チャンピオンシップは残り4戦。今週末からの2連戦、第19戦オーストラリアGPと第20戦マレーシアGP、そして11月の2連戦、第21戦ポルトガルGPと最終戦バレンシアGPを残すのみとなり、世界で最も壮観な舞台の1つであり、毎年ハイスピードアクションが繰り広げられる象徴的なサーキット『ザ・アイランド』ことフィリップアイランド・サーキットでの注目は総合2位、3位争い。
チャンピオン不在
第17戦日本GPでタイトルを獲得したマルク・マルケスは、前戦インドネシアGPで右肩を負傷したことから今週末からの2連戦に欠場。ライダー部門、コンストラクター部門、チーム部門を制し、既に8度のポールポジションを獲得したことから年間のポールポジションの獲得数で争う『TISSOT Pole of Poles(ティソ・ポール・オブ・ポールズ)』のプライベートタイトルも2019年以来6年ぶりに獲得。年間予選最速者を決定する『BMW M Award(ビーエムダブリュー・エム・アワード)』は総合2位アレックス・マルケスに対して69ポイント差。2019年以来8度目のプライベートタイトルを獲得するかどうかは、復帰時期に大きく依存する。
総合2位/3位争い
自己最高位となる総合2位、そして史上初となる兄弟のワンツーフィニッシュに向け、アレックス・マルケスは前戦インドネシアGPで22ポイントを稼げば、第17戦日本GPで今季初のダブルウィンを達成した総合3位フランチェスコ・バグナイアだったが、今季3度目の0ポイントに終わったことから、2人のポイント差は88に拡大。
残り4戦148ポイントの争いにおいて、総合2位から108ポイント差の総合4位マルコ・ベッツェッキ、147ポイント差の総合5位ペドロ・アコスタにも数字上は可能性が残されているが、注目はフランチェスコ・バグナイア、マルコ・ベッツェッキ、ペドロ・アコスタの総合3位争い。アプリリアのマルコ・ベッツェッキ、KTMのペドロ・アコスタとしては、ドゥカティのトップ3独占を阻止したいところ。
コンストラクター部門
ドゥカティが既にタイトルを獲得しているが、総合2位をアプリリアとKTMが争う展開。両メーカーのポイント差は28。アプリリアから72ポイント差のホンダは今週末の結果次第では十分にトップ3を占める欧州勢の一角を崩す可能性がある。
ルーキー・オブ・ザ・イヤー
参戦18戦目で初優勝を挙げたフェルミン・アルデグエルは総合8位に浮上。1年前に優勝を挙げたフィリップアイランド・サーキットでのタイトル獲得に挑み、第16戦サンマリノ&リビエラ・ディ・リミニGPで右手を負傷した111ポイント差の小椋藍は復帰に向けて木曜日にメディカルチェックを受ける予定。
負傷代役
ドゥカティは右肩の肩甲骨を負傷するマルク・マルケスの代役としてテストライダーのミケーレ・ピロを起用。今季初参戦となれば、アプリリアは右鎖骨を骨折したホルヘ・マルティンの代役としてテストライダーにロレンソォ・サバドーリを招集予定。KTMは左肩を負傷するマーベリック・ビニャーレスの代役として、ポル・エスパルガロを指名した。
気象状況
月曜日の時点で、金曜日は最高気温15度、最低気温10度、午前中の降水確率が45%の曇り。土曜日は18度15度、降水確率0%の晴れ。日曜日は最高気温が14時頃に22度まで上昇するが、11時頃まで時速60キロメートルを超える突風が予報され、19時以降に雨が降る見込み。
Moto2™
残り4戦、100ポイントのタイトル争い。数字上は、総合7位チェレスティーノ・ヴィエッティまでがタイトルを狙える可能性が残されているが、実質上、ポイントリーダーのマヌエル・ゴンザレスと総合2位ディオゴ・モレイラの一騎打ち。
マヌエル・ゴンザレスは前戦インドネシアGPで今季10度目の表彰台となる2番手でフィニッシュラインを通過したが、レース後、非公認ソフトウェアの使用が発覚。ファームウェアのアップデートで送信エラーが発生したことが原因で、結果は剥奪され、今季3勝目を挙げたディオゴ・モレイラが9ポイント差に接近。
総合3位アロン・カネトは21番グリッドから3位を獲得したことで、49ポイント差から33ポイント差まで挽回したが、逆転を狙うなら、今週末に1戦で逆転が可能となる25ポイント差までギャップを詰めたいところ。1年前はゴールラインまで繰り広げた優勝争いの末、コンマ1秒差の2位。ディオゴ・モレイラはマヌエル・ゴンザレスに競り勝って5位だった。
新人王争いは、3年前の軽量級新人王争いでディオゴ・モレイラに9ポイント差で敗れたダニエル・オルガドがダビド・アロンソに対して56ポイント差。タイトル獲得に向けて前進している一方で、パフォーマンスとリザルトが右肩上がりで向上しているイバン・オルトラとコリン・ベイヤーは終盤戦の注目的存在。今週末は1年前に初表彰台を獲得した地元出身のセナ・アギウスにも注目。
Moto3™
ポイントリーダーのホセ・アントニオ・ルエダは、ペルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・サーキットで開催された前戦インドネシアGPで今季9度目の優勝を挙げ、タイトル獲得に成功。フィリップアイランド・サーキットにチャンピオンとして乗り込むことから、注目は総合2位、総合3位、新人王争い。
総合2位アンヘル・ピケラスと総合3位マキシモ・キレスのポイント差は14。残り4戦100ポイントの争いにおいて、総合4位ダビド・ムニョスは赤旗の原因となった接触転倒した際に左脚大腿骨を骨折したことから翌日にサーキット近郊の病院で手術を受け、無事に成功したが、治療に専念することになり、トップ2、3争いから脱落。
新人王も2人の争い。マキシモ・キレスとアルバロ・カルペのポイント差は60。第3戦アメリカズGPから参戦する最年少のマキシモ・キレスがタイトル獲得に近づいている一方で、パフォーマンスとリザルトが向上しているバレンティン・ペローネとグイド・ピニは注目の存在。
フィリップアイランド・サーキットでは、地元出身の総合5位ジョエル・ケルソと総合15位ヤコブ・ルールストーンにも注目。