーシだけど、より調整が可能なもの。」
週末全体の評価
「正直に言って、テストチーム全体にとって厳しい週末だった。結局のところ、ステアリングシステムはミサノで発見したものとほぼ同じ。セットアップとバランスを調整し、ステアリングを理解するために多くの変更、大きな変更を加えたけど、厳しい週末だった。最終的に何かポジティブなところがあるとすれば、ミサノと同じ問題を抱えているということ。その改善に取り組まなければいけない。ベースを確立する必要があり、このプロセスには多少の時間がかかることから、懸命な作業を続けなければいけない。」
「僕たちは大きく引き離されているのは確か。嘘はつかないけど、ポルトガルGPが開催されているときに、僕たちはアラゴンでテストを実施し、バレンシアに参戦する。オフィシャルテストでテストするオフィシャルライダーたちのために、パッケージを少し改善させる。その後、開幕戦に向けた準備のために、冬の間はずっと作業を続けなければいけない。」
第8戦アラゴンGP、第12戦チェコGP、第16戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPに続き、今季4度目、後半戦2度目のワイルドカード参戦となったアウグスト・フェルナンデェスは、11月9日からモーターランド・アラゴンでプライベートテストを実施。その後、サーキット・リカルド・トルモに移動し、今季最後のワイルドカードとして最終戦バレンシアGPに参戦する。