プリマ・プラマック・ヤマハは、1月31日にマレーシアの首都クアラルンプールでファクトリーチームのモンスターエナジー・ヤマハと合同で2025年のラインナップを発表。起用1年目のミゲール・オリベイラとジャック・ミラーが2025年型『YZR-M1』のカラーリングを披露した。
ミゲール・オリベイラ
「新しいシーズンの始まりはいつも特別な瞬間であり、僕はプリマ・プラマック・ヤマハと、この新しい挑戦に対してモチベーションを高めている。 昨年、チームがライダー部門を制したことは献身、努力、情熱がいかに大きな違いを生み、究極の成功につながることを完璧に証明した。このチームは非常に競争力があり、ヤマハの強力なサポートがあれば、比較的短期間で大きな成功を収める長期的なプロジェクトに着手できると確信している。」
「この挑戦がどのように展開するのかが楽しみ。マレーシアとタイでのウインターテストでバイクに乗って作業を始めることが待ちきれない。目標はシーズンスタートに向けて可能な限り準備を整えること。この機会を与えてくれたパオロ・カンピノティ、プラマック・レーシング、ヤマハに感謝し、全力を尽くすことを約束する。」
「過去2年間は身体的にも精神的にも厳しかった。深刻な負傷からの回復は常に困難を伴い、一貫性とリズムを取り戻すには時間がかかる。クルーとの強いつながりを持つことも基本であり、新しいトラックエンジニアのルカ・フェラッチョーリと過ごした短い時間の中で、すでに素晴らしい相性があると感じている。この調和は、これからのシーズンを最大限に活かすために協力し合うことが鍵となるだろう。」
ジャック・ミラー
「ようやくシーズンが始まることにとてもワクワクしている。11月にバルセロナで実施したテストは、足に水を浸す程度だったけど、これから本当の仕事が始まる。ヤマハが日本で開発に取り組んでいる間、彼らと多くの連絡を取り合った。聞いた話によると、新しくて興味深いアイデアや試すべきパーツが沢山あるようだ。誰もがプリマ・プラマック・ヤマハでの、この新しい冒険にとても興奮しているようで、それは僕にも同じことが言える。バイクに乗って懸命に働くことが待ちきれない。タイでの開幕戦に向けて、正しい方向へ一歩ずつ進んで行きたい。」
「数年ぶりにプラマック・レーシングに戻って来る僕にとって、これは素晴らしいこと。僕がパオロ・カンピノティと素晴らしい関係にあることは承知の事実であり、ジノ・ボルソイも、チームのみんなも僕を温かく歓迎してくれた。これは僕たちにとって、新しいプロジェクトだけど、新しい名前を覚えるよりも、沢山の馴染の顔に囲まれて、このような新しいチャレンジを始める方がずっと楽しい。本当にホームにいるような気分。ここで過ごした過去と同じくらい、あるいはそれ以上に楽しい時間を過ごせることを願っている。」
パオロ・カンピノティ(チームプリンシパル)
「プラマック・レーシングの歴史の中で最も意義深く栄光に満ちた日、ホルヘ・マルティンとともにチャンピオンシップのライダー部門を制覇してから数ヶ月が経ちました。今、我々はマレーシアに来て、新たな刺激的な挑戦に立ち向かう準備ができています。2024年はスリリングなシーズンとなり、モーターサイクルの歴史に重要な一章を書き加えることができました。それはまた、長く素晴らしい道のりを経て、20年にわたるパートナーシップに終止符を打つ、複雑で困難な年でもありました。」
「あらゆる人や企業のキャリアにおいて、新たな挑戦とインスピレーションを求めて新たな道を歩む時が来ます。我々にとって、その瞬間はプリマ・プラマック・ヤマハの誕生とともに始まります。これは、チャンピオンシップの次のシーズンに向けて準備を進めている、我々のスポーツの歴史を築いてきたメーカーのセカンドファクトリーチームとしての旅の始まりを示しています。」
「ヤマハのパートナーとして選ばれたことは、我々のチームが過去数シーズンにわたって懸命に努力してきたことの証です。ジュニアチームから、ワールドタイトルを競い、そして獲得できるチームへと成長しました。4年連続でインディペンデントチームに選出され、特に2023年にチーム部門、2024年にライダー部門を制したことは、我々の能力とプロフェッショナリズムの証です。これらの成功により、我々は2025年シーズンに向けて、さらに高い地位を築くことができます。」
「最初に、ジノ・ボルソイや他のチームリーダーから、この新たな挑戦を引き受けることを選んだメカニックに至るまで、このチームの一員である全員に感謝したいと思います。これは当然の結果ではありません。幾つかの自然な変化は別として、チーム全体がこの新しいプロジェクトに直ぐに信頼を置いているのを見ると、我々の帰属意識が強まっただけでなく、大きな成果を目指す決意にもなりました。また、過去数年間にわたりチームの垂直的成長を支えてくれたタイトルスポンサーのプリマ・アッシクラツィオーニにも感謝の意を表したいと思います。彼らの貢献はプリマ・プラマック・レーシングの成功の鍵であり、我々と協力して、今後のシーズンも続く、勝利のパートナーシップを築きました。」
「ヤマハは、最終戦でのパフォーマンス向上が証明するように、トップに返り咲くという強い決意を示しています。トラック上で努力を倍増させる機会があれば、より早くギャップを縮めることができるでしょう。あらゆるレベルでの深くオープンなコラボレーションと、この最初の数週間で我々が構築し始めた共通のビジョンにより、将来に対する楽観的な気持ちでいっぱいです。」
「ジャック・ミラーを再びチームに迎えます。彼は我々と一緒に過ごした3年間で成長し、成熟しただけでなく、より強いチームスピリットを育むのにも貢献しました。彼が得た経験は『M1』の開発において、非常に貴重なものとなると確信しています。また、ミゲール・オリベイラを温かく歓迎します。彼は賢く、才能に溢れ、速いライダーですが、ここ数年間は怪我が原因で実力を十分に発揮できませんでした。彼が我々のカラーを着て走る姿を見ることが楽しみです。」
ジノ・ボルソイ(チームマネージャー)
「プリマ・プラマック・レーシングとヤマハのパートナーシップは、我々をオフィシャルチームチームの延長として確立するものであり、刺激的であると同時に挑戦的でもあります。このコラボレーションは、世界で最も名声があり、成功しているメーカーの1つと協力する機会を提供します。ヤマハの素晴らしい記録は、2024年以来8度のライダー部門と5度のコンストラクター部門、『500cc』で10度のライダー部門、9度のコンストラクター部門、さらに他のクラスでも数多くのタイトルを獲得しており、その偉大さを際立たせています。」
「ここ数シーズンで達成した結果を考えると、ヤマハとの提携は戦略的な前進となります。一緒に仕事を始めた最初の数週間の経験から、このパートナーシップにより、ヤマハが『MotoGP™』の頂点に取り戻すことができると確信しました。」
「このプロジェクトは、特に初年度である今年は、考え方の転換が必要なため、特に興味深いものです。我々の焦点は、レースに勝つための競争から、ヤマハをできるだけ早く表彰台に戻すことを主な目的とした開発とコラボレーションに専念することへと移行します。この目的のために、情報とフィードバックの流れを最大限に高め、チームとヤマハが様々なライディングスタイルに適したバランスの取れたバイクを開発できるように、異なるバックグラウンドを持つ才能ある2人のライダーを選びました。」
「ジャック・ミラーにとっては、これは彼がよく知るチームへの復帰を意味し、迅速な再統合プロセスを期待します。ミゲール・オリベイラは対照的な技術的およびスタイル的なアプローチをもたらし、開発の可能性を広げます。この多様性は、我々の目標を達成する上で役に立ちます。」
「プリマ・プラマック・レーシングとヤマハの双方による投資、および緊密な協力と情報共有への取り組みを考慮すると、このパートナーシップが競争力の回復への道を切り開き、レースでの勝利、そして最終的にはチャンピオンシップを目指して戦うことができると確信しています。」
発表会では、中量級に参戦するプラマック・ヤマハがチームマネージャーにアレックス・デ・アンジェリスが就任すると発表。参戦1年目に起用するトニー・アルボリーノとイサン・グエバラはヤマハ発動機が展開するモータースポーツライフの支援プログラムであり、レース普及と若手育成に取り組む活動『bLU cRU(ブルークルー)』のイメージカラーであるブルーを基調としたマシンカラーリングを披露した。
フランスの自動車メーカーで『F1』に参戦するアルピーヌをメインパートナーとして迎えるプリマ・プラマック・ヤマハは、2月1日からペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキットで開催するシェイクダウンテストに参加。ミゲール・オリベイラとジャック・ミラーが11月のオフィシャルテストで始めたヤマハ機への乗り換え作業を再開する。