75周年の記念グランプリ~22人がヴァンテージスタイルで登場

3連覇を狙うフランチェスコ・バグナイアが2年連続して後半戦の緒戦をポイントリーダーとして迎える

第10戦イギリスGPは、今週末の8月2日から4日にシルバーストンで開催。8月3日に公式予選とショートレースのティソ・スプリント、4日に決勝レースが催行される。

ヴァンテージスタイル

今週末は1949年に初開催されたチャンピオンシップの75周年を記念するスペシャルグランプリとして、プレミアクラスに参戦する11チームがヴァンテージスタイルのバイクカラーリングを準備。開催前日の8月1日にお披露目会が行われ、22人のレギュラーライダーたちもバイクに合わせて、ヴァンテージスタイルのレーシングスーツに身を包んでレースに挑む。

ドゥカティ

サマーブレイク前の前戦ドイツGPで6戦連続8勝目、6連戦連続の表彰台独占、3戦連続5度目のトップ4独占、5戦ぶり2度目のトップ5独占を達成した後、2017年に初優勝、2022年に2勝目を挙げたシルバーストンに挑戦。

フランチェスコ・バグナイア対ホルヘ・マルティン

キャリア通算200戦目で破竹の4連勝を挙げ、ドゥカティの優勝ランキングで1位に位置するレジェンド、ケーシー・ストーナーを上回る24勝目を挙げたフランチェスコ・バグナイアはポイントリーダーに再浮上。1年前に12位と2位、2年前に優勝を挙げた当地でアドバンテージの拡大を図る。

今季2度目の転倒を喫して、ポイントリーダーから総合2位に後退したホルヘ・マルティンだったが、9戦が終了した時点で、昨年の173ポイントを大幅に上回る212ポイントを獲得。昨年連続6位だったトラックで10ポイント差に挑む。

今季3度目の5列目から表彰台を獲得したマルク・マルケスは、アレックス・マルケスと一緒に登壇したことから、1997年7月の第8戦イモラGPで2位と3位だった青木宣篤青木拓磨の青木兄弟以来27年ぶり、プレミアクラスで史上3組目となる兄弟表彰台を達成。今週末は2014年に優勝を挙げた右回りトラックで56ポイント差のギャップを詰めたいところ。

総合4位エネア・バスティアニーニ、総合8位ファビオ・ディ・ジャンアントニオ、総合10位アレックス・マルケス、総合12位マルコ・ベツェッキはハイポイントを稼ぎ、順位を1つでも上げたいところ。注目はプレシーズンを欠場したが、前戦で今季のベストパフォーマンスを見せた総合11位フランコ・モルビデリ。今週末にどこまでリザルトを伸ばせるのか、来季の去就と共に注目が集まる。

アプリリア

昨年優勝を挙げた舞台に戻って来るアプリリアは、第3戦アメリカズGP以来となる今季2勝目を目指す絶好の機会。来季トラックハウス・レーシングからの参戦が発表されたラウール・フェルナンデェスに今年型が初供給されることから、初の4台体制で後半戦の緒戦を迎える。

昨年優勝を挙げたアレイシ・エスパルガロは、第8戦TTアッセンのティソ・スプリントで転倒した際に右手(第5中手骨)を骨折したことから、開催前日にメディカルチェックを受ける予定。

KTM

コンストラクター部門でドゥカティから150ポイント差、アプリリアから10ポイント差の総合3位に位置するKTMは、テストライダーのダニ・ペドロサポル・エスパルガロが意欲的にテストプログラムを遂行中。昨年KTMのシルバーストン最高位となる3位を獲得したブラッド・ビンダーと中量級で3位を獲得したペドロ・アコスタは、2週間後のホームグランプリとなる第11戦オーストリアGPを前に表彰台を目指し、来季の去就が決まっていないジャック・ミラーアウグスト・フェルナンデェスの動向にも耳目が集まる。

ヤマハ

第8戦TTアッセンの決勝レースで転倒した際に右手首と右足を骨折したアレックス・リンスはサマーブレイクを返上して、治療とリハビリに専念。復帰する場合は、開催前日にメディカルチェックを受ける。

第10戦イギリスGPにワイルドカード参戦を予定していたテストライダーのカル・クラッチローが右手の負傷により欠場するが、ワイルドカードを有効に利用するため、第9戦ドイツGPにアレックス・リンスの負傷代役を務めたレミー・ガードナーを招集する。

ホンダ

3度のワイルドカードを含めて、テストチームとテストライダーのステファン・ブラドルは優遇措置のコンセッションを利用して積極的にテストプログラムを実行するホンダ勢は、中上貴晶が東京・秋葉原で開催されたイベントでニューパーツの投入を明らかにしてことから、契約期間を延長したジョアン・ミルを中心にシルバーストンでどのようなパフォーマンスを披露するのか注目が集まる。

天気予報

月曜日の時点で、金曜日は最高気温24度の晴れだが、土曜日は午前3時から10時頃まで雨が予報され、日曜日は最高気温20度、最低気温15度の曇り。

Moto2™

タイトル争いで頭一つ飛び出したのは、2勝を含む5度の表彰台を獲得したポイントリーダーのセルジオ・ガルシアと2勝を含む4度の表彰台を獲得した総合2位の小椋藍。2人のポイント差は7。開幕から9戦連続してトップ7入りを果たした2人がシルバーストンでどのようなバトルを繰り広げるのか注目が集まる。

2人を追うのは、1勝を含む4度の表彰台を獲得した総合3位ジョー・ロバーツと2勝を含む4度の表彰台を獲得した総合4位フェルミン・アルデグエ。1戦と3戦の0ポイントが影響して24ポイント差と39ポイント差。

緒戦で優勝を挙げた総合5位アロンソ・ロペス、2戦目で優勝を挙げた総合7位アロン・カネト、前戦で2位を獲得した総合10位ジェイク・ディクソンらがどこまで追い上げられるのか、参戦1年目の佐々木歩夢が何戦目でポイント圏内に進出できるのか関心が集まる。

トレーニングアクシデントが原因で左手と左手首を骨折したデニス・オンジュは欠場。第8戦TTアッセンから2戦連続して起用されたマルセル・シュロッターが三度代役を務める。

Moto3™

前半戦9戦が終了した時点で、6勝を挙げたダビド・アロンソが2戦で逆転が不可能な58ポイント差までアドバンテージを拡大。過去にタイトルを獲得したペドロ・アコスタの年間6勝、イサン・グエバラホルヘ・マルティンの7勝、ニコラス・テロールアルバロ・バウティスタの8勝、マルク・マルケスジョアン・ミルの10勝を越えられるか関心が高まり、今週末は昨年最後尾の28番グリッドからキャリア初優勝にポイントリーダーとして、シルバーストンに乗り込む。

今季1勝を挙げた58ポイント差の総合2位イバン・オルトラ、59ポイント差の総合3位ダニエル・オルガド、64ポイント差の総合4位コリン・ベイヤーは1戦1戦に挑戦し、ポイントリーダーの前でコンスタントにゴールするしか逆転の可能性はないだろう。

総合6位山中琉聖は12ポイント差の総合5位に挑戦。総合11位古里太陽は2戦連続3度目の表彰台、キャリア初優勝、ホンダ勢の最高位を目指し、総合15位鈴木竜生はハスクバーナ機での初表彰台を狙う。

Mラボ・レーシングは初参戦の2022年から起用する18歳のイギリス人ライダー、ジョシュア・ワットリーとの間で前戦終了後にパートナーシップを終了。今季3戦に代役参戦した26歳のスペイン人ライダー、ビセンテ・ペレスを今週末から第14戦エミリア・ロマーニャGPまでの5戦に起用する。