第18戦オーストラリアGPは今週末、フィリップアイランド・サーキットで10月14日(金)に初日、15日(土)に公式予選、16日(日)に決勝レースを開催。現地時間14時00分、日本時間12時00分に決勝レースがスタートする。
エル・ディアブロ対ペッコ
前戦タイGPで今季3度目の0ポイントに終わったポイントリーダーのファビオ・クアルタラロに対して、8度目の表彰台を獲得したフランチェスコ・バグナイアが18ポイント差から今季最短のポイント差となる『2』に接近。
2019年昇格組の両雄は、前回当地で開催された3年前に対照的な結果を残し、クアルタラロは1列目2番グリッドから1ラップ目に他車の転倒に巻き込まれて転倒リタイア。バグナイアは5列目15番グリッドからプレミアクラス1年目の最高位となる4位を獲得。
『MotoGP™』が始まった2002年以降、ヤマハは5勝を含む20回の表彰台を獲得すれば、ドゥカティは4勝を含む11度の表彰台を獲得。最多勝はホンダの9勝(を含む20回の表彰台)。
20ポイント差の総合3位アレイシ・エスパルガロは、3年前に10位、4年前に9位、12年前の8位が最高位ながら、シーズン中にはフィリップアイランドでの優勝を宣言。自信を持ってオーストラリアに乗り込めば、39ポイント差の総合4位エネア・バスティアニーニは、当地で表彰台獲得の経験がなく、2戦連続して表彰台争いから離れていたことから、史上初となるインディペンデントライダーのチャンピオンに向けて、1戦での逆転が可能となる25ポイント差以内までギャップを詰めたいところ。
ファビオ・クアルタラロにとって、エスパルガロ兄、バスティアニーニ以上に警戒が必要になるかもしれないのは、後半戦に入ってから81ポイント差から40ポイント差まで接近してきた総合5位のジャック・ミラー。3年前には8人のグループ争いに競り勝って、地元で3位を獲得。状況次第では、チームメイトのサポート役に回ることも惜しまない。
優勝、表彰台を狙う精鋭たち
第16戦日本GPで2位を獲得した総合6位ブラッド・ビンダーと前戦タイGPで今季2勝目を挙げた総合8位ミゲール・オリベイラは、中量級での優勝経験があり、KTMの当地最高位9位以上だけでなく、初表彰台を狙う。
長島哲太代役参戦
第15戦アラゴンGPで右手の薬指と小指を負傷した中上貴晶は2戦連続の欠場。代役には、ホンダのテストライダーを担当する長島哲太を起用。
復帰後、パフォーマンスが徐々に向上する総合13位マルク・マルケスは、黒旗失格や転倒など、鬼門と呼ばれるサーキットを迎えるが、2015年、2017年、2019年に優勝。左回りの高速トラックに対して、どのような走りを見せるのか注目が集まる。
長島哲太代役参戦
第15戦アラゴンGPで右手の薬指と小指を負傷した中上貴晶は2戦連続の欠場。代役には、ホンダのテストライダーを担当する長島哲太を起用。
第13戦オーストリアGPで右足首の距骨を骨折し靭帯を損傷したジョアン・ミルは、5年前の2017年に軽量級のタイトルを獲得したトラックでの復帰に向けて、開催前日にメディカルチェックを受ける予定。
ウェットコンディション
金曜の午後に降水確率が高いが、土曜と日曜は曇りが予報され、最高気温は16度、最低気温は8度。今シーズンで最も寒い週末が予報されているが、海沿いに位置することから、特に金曜と土曜は風に注意。
過去のリザルト
2019年
優勝: マルク・マルケス(ホンダ)
2位: カル・クラッチロー(ホンダ)
3位: ジャック・ミラー(ドゥカティ)
2018年
優勝: マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)
2位: アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)
3位: アンドレア・ドビツィオーソ(ドゥカティ)
2017年
優勝: マルク・マルケス(ホンダ)
2位: バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)
3位: マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)
2016年
優勝: カル・クラッチロー(ホンダ)
2位: バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)
3位: マーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)
2015年
優勝: マルク・マルケス(ホンダ)
2位: ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)
3位: アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ)
『Moto2™クラス』~1.5ポイント差のタイトル争い
残り3戦75ポイントのタイトル争い。53.5ポイント差の総合3位アロン・カネトと73.5ポイント差の総合4位チェレスティーノ・ヴィエッティは、数字上逆転の可能性が残されているが、事実上、総合1位アウグスト・フェルナンデェスと総合2位小椋藍の一騎打ち。
後半戦6戦だけを見れば、フェルナンデェスが小椋より0.5ポイントだけ多く稼いでいるが、互角の展開。当地での成績は、フェルナンデェスが2017年から17位、4位、19位に対して、小椋は初挑戦となった軽量級1年目の2019年に14位。経験値はフェルナンデェスが上回るが、セッション毎にパフォーマンスを確実に向上させる小椋の初日に注目が集まる。
注目が高まるのは、両雄のチームメイト、総合6位ペドロ・アコスタと総合9位ソムキアット・チャントラ。チーム部門では、連覇を狙う総合1位レッドブル・KTM・アジョを総合2位イデミツ・ホンダ・チーム・アジアが13.5ポイント差で追う。
今季2勝を挙げたペドロ・アコスタは、新人王争いで総合1位に進出。2年連続のタイトル獲得に向けて、第7戦フランスGPからのレギュラー参戦ながら総合10位まで浮上してきたアロンソ・ロペスと争う。
過去のリザルト
2019年
優勝: ブラッド・ビンダー(KTM)
2位: ホルヘ・マルティン(KTM)
3位: トーマス・ルティ(カレックス)
2018年
優勝: ブラッド・ビンダー(KTM)
2位: ジョアン・ミル(カレックス)
3位: チャビ・ビエルゲ(カレックス)
2017年
優勝: ミゲール・オリベイラ(KTM)
2位: ブラッド・ビンダー(KTM)
3位: フランコ・モルビデリ(カレックス)
『Moto3™クラス』~イサン・グエバラ、マッチポイント
前戦5位の総合1位イサン・グエバラは、今季4勝を挙げて総合2位に再浮上したデニス・フォッジャに49ポイント差、転倒が原因で4度目の0ポイントに終わって総合3位に後退したセルジオ・ガルシアに56ポイント差。経験値がない当地に素早く適応し、2人に51ポイント差以上のアドバンテージを広げれば、タイトル獲得となる。
高いレベルで繰り広げられている新人王争いは、ダニエル・オルガドを中心にディオゴ・モレイラとダビド・ムニョスが追う展開。
コンストラクター部門は、ガスガスがホンダに23ポイント差。最終戦までもつれ込む可能性が高いが、チーム部門は、ガスガス・アスパル・チームがレオパード・レーシングに130ポイント差。135ポイントのタイトル争いとなることから、今週末の結果次第では、ガスガス・アスパル・チームが初めてタイトルを獲得することになる。
日本勢が最後に当地で優勝を挙げたのは2001年の宇井陽一。表彰台は2005年の小山知良。3戦連続8度目の表彰台を獲得した総合4位佐々木歩夢と2018年と2019年に優勝争いを繰り広げて連続4位に進出した総合7位鈴木竜生は、21年ぶりの優勝、17年ぶりの表彰台を狙う。
過去のリザルト
2019年
優勝: ロレンソォ・ダッラ・ポルタ(ホンダ)
2位: マルコス・ラミレス(ホンダ)
3位: アルベルト・アレナス(KTM)
2018年
優勝: アルベルト・アレナス(KTM)
2位: ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(ホンダ)
3位: チェレスティーノ・ヴィエッティ(KTM)
2017年
優勝: ジョアン・ミル(ホンダ)
2位: リビオ・ロイ(ホンダ)
3位: ホルヘ・マルティン(ホンダ)
ライブ中継配信
オフィシャルウェブでは、開催前日のプレスカンファレンスから3クラスの決勝レースまで完全網羅の生中継配信。各セッション後には、いつでも、どこでも、観たいときの視聴が可能な見逃し配信のオンデマンドを提供。