ドゥカティ・レノボ・チームのマルク・マルケスは、ホームグランプリとなった第１５戦カタルーニャＧＰのティソ・スプリントで第８戦アラゴンＧＰから８戦連続１４度目の優勝。
グランプリレースは、ホールショットを決めた後、４ラップ目の１コーナーでアレックス・マルケスに抜かれて２番手を走行。１.７４０秒差の２位でチェッカーフラッグを受け、第８戦アラゴンＧＰからの連勝記録が途切れたが、開催日程の中で赤印を付けていたバルセロナ－カタルーニャ・サーキットで、第６戦フランスＧＰから１０戦連続１３度目の表彰台を獲得した。
「誰かが連勝記録を阻止しなければいけないとしたら、それは遅かれ早かれ訪れる。僕は嘘をつかなかった。厳しい週末になり、いつも以上に仕事をしなければいけないと木曜日に言った。予想していた通りになり、アレックス・マルケスが連勝を止めた。彼はここでいつも非常に速かった。『Moto3™』で勝ち、『Moto2™』で勝ち、今日『MotoGP™』で勝った。彼はドゥカティ勢で唯一、ティソ・スプリントで僕に勝ち、それはシルバーストン、グランプリレースで僕を倒した。昨日は僕が勝ったけど、それは彼が転んだから。今日は最高の形で乗り越えた。」
幸せのワンツーフィニッシュ
「昨日はほろ苦かった。チャンピオンシップのポイント差と僕たちが置かれている状況を考えると、弟とワンツーフィニッシュを分かち合える瞬間を楽しまなければいけない。アラゴンで逆だったけど、今日はアレックスが勝った。ヘレスで転んだときは本当に腹が立った。彼が勝ったのに、喜びを分かち合えなかったから。今の状況では、人生とこの唯一な瞬間を楽しまなければいけない。将来、このような瞬間を繰り返すのは非常に難しいだろう。たとえ、それが当たり前のように見えても、僕はそれを大切に思い、その当たり前から抜け出そうとしている。」
キャラクターの違い
「アレックスは僕が弱点とするところで非常に速い。逆もまた然り。バラトンパーク・サーキットのような、厄介でアンチライディングなトラックのようなところが得意。ここのようなロングトラックは苦しむ。僕にとって最も重要なのは、苦しみながら、彼の近くで走っていたこと。全てを危険にさらし、ミスを犯してスリップストリームを失ったことで、全てを失った。見えていたけど、週末最初のセッションから、彼がトラック上で最速だった。レースでタイヤが消耗していくのが見えていたけど、それでも４０秒前半で走った。それ以上はなかった。」
マルケスという名前
「もしアレックスが別の名前だったら、今シーズンはもっと評価されていただろう。彼は常にハンディキャップを抱えている。多くの人はそれが助けだと思っているけど、兄がいることで、さらに負担が増している。確かに今シーズンは期待以上に良い成績を残している。完璧なシーズンを送っている。手の怪我やペナルティで少し複雑な状況に陥ったけど、あの３、４レースを除けば、彼はタイトルを獲得できるかもしれないシーズンを送っていた。」
「アレックスは何でもできる。過去にそれを証明してきた。他のライダーのような特別な才能は持っていないかもしれないけど、他のライダーよりもはるかに努力家。名前は挙げないけど、才能があっても努力しなければ... 逆もまた然り。努力しなければ、才能がいくらあっても足りない。彼は何でもできる。『Moto3™』と『Moto2™』でタイトルを獲得した。今は僅か１台のファクトリーマシンに続いて、総合２位に位置。ほぼ無敵のシーズンを送っている。」
レース戦略
「ストレートエンドで平行に並ぶところが見えたので、何もしなかった。目標は序盤の２ラップをリードすること。フロントタイヤを上手くコントロールしたかったから。リアタイヤが劣化するだけでなく、フロントタイヤもかなりダメージを受けていた。それからは、３番手とのギャップを広げるためにアレックスを追いかけたけど、３番手のことしか考えなかった。レースでは、アタックを仕掛けることが必ずしも最善策とは限らない。どの瞬間に自分がいるのか、そして何が必要なのかを理解しなければいけない。今日はアレックスのスリップストリームを利用して他車を引き離し、最後にチャンスを掴む必要があった。」
チームマネージャーからの助言
「ダビデ・タルドッツィは『もしかしたら、できないと認める日が来たかもしれない。トライしろ』と言った。トライしたけど、残り５ラップの７コーナーでミスを犯し、１０コーナーで再びミスを犯した。何度も転びそうになったから、ここまでだと思った。」
タイトル獲得
「残り７戦。この調子が続けば、時間の問題。タイトルを獲得すれば、２０２５年が終わり、２０２６年が始まる。考えは継続すること。」
総合２位アレックス・マルケスとのアドバンテージが１８２ポイント差となったことから、来週末の次戦、ドゥカティのホームグランプリとなる次戦サンマリノ＆リビエラ・ディ・リミニＧＰでのタイトル獲得の可能性を失ったが、ミサノ・ワールド・サーキット－マルコ・シモンチェリでライバルよりも３ポイント差以上を稼げば、２０１４年、２０１６年、２０１８年にタイトルを獲得した思い出の舞台、モビリティリゾートもてぎで２０１９年以来６年ぶりの王冠奪回のチャンスを迎える。