タイトル争いの行方は?7戦終了時点で3人が有力候補

ホルヘ・マルティン、フランチェスコ・バグナイア、マルク・マルケスのポイント差は37

チャンピオンシップ75周年を祝福するシーズンは、第7戦イタリアGPが終了した時点でホルヘ・マルティンがポイントリーダーとしてタイトル争いをリード。サマーブレイク前の2連戦、第8戦TTアッセンと第9戦ドイツGPで総合2位フランチェスコ・バグナイア、総合3位マルク・マルケスがどこまでポイント差を縮められるかに注目が集まる。

MotoGP™, Race, Michelin® Grand Prix de France
MotoGP™, Race, Michelin® Grand Prix de France

ホルヘ・マルティン

2001年以来23年ぶりとなるサテライトチーム所属のチャンピオンを目指す26歳のスペイン人ライダーは、3度のポールポジションを含む5度の1列目を獲得して、年間予選最速者を決定する『BMW M Award』で総合1位に進出。元来1発の速さには定評があったが、昨シーズンまでと比較し、今季は速さに加え、予選での安定感が際立ち、昨年全19戦中9勝を含む14度の表彰台を獲得したティソ・スプリントでは、第7戦イタリアGPで初の転倒リタイアを喫したが、3勝を含む5戦連続の表彰台を獲得し、最多56ポイントを加算。

決勝レースでも昨年の1勝を含む3度の表彰台から2勝を含む5度の表彰台を獲得。さらに、転倒リタイアも2回から1回に減少。高い競争力に課題の安定感が向上したことから、タイトル獲得の条件に挙げていたスタートダッシュに成功。

昨年のアッセンは10番グリッドから6位と5位。ザクセンリンクでは6番グリッドから初のダブルウィンを達成していた。

Jorge Martin, Prima Pramac Racing, Michelin® Grand Prix de France
Jorge Martin, Prima Pramac Racing, Michelin® Grand Prix de France

 

フランチェスコ・バグナイア

1949年以降史上10人目となる3連覇を狙う27歳のイタリア人ライダーは、開幕戦こそポイントリーダーに飛び出し、順調なシーズンスタートを切ったかに思われたが、ティソ・スプリントで第4戦スペインGPから3戦連続のリタイア、決勝レースでは第2戦ポルトガルGPで接触転倒を喫し、第5戦フランスGPが終了した時点で、ポイントリーダーとのギャップが38ポイント差まで広がったが、第6戦カタルーニャGPで今季4勝目、第7戦イタリアGPで今季初のダブルウィンを達成して、18ポイント差まで接近。

2年前に残り10戦で91ポイント差を逆転した実績があり、今季はまだポールポジションを獲得していないが、第5戦フランスGPから3戦連続して予選2番手。2年連続して『BMW M Award』と『Pole to Poles』のプライベートタイトルを獲得した本来の速さと強さ、そして安定感を取り戻しつつあり、2連勝とダブルウィンの勢いに乗って、昨年2番グリッドから2位と1位、ポールポジションから14位と2位だったアッセンとザクセンリンクに乗り込む。

Francesco Bagnaia, Ducati Lenovo Team, Gran Premio d’Italia Brembo
Francesco Bagnaia, Ducati Lenovo Team, Gran Premio d’Italia Brembo

 

マルク・マルケス

11年間で6度のタイトル獲得に成功したホンダのファクトリーチームからドゥカティのサテライトチーム、グレシーニ・レーシングに移籍した31歳のスペイン人ライダーは、ドゥカティ機乗り換え2戦目のティソ・スプリントで自己最高位の2位、4戦目の公式予選でポールポジション、決勝レースで表彰台を獲得。第2戦ポルトガルGPで接触転倒、第3戦アメリカズGPで転倒を喫したが、第5戦フランスGPと第6戦カタルーニャGPでは5列目から連続表彰台を獲得。

2023年型のドゥカティ機に対する適応、理解度、ライディングスタイルの変更、セッティングの調整が進み、1戦で逆転が可能な35ポイント差まで接近。2021年10月の第16戦エミリア-ロマーニャGP以来となる優勝に注目が集まるだけでなく、過去に2勝を挙げたアッセン、特に8勝を挙げたザクセンリンクの結果次第では、5年ぶりにタイトル争いの主役に躍り出るかもしれない。

Marc Marquez, Gresini Racing MotoGP™, Gran Premi Monster Energy de Catalunya
Marc Marquez, Gresini Racing MotoGP™, Gran Premi Monster Energy de Catalunya

 

ダークホース

総合4位エネア・バスティアニーニは、ホルヘ・マルティンフランチェスコ・バグナイアと同じ2024年型のドゥカティ機を駆け、3度の表彰台を獲得して57ポイント差。

総合5位ペドロ・アコスタは、カテゴリーとKTM機に素早く順応し、2度の表彰台を獲得して70ポイント差。

2人が安定して表彰台争いを繰り広げ、早い時期に初優勝を挙げ、1戦で逆転が可能な37ポイント差以内まで接近すれば、伏兵的な存在から候補に名乗りを挙げることになり、第3戦アメリカズGPで歴史的な優勝を挙げた総合6位マーベリック・ビニャーレスにも同じことが言える。

注目が集まるサマーブレイク直前の2連戦、第8戦TTアッセンは6月28日から30日にTT・サーキット・アッセン第9戦ドイツGPは7月5日から7日にザクセンリンクで開催。

 

 

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