第7戦ドイツGPは今週末、ザクセンリンクで6月16日(金)に初日、17日(土)に公式予選と『Tissot Sprint(スプリント)』、18日(日)に決勝レースを開催。今季3度目のポールポジションからティソ・スプリントで3勝目、決勝レースで3勝目を挙げたポイントリーダーのフランチェスコ・バグナイアが2年前に5位、1年前に転倒を喫したトラックでポイント差の拡大を目指す。
ドゥカティ、15年ぶりの優勝を狙う
先週末はホームのムジェロ・サーキットで初めてトップ4を独占する快挙を達成。今週末は特殊なレイアウトを持つザクセンリンクで、チャンピオンシップの主役を飾る総合2位マルコ・ベツェッキ、2戦連続2位の総合3位ホルヘ・マルティン、2戦連続3位の総合5位ヨハン・ザルコ、好走を見せる総合6位ルカ・マリーニ、負傷から復帰して確実にポイントを稼いだ総合20位エネア・バスティアニーニがフランチェスコ・バグナイアと共に2008年以来15年ぶりとなる優勝を狙う。
ストップ・ザ・ドゥカティの最有力候補
KTMは参戦を開始した2017年以降、当地での最高位は2年前の2位。昨年の最高位は7位だが、ライバルのホームトラックで積極的にバトルを仕掛けた総合4位ブラッド・ビンダーと総合7位ジャック・ミラーは高い操縦性を誇る『RC16』を駆使し、曲がりくねったザクセンリンクで歴史を作りたいところ。
アプリリア勢、息を吹き返せるか
開幕戦で好発進したマーベリック・ビニャーレスだが、欧州ラウンドに入ってから、思うようなパフォーマンスとリザルトから遠退き、総合10位まで後退。対照的にアレイシ・エスパルガロは第4戦スペインGPからパフォーマンスが向上し、リザルトが安定して総合9位まで浮上。
負傷から復帰した総合17位ミゲール・オリベイラと腕上がり症状から回復した総合26位ラウール・フェルナンデェスもムジェロで好走を見せたことから、4人が特殊なトラックでどのような走りを見せるのか注目が集まる。
上位進出に期待が高まるヤマハの両雄
ムジェロで10位と11位、16位と10位だった総合8位ファビオ・クアルタラロと総合12位フランコ・モルビデリは、初日、2日目とも午前のセッションでは上位に進出。今週末は先週末ほど気温が上昇しないことが予報され、昨年は気温35度、路面温度が50度以上まで上昇したにも関わらず、クアルタラロは1ラップ目から主導権を握り、最後は4.9秒差の優勝。先週末は競技面以外なことで注目されたが、今週末はパフォーマンスとリザルトの面で主役に返り咲く。
キング・オブ・ザ・リンクに相応しい走りを見せるか
ジョアン・ミルとアレックス・リンスが負傷欠場するホンダ勢だが、総合16位中上貴晶と総合18位マルク・マルケスが過去に圧倒的な強さを誇示したザクセンリンクで改善作業を継続。
軽量級でタイトルを獲得した参戦3年目の2010年からプレミアクラス6年目の2019年まで、前人未到の10年連続優勝、10年連続のポールトゥウインを達成し、パンデミックの影響を受けた2020年を経て、2021年に5番グリッドから右上腕骨手術後初優勝を挙げたザクセンリンクに戻って来るマルク・マルケスは、断固たる決意を持って、強さを誇示する左回りトラックに挑戦。
Moto2™
2戦連続5度目の表彰台、開幕から5戦連続のトップ4入りを果たしたトニー・アルボリーノは、抜群の安定感でチャンピオンシップをリードすれば、今季3勝目を挙げたペドロ・アコスタは、強さを武器に総合2位に進出。過去の成績では、アルボリーノの最高位が昨年の10位に対して、アコスタは軽量級1年目に優勝、中量級1年目に2位を獲得。
今週末も2人の対決が予想されるが、2度のロングラップペナルティが科せられたが6位まで挽回した総合3位アロンソ・ロペス、飛躍のシーズンとなっている総合4位フィリップ・サラッチ、右手の小指と薬指を負傷しながら4位でチェッカーフラッグを受けた総合5位アロン・カネト、2度目の表彰台を獲得した総合6位ジェイク・ディクソンらが優勝、表彰台に挑戦。
総合19位の小椋藍は、2年前に転倒、1年前に8位だった左回りトラックで上位陣とのタイム差、ポイント差を詰め始めに行く。
Moto3™
参戦2年目のダニエル・オルガドは、開幕戦ポルトガルGP、第5戦フランスGP、第6戦イタリアGPで優勝を挙げ、昨年タイトルを獲得したイサン・グエバラを上回るペースでポイントを稼ぎ、ライバルたちとのアドバンテージを拡大。昨年3番グリッドから6位だった当地でポイントを稼ぎに行く。
ポイントリーダーに挑戦するのは、総合2位ジャウメ・マシア、総合3位イバン・オルトラ、総合4位ディオゴ・モレイラ、総合5位佐々木歩夢。前戦で自己最高位タイの2位を獲得した総合6位デニス・オンジュ、新人勢最高位の総合7位に進出する総合7位ダビド・アロンソにも注目。
総合10位鈴木竜生は、前戦の決勝レースで転倒した際に左手と左足を負傷したことから欠場を強いられるが、総合12位鳥羽海渡と総合13位山中琉聖はトップ10入り、ルマンとムジェロで好走を見せた古里太陽は、ポイント圏内の進出を目指す。
天気予報
水曜日の時点で、降水確率は金曜日26%、土曜日37%、日曜日6%。最高気温は18度、21度、24度の晴れが予報されている。